飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

職場としての副反応について考えてみました

飲食店への時短要請等が、ぼちぼち解除されていくようです。お酒を飲めるようになりましたのでずいぶんとお客様が増えてきました。これは良い事なのですが、予想通り「副反応」が出てきました。

お客様の数が増えてくることで、ここ1~2年で採用されたアルバイトさんと、それ以上前から働いているアルバイトさんの「実力差」が浮き彫りになってきています。簡単に言うと感染騒動下で採用された人は「生産性が低い」のです。

ちょっとしたことが多いのですが、例えばお客様をお見送りするときにベテランさんはお帰りになるお客様についていって、歩道にでてお見送りしますが、新人さんはお会計が終わったら、出口でじっと待ってお客様のために出口を開けようとします。でもこのやり方では、お客様もせかせれますし、他のお客様から注文が入ったら失敗します。

その他、注文が入った時の、コンディメント類の用意が遅いとか、、、

満席のお客様から次々に注文が入って来る経験が少ないので、無駄な動きが多いのです。まだ、修羅場をくぐってないんですな。

「だれが教えたのか?」と思うような事をしますね。でも、ベテランはそんなことしないので、自分で考えたんでしょうね。それで、同じ新人仲間がしている事を見て「私もしなきゃ」という対抗心から、おかしな作法が1~2年生の中で流行していくんです。店長としても気になるけど「まあいいか」で流していたものもあるのです。しかし、いざ、通常通りのお客様の量に戻ると、あきらかに「間違った方法」であることに気が付きます。

こういう副反応もあるのです。営業再開して人が足りない!とかの事態には陥っていませんが、人の確保に成功したらしたで悩みがつきません。

社会全体が長期異常事態におちいったツケはこれからいろんな形で出てくるものと思われます。変化したほうを正常とするとしても、変化しない状態に戻すとしても、ついてこれない人は出てきます。

例えば、ここ2年、テレワークだけで育ってきた新入社員は、本当の実力をもっているのでしょうか。新入社員が通常の状態になった会社の中でおかしな事をした場合、上司はきちんと分析できるでしょうか?。早期退職がふえるんではないでしょうか。

コ〇ナ世代とか、いわれるんじゃないでしょうか。「バブル世代」のように。

 

 

「顧客ファーストなお店」をつくるために

私が思う「顧客ファーストなお店」とは、ホール係がお客様に対する事以外のことは何もしなくてよい状態を形成されている状態のお店です。

お客様がいない時は ホール係は「何もしていない」状態でも、誰も文句を言わないし、それが不自然ではない環境。

もちろん、厨房で働く人はそうではなく、常にいそがしくなるための準備を常にしているのですから、アイドルタイムはいろいろと忙しいと思います。

問題なのはこのアイドルタイムに忙しそうな厨房メンバーが、ホール係を使おうとしたり、ホール係が厨房を手伝う事が チームワーク上、「良いこと」だと思い込む事です。

別の仕事を手伝ってはいけない、とまでは言いませんが、店長は「ホール係が接客サービスを100%集中してやっているのか」を常に注目してください。すぐに資材を気にしたり、厨房側の仕事をやりたがったりするのホール係がいてはこまります。

 

ものすごく売れてお客様がひっきりなしにご来店されるお店は、ホール係はお客様に集中しています。集中が途切れて問題が起こったら、余計にしんどくなることを知っているからです。また、厨房メンバーも、ホール係に余計な仕事をさせてはいけないと本能的に理解しているのでしょう。

だから よく売れるのです。

売れていない時間帯も 売れるための体制をとるために、なすべきことは、システムのスリム化、不要な習慣の否定、など、余計な仕事の削減と意識の変革でしょう。

きちんと清掃するシステムができていれば、暇だからといって「大掃除」みたいな動きをとる必要もありません。

しかしながら、ホール係さんの中には、じっとしているとサボっているように見えるのが嫌なのか、そもそもアイドルタイムに動きまわることがかっこいいと思っているのか、不要な仕事や取り決めを増やす人がいます。

こういうタイプの人が役に立つ場合もあるにはありますが、売上げを上げて利益を増大させていくためには、こういう人の動きを抑え込んでいく必要があります。

「アイドル要員」は最終的にはいなくなる事がゴールでもあるのです。

営業時間を自由に変更できる自営業だけの話ではありますが、営業時間の長いチェーン店さんもご参照ください。

 

 

上司ファーストの職場はこうやって形成されていくのか!

恐ろしい経験をしました。

私のお店では電話が鳴ったらすべて私か妻が出る事にしています。予約の申し込みが多いでからですね。

受話器は私が手を伸ばせばとれるところにあるのですが、今年のいつごろからか、近くにいるホール係の人が、私が手を伸ばす前に受話器を取って私にわたしてくれるようになりました。そのうえでメモとペンを私の手もとに持ってきてくれるのです。

正直言って、受話器をとってくれなくてもいいし、予約だったら専用ノートに書きこむのでメモなんかほとんど使いません。でもまあ、文句も言わずにそのままにしておきました。

ところが、先日、1年生のNさんが、生ビールを入れているときに電話が鳴ったのですが、彼女は生ビールを入れる作業を中断して、ダッシュで受話器を取って私に渡そうとしました。でも私のほうが受話器を先にとったのです。ならばと、メモを用意しようとしてくれました。お客様の生ビールをほったらかしにして、です。

私はショックでした。わがお店にも「忖度社会」が作られていたからです。

私は、Yさんを叱りました。彼女に悪気が無いのは知っています。誰か先輩がそうしているのを見て、「こうしなきゃいけない」、と思ったので実行しただけでしょう。でも軽々しく、「お客様」より「店長の電話サポート」を優先した姿が許せなかった。そんなにきつくは叱りませんでしたが、「あなたはとんでもないことをした。お客様から請け負った仕事をこんな風に軽々しく中断するなんてとんでもないことだ。二度とするな。」と言わざるをえませんでした。彼女も悲しいとは思いますが、何が問題なのか、本質を理解させる必要があります。

その後、電話の位置も変え、私がすぐ出れるようにしましたし、今後は必要もないのに電話に触らないように告知します。

小さな問題だと思って、放置していたら、新人さんのとんでもない「勘違い誘発」していました。19歳の人の感覚は、デリケートだし未成熟なので、注意しないといけません。

 

「忖度優先の職場」はこうやって簡単に出来上がりますので、ご注意を。

 

 

 

 

たたかれた側の言い分をストレートに言ったらこうなるかな。

都道府県で感染者数が激減していますので、知事のみなさんが自粛要請の解除を発表しています。

「早ければ24日にも解除する考えを示しました」とか言ってますが、要請の解除ですから、さっさと要請をひっこめるだけですわ。

どうも知事のみなさんは、要請を「命令」のように思っているようですね。「要請」すなわち市民にお願いしているだけですから、何の手続きもいりませんよね。市民のほうでもうそろそろ安全やな、って思ってますよ。でも、協力金の事とかあるから、要請の打ち切りをきめるだけでしょう。もう安全ですよ。

 

疑問なのはひっこめながら、「感染対策の徹底をおねがいしたい」とか言ってますけど、どういう意味ですか。念の為なのはわかりますが、あまりにも、あいまい。

 

知事にお伺いしたい。

短縮営業の要請解除した時点での「感染対策の徹底」とは何を意味しますか?具体的に示せますか。無理でしょ。例えば、マスクの実質的効果はどれくらいなんですか?

 

法的根拠も論理的根拠もあいまいなままですから、正しいガイドラインなんかできない。

飲食店側がお店でお客様の検温をすることさえ、法的根拠が明確ではないので、強制できないと、県庁からいわれました。

CO2センサーは「買ってほしいの?」「買わなければいけないの?」どっちですか。強制なのか任意なのか明確にしてください。おそらく、全部任意でしょう。政治家が法律を作らないで、どうしますか!!

 

法的根拠もないのに、「お願いしたい」ばっかり連発しないでいただきたい。アクリル板の設置基準、設置方法などについても民間まかせじゃないですか。「こんなアクリル板、何の効果があるねん?」と疑問なお店にも「認証店」のステッカーが交付されていますね。

お店は、建築段階で設備を保健所に視察してもらい許可をとってから営業しています。アクリル板の設置基準もそろそろ作ったらどうですか。できるなら。

人流を減らすために飲食店を「叩いた」んでしょ。今回は「叩き方」に法的根拠が薄かったから、言う事を聞かないお店もありました。

次からは、どういうお店をどういうふうに「叩く」のか、法的に明確してください。そしたら叩かれないように準備しますから。

でも、あんまりお粗末な事ばかりしてたら、「叩き返す」かもしれませんよ。

 

「感染対策の徹底をおねがいしたい」なんちゅう中途半端な表現をいつまでも使っているようでしたら、知事は政治家失格です。議員も同罪。

 

 

フェイクニュースが横行する時期ですのでお気をつけ下さい。

自粛解除になって、いきなり「人不足」とか「アルバイト争奪戦」とかの記事がちょいちょいみられます。

永久閉店したお店が多いので、そんなはずはないのですが、必ずこういう記事がでます。

この現象について考えたい。

まず、営業していて「人が足りなくて売上げを逃しているな」と感じさせる状態に陥るには2つのパターンがあります。1つは「玉砕型」、もう一つは「プランミス型」。

プランミスとは、読んで字のごとく、売上げ計画を間違えて低く見積もった時にハイセールスが押し寄せた場合です。こういう場合は店長が反省して、情報を精査し翌週の売上げ計画を見直せば、もう解決です。

問題は「玉砕型」です。人が不足しているにもかかわらず、通常の営業をしようとして、結局お客様に大迷惑をおかけする。長期にわたって玉砕していると、売上げも下がるし、人は辞めるし、集まらなくなる。

今のように、自粛期間から通常営業に変わって、売上げが伸びてきている時期は「プランミス型」の人不足はある程度発生するでしょうね。店長さんは上司とよく話あって、どういうふうに売上げを予測していくのか、、、どれくらい積極的にするのか、決める必要がありますね。それで問題解決です。

 

やっかいなのは「玉砕型」の店長です。実はこういう人はいかなる状況でも、人不足を引き起こす人です。デフレであろうがインフレであろうが、この人が店長になれば、瞬く間に人がいなくなるのです。これは謎です。その人が怖いとか優しいとかの問題ではなく、「なぜかいなくなるのです」。

しかも、こういう人は他のお店を見て勉強したり情報交換したりしません。なぜなら人がいないからです。したがって自分の置かれた状況が「普通」と思い込んで、自分の出している結果が「異常」とは気が付きません。自分が変化しないといけないとは思っていても何のヒントもないので、できない。

こういう人が

「自粛期間に、既存のアルバイトが他でバイトを始めてしまったので、頼んでも入ってくれないので、人不足のまま営業しています」とか言うてる。自分がおかしなことを言っているのが解っていないのです。アルバイトがいなくなったら、補充しなきゃ。

協力金あるんだから、休んでいる間に、どうやって人を入れていくのか考えてなきゃいけないのですが、根が「玉砕型」だからそれもできない。でも、その人にとって「人不足」は事実です。現象としては、そうなんです。仕方ない。

厄介なのは、この「玉砕型」の人にインタビューして、さも世の中のスタンダードであるかのように報道、告知したりする人々がいるという事。

社会不安をあおって視聴率を得たい報道関係とか、募集広告の売上げを上げたいリクルートサイトの業者さんとにとって「玉砕型」の店長こそ大好物であり、お得意様です。利用されます。

全国民が飲食店を使った経験や、アルバイトした経験をもっていますので、これは身近なニュースとして受け入れるのですが、こういった「フェイクニュース」がまことしやかに受け入れられるような時勢でもありますので、どうぞお気をつけ下さい。

 

 

 

 

 

 

 

緊急事態宣言解除後10日目の報告をいたします

緊急事態宣言が解除されて10日経ちました。飲食店の状況はいろんな感じですが、当店の状況は21時までの時短の中、健闘しているように思います。前前年にはおよびませんが、前年とは良い勝負をしそうです。

特に9日10日の土日は、近隣のお客様と思われる方々が多数ご来店されたのと、12時からのご来店が多かったです。

土日、12時から営業は今年の3月ぐらいから、昼間のお客様が少ない中、辛抱強く続行していたので、これが根付いてくれたらすごく嬉しいです。

実は、感染騒動の中、阪神競馬場さんの無観客営業と近隣の会社さんの歓送迎会禁止によって、従来の顧客を大きく失ってしまったので、その分を近隣居住の皆さんの再開発によって切り抜けようと思ったのです。近隣には家族連れが多いので、クリームソーダとかお子さんの喜ぶようなメニューを導入したり、ファミリー盛り合わせとか大家族でも注文しやすいようにしたり、熟年カップルとかを意識したり、下宿の学生さんに合わせた低価格のコースを作ったりしておりました。逆に日本酒の銘柄にこだわったりはしないようにしておりますし、料理は1人で食べるにはちょっと多いかなと思うようなサイズになっています。

でも、夜のご来店は同じ時刻に重なってしまうので、どうしても入れないお客様が発生してしまい、売上げが頭打ちになってしまいます。ですから昼間に移行してもらえると助かるのです。

昨日日曜日は、昼間に3~4人でご来店され、しこたま飲んでいくグループが多かったです。帰り際に「まだ明るいやん。昼間の酒はうまいなあ」といってご機嫌でお帰りになられました。私にも経験ありますが、昼から飲む解放感っていいですね。七輪焼きですから、昼間のバーベキューパーティみたいなもんかもしれませんね。

もう一度、お昼間にたくさん飲むお客さんの「生態」を観察し、こういった方々に合うメニューや雰囲気はなにかを考えて、お店に応用していけば、さらなる売上げ確保ができるんじゃないかと思いました。

転んでもタダでは起きない、とか 毒を変じて薬と為す とかいろんな言い方がありますが、感染騒動以降の立ち直りの様子を世間から見られているとも思いますので、全集中でやっていきます。

 

 

スシローさんに謝罪したい。 すごいもん見た!!

スシローさんの「伊丹荒牧店」に行きました。このお店は全国のスシローさんのパイロット店になっているようです。

私が驚いたのは、お会計時「お皿を従業員が数えに来ない」事です。いつものようにタッチパネルの「会計をする」のボタンを押したら、瞬時に私の食べた皿数が価格別に表示されました。自分のたべたものと照合したらばっちり正解です。

無人化」というか「近未来化」というか、進歩的な開発も、ここまできたか!と感動してしまった。スシローさんに最大限に賛辞を送りたい。

おもえば3年くらい前に、このお店が「無人会計」を始めたとき、私はフェイスブックで批判コメントを書いたのですが、その件についても謝罪したい。申し訳ありませんでした。

このお店はここ数年で、カウンターは2席ごとに仕切り(アクリル板とかちゃちな物ではなく)を設け、直通ラインを全テーブルに配置したりしていました。天井にはおびただしい数のカメラを装着したりして物々しかったのですが、それでいて就業員の声もよく聞こえたいたり、新しい商品を積極的に対面で宣伝してくれたり(今は感染症対策でやっていないようですが)無人化というよりも、より近未来化した繁盛店を目指していたのだという事がよくわかりました。その根気強い投資(莫大だと思う)、お店の人達と一体化した真摯な現場対応等に賛辞を送りたい。

まだ完成形ではないのでしょうが、その過程において切磋琢磨している状態を見て、批判をしていた自分を恥じています。本当に申し訳ない。

たとえば数十年前、くら寿司さんが皿にバーコードを付けて30分でレーンのお寿司が自動廃棄されるシステムを作った時もびっくりして感心しましたが、今回はそれ以上です。「できっこないだろう」と思う事をしてくれたからだと思います。全国展開できるのかどうかわかりませんが、私は絶対にしてほしい。

蛇足かもしれませんが 最近、同業のもうひとつのチェーンが「回転すし屋を脱却した回転すし屋」という標語を作り、値引きとプロモーションを連発しています。比較してみても、スシローさんの何年にもわたる研究と投資とはレベルが違うように見えます。

 

でも。こんなとこで批判して、実は見当外れで、数年後に謝罪しないといけなくなるかもしれませんから、これくらいにしておきます

 

とにかく「スシロー万歳!!」だ