飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

春先に採用した人たちも、それなりに成長してきます

1年生のNさんはアルバイトをはじめてもう3ヵ月くらいになります。可愛らしくて、良い人なんです。でもなにか消極的な感じがして、成長が遅いようにも見えていました。

こういう場合、開店直後とか閉店間際の時間に働いてもらうようにしています。なぜなら、その時間帯はホール係が一人になるので、その人の動きを正確に見る事ができるし、なにか仕事上の疑問があったら1対1で聞き出す事もできるからです。

で、Nさんの動きを見ていると、驚きの発見がありました。どの作業も最後まで仕上がっていません。コーラを冷蔵庫に補充するように指示したらコーラが出しっぱなしだったり、食後のテーブルを片付けた後を見ると、メニューがいがんでおしこんであるし、トングは無いし・・・。

ちょっと確認してみようと思って、Nさんを呼んで「このテーブルは片付けが終わっているのですか?」と聞いてみました。少し答えをまっていると、メニューの配置が悪い事やトングの無い事に 自分から気が付いて、直していました。1人にするとまともな仕上がりにならない状況のようです。

その後看板を店内に入れる事を指示して、すこし目を離していたら、厨房の人が看板を入れていました。私はNさんに「なぜ厨房の人が看板をいれているのですか?私はあなたに依頼したはずです」と問いただしました。「初めてだったのでわからなくって・・」みたいな答え。私は、厨房の人は忙しいし、そもそも看板を中に入れる作業はホールの人がやっているので、彼女がやらなければならない事を伝えました。

 

どうやら、Nさんは普通に成長するタイプでは無いようです。

 

こういう場合、いくつか原因が考えられます

①自分に自信がない 常に人目が気になる、上司が怖い

②仕事に興味がない(なめている)

③不真面目 ずるい

 

この3点のどれかをみきわめながら、しばらく様子を見る事にします。ただ、仕事が仕上がっていない場合はきちんと説明だけします。

一見真面目そうに見えて、すごくずるい考え方をもっている人もたまにいます。こういう人は「自信が無い人」より始末が悪い。

まあ、どういうタイプかよく見て、結論を出します。

成長しない理由はいろいろ考えられますが、判断する材料は「動き」と「仕上がり」です。「動き」がどんくさそうに見える人でも、「仕上がり」がまともなら心配しません。しかしその逆は 要注意ですね。

 

 

 

失敗した!!普段は気が付くのにわからんかったです

オリンピックが近づいてきて、この4連休、わがお店にもお客様が増えてきました。8時半までの時短要請が出ていますので、とにかくご来店が早いです。「おひさしぶりです〇〇です」と言ってくれるお客様もおられます。長らく、ご家族での外出を控えておられた方々も「そろそろええかな」って感じでしょう。

 

予想はしていましたが、急に盛り上がってくると準備するほうも「てんやわんや」で、アルバイトのスケジュール調整とか、仕込みとか、必死です。

 

そこに痛恨な出来事が・・・

どうも店内が暑いなあ、と感じて、扇風機を追加したりしていました。この夏は特別に暑いんだと思っていたのです。ところが、久しぶりに入ってくれた男性バイトの方が、「風量が弱すぎる。去年はこんなもんじゃなかった」と言ってくれて、、、、「あっ」と思ってエアコンのフィルターを洗ってみたら、めちゃめちゃ風量が上がって、涼しくなりました。夏前のメンテナンスでやるべきなのですが、(言い訳ですが)時短営業でヒマだったので、エアコンの異常に気が付かなかったのです。バイトさんの一言って、ホンマに助かりますわ。このままだったら、気が付かないでエアコン修理を依頼してたかもしれません。

とにかく、ここ1年、調子のはずれた営業をしていたり、営業そのものを取りやめていた飲食店さんも多いと思います。営業再開時、またはもとの売上げリズムに戻って来る時には、機械が変な事になってる事が多いですよ。

毎日のリズムが違うので、いつもなら気が付いていることも、わからなくなってると思いますから、ご注意ください。

 

昨日まですこし暑かったかもしれません。申し訳ありませんでした。今日からはすずしくてばっちりですから、ご来店お待ちしています。

 

 

 

私たち、「郊外の飲食店」はなぜ自粛営業しているのでしょうか

 

一昨日、お休みだったので大阪梅田の繁華街を見てきました。たくさんの飲食店が「朝5時まで営業」でした。

美味しくないお店や、サービス最悪のお店も超満員でした。要請通りに飲食店が自粛している周辺市町村からの需要を一気に引き受けているんでしょう。「梅田は遅くまで開いてるで」てなもんです。

 

オリンピックの選手村でも陽性者がいっぱいでているようです。これは日本の飲食店とは関係ないでしょう。

 

4連休で行楽に出かける方で空港や駅がいっぱいになっている映像が流れています。「三密」という考え方はなくなったのでしょうか。

 

東京都の重症者数は今53人、1月20日時点では160人だったようです。「重症者が減っている事」は報道されず「陽性者が増えている事」が毎日テレビの速報で報道されています。

 

兵庫県の井戸知事は連休中でも急激な感染拡大あれば「まん延防止措置」要請をすると言っています。今も三宮には「5時まで営業」しているお店がたくさんあって「まん延防止措置」を宣言しても効き目が無い事は明白なのに、、、、他に効果的な方法はないのでしょうか?かといって西村大臣のように卑劣な方策を発案してほしいとは思いませんが。

 

中心部の繁華街のお店が自粛していないので、お客様は電車にのって、三宮や梅田でおそくまでお酒をのんでいます。

 

私たち、「郊外の飲食店」は何のために時短自粛営業しているのでしょうか

 

原材料値上げ、商品値上げについて考えました

飲食店の2大コストといえば、食材費と労務費つまりフード&レーバーだと思います。フードコストを下げるにはどうすればいいかについて、友人と話合ったので、忘れないうちに書いておこうと思います。最近肉関係の原材料価格が上がってきていて、コストを圧迫している背景もあります。

まず

仕入れ値を下げる・・これは業者さんにお願いして、安くしてもらうとか、同じものをちがうところから仕入れるとか、競争してもらうとかがアクションでしょう。最近はNET販売で同じものが安くなっているケースもありますが、逆に高い場合もあります。また売価が安い事にばかり気を取られないで、買い付けるまでの交通費や配送料、手間など目に見えないコストまでを含めて検討する必要もあります。

②歩留まりをよくする・・・10KGのお肉を買って、全部売れたのか、掃除して〇〇%を捨てた残りを売っているのかをきちんと把握しましょう。全部売ったほうが良いにきまっています。またお客さんには出してないが、まかないでは使っている、ような原材料はその分のコストが浮いているという計算もしましょう。

③違う原材料を使う・・・根本的に味が変わってしまっては意味がありませんが、少々かえてもいなら安い物に変えればいいでしょう。

④商品価格を上げる・・・商品価格を上げればコスト%は下がります。ただ、売上げが下がってしまえば意味はありません。その「加減」が判断できる人が「店長」です。メニューが自力で価格変更できるものになっていなければ細かい変更はできません。上げるだけではなくて値段を下げるアイテムを用意しましょう。フードコスト%が極めて低い商品ならば大胆に値下げしても%には良い影響を出す場合があります。

値上げしたあと「会員価格」を設定してメルマガ会員さんとかLINE会員さんだけは安く注文できるようにしておくのも得策です。

値上げするときは前記の①~③ができているかをまず考えてみましょう。その上で値上げするのは仕方ない事です。しかし「値上げで儲けよう」という考えは危険ですね。

10年単位、5年単位で考えたら、原材料価格は相当変化するものです。何か1種類の原材料単価が上がっても、常に全体を見直しながら商品価格を考えるようにしたらいいでしょう。仮に何年も商品価格が全く変わってなかったら、「そりゃまずい」でしょうね。

 

 

自粛解除にむかって時流が早いので、やる事一杯です

兵庫県は7月末まである程度自粛要請していますが、まん延防止重点措置期間は終わりました。

最近は「商売を軌道に乗せるための活動をいかにはじめるか」、が私の優先項目です。

会社員の宴会、競馬客のご来店が期待できないままです。ですから、ファミリーや「仲良しさん」たちのニーズを掘り起こすために、土日昼営業をしていました。

今週からは、もう一歩すすめて、ランチコースを(1,000円~)はじめることにしました。過去3か月以上、土日は昼から開店し様子を見てきましたが、お客様の動向や自身の体調管理の面から見て、この時間帯は売上げ拡大の可能性があるとみましたので、ランチコース導入となったわけです。

また、昨日から学生コースを約30%値下げしました。自粛営業期間は学生コースの1,000円提供が一番集客効果がありました。メニュー、客層、タイミングが合致したのでしょう。自粛営業期間の客席を埋めていただきました。ですから、1,000円は通常販売としては安すぎるのですが、もう少しお求めやすい価格にする工夫は必要だと思っていました。中華そばは多いという(カロリーを気にする)女子学生さんからの意見も取り入れて、さらにお安く提供できるようにしました。

今、牛タンやハラミを中心に原材料が高騰しています。国際的な問題なので仕方ないです。お値段を変更せざるをえませんが、その前に、これまで使いきれていなかった原材料が無いか再確認する事にします。たとえば、もつ味噌煮込み・牛タンポン酢サラダ・肉ポン等は、牛タンを1本買いして皮を剥いて焼肉として売る部分を取ったあとに残る部位(たんした・タン筋・たん先等)を利用した料理です。こういった再利用的な料理を軌道に乗せる事によって、お客様にも味の変化、バラエティをを楽しんでいただけるし、価格高騰策にもなりますので、値上げをすこしでも押さえる事ができます。

店長としてこういった施策を実施しながら、SNSに発信したり、数字の変化を見たりしていれば、自信にもなりますしビジネス手腕が上がってくると思います。

逆にチェーン店の皆さんは、残念ながらこういった価格やメニューに関するチャレンジが店長レベルでは自由にできないシステムいなっている事も多いと思います。これから生き残るためには、現場に接している店長の自由裁量を認める事も「アリ」ではないでしょうか。自由にできる私から見て「窮屈そうだな」「地域的に合ってないな」と思う事も多いですし。

これからの飲食店は戦国時代になりますね。生き残った店同士の戦いですから。「店長がいかに成長するか」(「させるか」ではなくて)がポイントではないかと思います。店長が何かに縛られて、動きが遅いようだと、負けてしまうんじゃないですか。

 

 

 

 

 

「覚える」ではなく「理解する」職場にするための努力

新1年生が育ってきたので、アイドルタイムに私と1対1で働く時間を設けることにしました。昨日はホール女子のMさんと一緒に働きました。

なんかわからない事あるかい?と聞いたら、レジの打ち方がわからない、とのこと。ほな、ちょっと練習してみようか、ということで架空の伝票を作って、それを打ってみよう、となりました。

そこで問題発生。

当店には、メールマガジンと公式LINEアカウントがあり、それぞれに値引きクーポン商品がありますが、Mさんはメルマガも公式LINEも、全く認識していません。こりゃレジ打ちどころか伝票が成立しません。ですから、まずメルマガと公式LINEに登録してもらって、そのメカニズムを理解してもらうことからはじめました。

Mさんはレジの打ち方とか修正方法とかがわからない、と言っていますが、

伝票が作れない人はレジなんか打ってはいけません。

つまりMさんは、自分が「どこにいるのか」がわかってなかったんですね。五里霧中といいますか、ぼやーっとしてたんでしょう。私はこれまで何度か Mさんに、「作業をおぼえるんじゃなくて、理解してください」と言っていましたが。作業を追いかけるだけで、精一杯だったんでしょう。それは悪い事ではありません。

だから、十数回働いた後に、理解していないジャンルを突き止めて、本人に伝えて、わからせる作業は私がする事にしています。この話し合いは教える方が説教しているような役目になります。結構ハードな状況になるので、バイト同士のトレーニングにこのレベルまでを求めてもうまくいかない。

今回Mさんとは良い話合いができました。この経験を生かして、表面的な作業を「覚える」のではなく、誰のため、なんのための仕事なのかを「理解」する事に重点を置いてほしいと思います。そう伝えました。

そうしてくれないと、2年生になったときに「後輩に見せられない先輩」になってしまう。それは悩ましい事です。「使えない」ということになるので思うように働けなくなるかもしれない。

私は優しい店長ですが、職場としてこういう厳しい側面がある事を否定はしません。

まだ全然間に合うので、頑張ってほしいですね。これからの変化に期待です。丁寧にコミュニケーションしているから大丈夫だと思います。

 

 

 

 

 

要請変更の前後には、変な電話かかってきます。・

先週の金曜日、閉店後、電話がかかってきました。

その方曰く

「ちょっと確認したのですが、来週からの営業時間とかはどうなりますか」

私は「お客様はどなた様ですか?なぜそんなこと聞くのですか」

曰く「予約しようと思って・・・・」

私「兵庫県の要請では8時30分までですよ。それはご存じですか」

曰く「はい」

私「では、要請に従わないお店をさがしているのですか」

曰く「いや、8時でおわるお店もあるかなと思って・・・・」

私「そんなお店ないでしょう」

曰く「私も聞けと言われてきいてるもんで・・・もうわかりましたから」

私「私はご質問に何も答えていませんよ。何がわかったのですか、当店は兵庫県の要請通りにすると思いますが、まだ決めていません。県の方針もかわるかもしれませんし」

曰く「わかりました。」

 

こんな感じの顛末です。

私の対応が攻撃的と思われる方もいるかもしれませんが、閉店後に、こういう電話が、毎日、数回かかってきます。

あまりに多いので「どなた様ですか」と聞くようにしたら、翌日からかかってこなくなりました。

LINE会員さんや メルマガ会員さんとかには毎日の営業時間を細かくお知らせしているので、リピーターさんの確認とも思えません。

 

どういう筋の方からの問い合わせなんでしょうか?

 

ストレートに「8時半以降もやってますか?」とか「お酒のめますか」とか聞いてくる人とも少し、雰囲気がちがうんです。弱気な調査員さんみたいな感じです・

 

まさかの マスコミ?

 

ひょっとしてマスコミ関係?