飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

接客が褒められているのですが、なぜでしょうか

昨日、ネットをチェックしていたら、

 

最近、私のお店のグルメサイトにコメントをくださっているお客様へ返信ができていないことに気が付きました。件数にして5件です。

 

内容をよく読んで、それにあった返信・御礼コメントを書き込みます。

 

内容はお褒めの言葉ばかりでした。ありがたいです。グルメサイトの口コミですから、褒めていただく事も多いのですが、その褒められる事柄が少し変化したような気がしました。

 

飲食店を褒める場合、たいていは「味」が対象になります。逆に厳しい意見をいただく場合は「サービス」と「味」になります。「提供が遅かった」とか「愛想が無い」とか、、、、。

 

でも、今回の5通のご意見の中に、ホールの接客を評価していただいているものが3件ありました。接客がすばらしい、とか、店員さん優しい、とか お店の女の子が気が付く方で・・・とかです。

 

「めずらしいな」「意外だな」が私の第一印象です。私としてはサービスがレベルアップしたとは思っていなかったからです。ホール従業員さんはとても頑張ってくれているます。それは認めますが、そんなに変化したわけではないので・・。

 

 

そこで気が付いた事があります。

 

実は、当店は顔の大部分が見えなくなる「マスク」ではなく、透明のシールドを口の前につける物を使用しています。

 

私の経営信条として表情が見えなくなるマスクはどうしても受け入れられなかった。

 

コスト負担が相当あがりましたが、それでも「マウスシールドいこう」と、2年前に決断しました。

 

その後、マウスシールドはマスクより効果が薄い・・等々、報道で問題も提起されましたが、2年間「表情の見える接客」を推し進めてきました。もちろん、クラスターになったことは無いし、店内から感染者を出す事もなかったです。

 

近頃、近隣のお店を利用してみましたが、やっぱり接客のレベルダウンは否めないのではないでしょうか。お客様も店員も表情が読み取れない。非接触である事を求められている。そんな環境の中では、ホール係さんは本来のレベルを発揮できないし、接客そのもののやり方を変えたけど、お客様には受け入れられない・・とか。

 

そんな中、当店が接客システムを変えずに営業し続けたので、希少価値のあるお店になり、「良い接客サービス」に見えるようになったのではないか・・・。これが私の仮説です。

 

 

これからいずれかのタイミングで社会が「マスク解除」の方向にふれたとき、また飲食業に変化が起こると思います。

 

 

なぜ ”完封箸” を使わないのか?

”完封箸” という言葉を最近知りました。割り箸で完全に個包装されているものを完封箸と呼ぶそうです。他の人の手に触れる事がありませんので、とても衛生的です。価格も100本で200円弱のものもありますので安いです。コンビニなんかではこれを使っていますね。当店もこれを使っています。


 

飲食店も全てのお店がこれを使っているわけではありません。

 

お客さんが座ってからお箸を持ってくるお店だったらまだしも、テーブルに箸箱を設置しているお店なのにむき出しの割り箸がそのままの店もあります。

 

もっと、面白いのは テーブルにむき出しの割り箸やスプーンやらをを設置しているくせに、テーブルはアクリル板だらけで食事がしづらい、なんてこともあります。

 

何を考えているのでしょうか?

 

大阪府兵庫県が飲食店に打ち出したガイドラインには、むき出しの箸は置かないようにしましょう、とは書いていません。モノ⇒人への感染があるかどうか、判断が難しかったのかもしれません。

 

しかし、お客様の立場からすれば「人の触ったものはいやだな」と思うでしょう。飲食店らしい自然な感覚ならば、むき出しの箸は問題があるなと感じるはずです。

 

店長さんが「人から言われた感染対策だけをしてればよいのだ」、という感覚で営業している事が露呈する現象のひとつです。

 

仕事のできる店長さんは「お客様は何を求めているのか」を念頭に置いています。お役所の言う事も大切ですが、お客様だったらどう考えるかを忘れたらお店が存続できない。

 

たとえば今、野外で1人きりのときにマスクをすべきかどうか?とか、感染予防行動をどの程度緩和すればよいのかが話題にはなっていますが、上手く決まらないようですね。

 

そんな事、そもそも法律で定義したり罰則が設定されている事柄ではないので、自分で判断したらええがな、と思いますが、そうもいかない国民性のようです。

 

断言しますが「割り箸むき出しでアクリル板設置済のお店」は主体性がないので、こういう判断はできないでしょう。

 

いや、判断させないほうが良いですね。すでに考えるチカラを失っていますので。


 

最近、話題になったアノ企業も、迷走中ですな。 

円満退職だといっても、いろんな伏線がある事を知る

大学4年生のアルバイトOさんと なんとなく話をしていました。

Oさんはとあるカフェでも働いていたので、ちょと様子を聞こうと思い、

「まだあのカフェで働いてるんか?」と聞いたら

 

即答で

 

「もう、辞めました」

 

えっ、と思いました。当店よりご自宅から近いバイト先だったので、意外でした。

聞けば就職活動が終わったけど復帰しない事にしたらしい・・・。

 

最初に出た退職理由は

 

「ネイルがしたいから」です。

 

卒業が近くなってきたのでオシャレもしたいけど、その店ではネイルは禁止されていました。実はOさんはすごい美人で、性格も優しく、素晴らしい人です。お姉さんは準ミス関学に選ばれてアナウンサーになりました。

ホールのアルバイターとしてはサラブレッドです。Oさんはセンスがいいので、ネイルしたとしてもどぎついモノになる可能性は低いと思います。

規則とはいえ、そのカフェは個人店だし、Oさんを「爪」ごときで失うのはもったいなくないか?と思いました。

 

しかし、Oさんの話には続きがありました。

 

ネイルぐらいで辞めたくなかったのでオーナーに禁止の理由を聞いたら

「ウチでは伝統的にあかんねん」とのこと。本質を外した回答です。

 

また、オーナーがコロナになってお店がいきなり1か月近くお休みになった時、給料が補償されず、収入がゼロになってしまったので、オーナーに「雇用安定助成金などの公的な休業補償制度は使わないですか」と尋ねたところ

 

「知らんかった。自分でやってください」 とのこと

 

Oさんは自分でややこしい申請をして助成金をもらったそうです。Oさんのご家庭はそのバイト代が無いと困るような状況ではないと思いますが、納得がいかなかったんじゃないか、と思います。

 

そのほか、給料が遅延する、とかオーナーが他にも商売をやっていてお店にいないとか、周辺にカフェが少ないため、アルバイトの応募が多いので従業員の苦情に耳を貸さないとか・・・いろいろあるみたい。

 

そういった、ボディブローのような事が重なって、就職活動後に復帰しなかったようです。

 

でも、家から近いので、本当の理由は告げず、穏便に退職したみたい。

 

飲食店長はよく考えないといけない。

 

ネイルの問題以外にいろんな伏線がありました。話がややこしすぎて結論はありませんが、再度言いますが、飲食店長はよく考えないといけない。

 

見えていることだけが事実ではない。

 

 

 

混んでるスーパーにて発見した、しょうもないけどオモロイ事

ゴールデンウイークに入りました。

 

土曜日にスーパーに買い出しにいったら大混雑。

7台あるレジは全て稼働していました。どのレジも10人位の列ができていましたが仕方なく3番レジに並びました。

並んでいる間はヒマなのでお店のあれこれお店を見てしまいます。そうするといろんなことに気が付いてきました。

 

「私の並んでいる3番レジは遅いレジのようだ。」

 

 

同じタイミングで隣の4番レジにならんだ女性が早々にお会計を済ませています。

 

レジの列は売り場の商品棚で仕切られているので、隣のレジの事が詳細にはわからなかったのですが、列が進んでいく事によっていろんな事が見えてきます。

 

なんと、私の並んでいる3番レジは「実習生」のレジでした。レジの横に「お急ぎの方は他のレジにお並びくださいませ」って書いてあるじゃないですか!!

 

「もう遅いわ!10分くらいならんでしもた!」と心の中で呟いてしまった。この張り紙を見ると、レジ係の実習生さんが余計にノロノロ作業しているように見えてしまいます。

私の並んでいた3番レジのお客さんは「実習生」の張り紙をみた瞬間「うわー、失敗した」と思うに違いありません。

 

 

もうすこし列が進むと、さらに発見がありました。

 

 

なんと!隣の4番レジと5番レジは向かい合っているのです。

 

説明します。

1番から7番のレジのうち5番だけが列の右側に配置されていて、他のレジは列の左側に配置されているのです。しかも4番と5番のレジの待機列は「1列」しかありません。つまりこの列に並んだお客様は2台レジで対応できるので、スピードが倍になるのです。ピークはこのレジに並ぶべきです。 次からそうします。

 

さらに、考察を進めてみると・・・

 

「この向かい合って配置されている4番5番のレジのどちらかを『実習生』にしたらええんとちゃうんか」

 

と思いました。未熟とわかっているなら1台に1列の3番レジではなく、2台で1列のレジにいれたほうが、お客様への公平性は担保できるかもしれないよね。実習生で作業が遅いとわかっているなら、その影響が少ないレジに配置すればよいのです。

 

こんなしょうもないことですが、すこしだけ運営能力を見極めたような気がしました。

 

儲かるお店とそうでもないお店の差とは こういう事に気が付くかどうかじゃないですかね。

 

しょうもない話ですみません。

 

 

燃料・原材料化価格高騰報道について思う事

戦争が起こってしまった事やその他もろもろも影響で物価が全般にあがるみたいですね。原材料や燃料の価格も上がります。したがって飲食店のコストも上がるのです。最低時給もあがるかもしれません。

 

テレビで「値上げ」に関するニュースが報じられて「街のお店の経営者」が出てくると、必ず言うのが「商品は値上げできないから、、、」という前提で、「耐えます」とか「頑張るしかない」とかの結論を述べています。

 

そんなとき私は思う

 「いったい何を頑張るの?」

こういうとき、テレビのレポーターに「具体的に何を頑張るのですか?」って聞いてほしい

 

原材料の値段が上がっているのに販売価格を上げる事が出来なければ、利益が減るだけでしょう。もともと利益が減っても大丈夫な値段で商売していたなら、値上げしなくても良いでしょうね。でもそれは「頑張る」でも「耐える」でもない。

 

何か経営努力でロスを減らして、収益構造の改善でカバーできるとしたら、「頑張ってる」とはいえるけど、もともと余裕があっただけで「先にやっておけよ」となる

 

自分のところだけ値上げせずに、他のお店からお客様を奪って売上げを伸ばして、収益金額を守る事を言っているなら「頑張ってる」し「耐えてる」けど、ニュースの本質に合ってない。

 

人を減らして、品質やサービスのレベルを下げて、お客様の負担を増やしたて収益を守るのなら、「頑張っている」のはお客様ということになる。

 

残業しているのに残業代を払わないとか、リストラしたりして収益を守るなら、耐えているのは「従業員」です。

 

原材料価格が大幅に上がったら、まず値上げを考えないと 不健全な状態になります。

まずは、どうやったらうまく値上げできるかを「頑張って」考えるのが経営者の仕事でしょう。だれかに負担を押し付けるのではなく、お客様にご理解いただける方法で(もしくは気にならない範囲で)薄ーく負担してもらうために頑張るべきですね。

経営者は原材料価格が下がった時の事も含めて、普段から考えておくべきです。

 

そういう答えを導きだす報道は見たことが無い。だからおかしな話になる。

 

面接で一番難しい事は 「不採用にすること」じゃないかと思います。

面接で一番難しい事は

「不採用にすること」じゃないかと思います。

 

「この人を断ってしまった後、他に応募者が来ないのではないだろうか?」

「条件が合ってないけど、まあいいかな」

 

と、いった気持ちが働いてしまって、不採用にするべきなのに、採用してしまって、あとから困るのです。

 

「全員が人材になる」と前回のブログに書いたので、

一見矛盾するように聞こえるかもしれませんが、

条件的にマッチングしていない人を採用しても必要な人材には育ちません。


働く時間がとれなければ育成も無理ですね。

 

最近の面接でも・・・


良い人なのですが、家が遠くて、帰り道が怖いので21時30分にはあがりたいとの要望のある人でした。シフトが上手く組めないかもしれません。悩みました。

 

いつ働けるのか、何時まで働けるのか、1か月のどれぐらいスケジュールが空くのか、予定は1カ月前に確定するのか等 その人のスケジュールについては、細かく確認しないといけません。

 

面接するほうは、真実が明らかになるような聞き方をしなければならない。

「日曜日は働けますか」なんて聞くのはNGでしょう。「はい」と答えればいいだけですから。


「何曜日に働きたいのですか」とか「週のスケジュールを教えてください」とかの質問方法を使って相手に話をしてもらい、その上で「なぜそうなんですか」とかの「WHY」を使ってさらに相手のスケジュールや生活時間を明確にしていきます。

 

質問はスケジュールに関する事ばかりなのですが、その答え方で性格も見ていくことができます。

 

そうすると第1印象では「採用できるかな」と思っていた人が「無理やな~」となる事があります。

 

そうなると私の中で、上記したような葛藤が始まります。

 

で、アタマを冷やす意味で「1週間待ってほしい」と言います。

 

その後3日くらい考えて、結論を出します。


その際もいろいろ質問した事によって具体的な事実があれば自信をもって決断できますが、質問が下手で具体的な事実が少ないと間違った判断をしてしまいます。

 

毎日勉強です。

 

 

 

上手く職場に慣れさせて、長く働いてもらえば 全員人材

大学生のアルバイトの育成については 

「1年生が2年生になるまで」がいちばん難しいです。

 

なぜならば「後輩一択」だったの人が「先輩」にもなるからです。

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Hさんはなぜか仕事覚えが悪く、教えた事を何回も確認してくる人でした。1年間その調子なので、「もう無理かな」と思っていましたが、このたび2年生になって後輩が入って来ると、キリっとしてなんでも自分の判断で動こうとしています。

 

もちろん、間違った事をしますが、それはそれで私が小声で指摘すればよいだけです。同じことを何度も聞いてくる事もなくなりました。

 

後輩の前でな情けない姿はさらせないと思ってくれたのでしょうか。

 

何度も同じことを聞かれ、何度も同じことを教えた事がやっと生きてきました。立場や環境を変えないと、成長したかどうかわからない人もいます。

 

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Oさんは1年生ですが、同じことを何度も聞いてきたりしませんでした。決して正確にできるわけではないのですが、それなりにやろうとしてくれます。

 

いろいろ自分でやろうとしているので理解も深くて、後輩が入ってきてもすぐに先輩らしいふるまいになっています。

 

今のところOさんのほうが使いやすいのですが、Hさんの成長ぶりも見逃せません。

 

長く続けてくれれば、その人の長所も見えてきて、成長の早い人、ゆっくりな人が解ってきます。成長してくれるならばどちらも大切です。

 

っていうか、成長しない人っていません。

 

経営側の、ひとの見方や、環境の与え方、仕事の与え方をどのように変化させるかのほうが重要なのでしょう。

 

ひとりひとりの個性を「能力」と勘違いしてしまってませんか

 

企業や人間というのはとかく「肩書」「学歴」「過去の評価」などで人を評価・分類したがるものですが、人間ならばそんなに能力は変わりませんよ。

タイプが合わない人は採用してないはずですしね。

 

うまーく職場に慣れさせて、長ーく働けば 「良い人材」になれる人が大多数でしょう。

 

人が育たないのは本人の責任ではないのです。