飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

”おとなしそうにみえる”事は”やさしさ・真面目さ”の裏返しかもしれない

今春卒業したRさんは、卒業後は外国で働くと決めています。海外にでるまですこし猶予期間があったので、当店でのアルバイトを継続していました。

 

しかし、今月末でいよいよいなくなります。出発準備にはいりますので。

 

物静かな女性で、無口だったので最初は「やっていけるのかなあ?」と心配していましたが、1年・2年・3年と日が経つにつれてだんだん馴染んできました。

 

いまでも口数は少ないのですが、とにかく優しくて、人に迷惑をかけない、良く動くので後輩に人気があります。義理堅いので先輩が来るときは、とても嬉しそうにします。

 

最近、気が付いたのですが”モテます”。「彼氏はが欲しいわあ~」とか言っているのを聞いた事がありません。

 

料理が好きなので、お肉の仕込みができます。牛タンの皮剥きができる人です。厨房の仕事もできるので、たまに間違って変な商品がでそうになったとき「これでいいんですか?」って確認してくれます。頼りになります。

厨房女子ののRさん

 

1年生の頃は、言われなくても掃除ばっかりしていて、「すごい綺麗好きなのかな?」とか、思っていましたが。今から思えば、人見知りだったんで恥ずかしいからみんなと話できなかったんでしょうね。今では”掃除もせずに”(笑)後輩の話を笑顔で聞いています。

 

アルバイトで運営している以上「卒業」という「別れ」があるのは仕方ありません。新しい出発を祝福したいと思います。

 

彼女には ”おとなしそうにみえる”事は”やさしさ・真面目さ”の裏返しかもしれない、という事を教えていただきました。感謝いたします。

 

私は新しい採用基準を得る事ができました。実績として説明する事もできるようになりました。

 

彼女のような人がこれからも出てくる事を願っていますし、候補者はすでに採用できているような気がします。

マスク外す事できますか?できませんか?

リーダーが上手に人材育成を成功させながら、お店を盛り上げていくコツはいろいろあると思いますが、大切な事はポリシーを決めたら、浸透させて、変えない事だと思います。

 

たとえば私は「お客様に再来店していただく事が一番大切」とポリシーを伝えてますが「個別にやる事は場面によって変わるのでルール化しません」という「ルール」を打ち出しています。

 

お店のサービスはいつも同じルールで運営できるとは限りません。局面によってはやり方を変えたり、超えたりする必要もあります。お客様に合わせる、ということです。

 

ポリシーさえ伝わっていれば、毎回違う事をしていても「このリーダーは矛盾したことを言わないな、信頼できるな、」と思ってもらえるし、組織も成長する。

 

逆に、リーダーが「日和見だな、うそつきだな」とかの印象になれば組織は凋落するでしょう。ポリシーの段階で納得させていなかったら、こうなります。

 

昨今「日常のマスク着用をどうするか」についていろいろな報道があります。

 

暑くなってくると熱中症の危険がある、子供のメンタルや精神的な成長に影響がでる、欧米の国ではマスク着用の法律を撤廃しているところが多い、医師会が外ではマスクを外しても良いのではないかと言っているとか、いろんな情報がで出ています。

 

でも、街をあるけばマスク100%、百貨店などに入ろうとすればマスク着用と手指消毒を求められてる。

 

日本の知事とか首長のみなさんも、だんだん「やばい」と思ってきたのでしょう。「経済に与える影響への心配」とか、「どうしたらいいんですか?」という市民の問いかけも出て来てると思います。

 

だから「新しいルールを決める必要がある」とか言い出しました。

 

でも、もともとこれは「誰が決める事」だったんでしょうか?

 

ポリシーとしては「個人が決める事」となっています。究極にはこれが憲法の精神だと思います。電車や飛行機など公共性が高い所は施設の管理者が決めたらいいと思いますけど、これまた個別な企業にまかせっきりで首長は法律を定めない。

 

外国のように法律で決めていたならば、法律を改正すればよいのですが、日本ではマスク着用に関して一切法律を定めていません。

 

 

でも、首長は「ルールを守ってください」と平気で言っていましたね。これは矛盾です。首長が言う「ルール」は法律や条令のはずですが、マスクに関しては、それが無いのですから。

 

法律や条令で決めていれば、元に戻す時も手続きは簡単だったのですが、「雰囲気・煽り・同調圧力」でコントロールしていたので、どうやったら戻るのかもわからないのでしょう。自分のすべき仕事を回避していたからですね。

 

大阪や東京では首長も議員も法律も決めずに、国民を「煽り」でコントロールしました。

こういうリーダーは最終的に矛盾した事を言うので信頼されなくなります。

 

これからは法律なんかないのに、ルール(法律・規則)が確立しているように見せていた人に罰が下るような気がします。

 

こういうのも「答え合わせ」ですね。

 

 

耳たぶのバンドエイドに思う。(その2)

ちょっと、むかし話になりますが、

 

私が、あるチェーンレストランの店長のとき、(30年近く前ですが)、バイトさんが耳にばんそうこうを貼って出勤してきました。

 

聞けばピアスを開けたばかりで穴が安定するまで、ピアスをはずしたくないからばんそうこうで隠したようです。

 

そのばんそうこうはキャラクターデザインの入ったもので、あきらかにおかしい感じになってました。

 

私はしばらく考えて、ピアスを許可しました。

 

アルバイトさんを失いたくない気持ちや、お客さんの目に何が奇異に映るのか、、、お店の周辺環境などを考えて自分で決めました。そのお店は新任店長として赴任したのですが、アルバイト不足を解消することによって売上げが異様に伸びていました。繁華街のお店です。

 

上司に意見されたら、釈明するつもりでしたが、特に何も言われませんでした。

当時、会社としてはアクセアリー着用は禁止だったと思いますが、結婚指輪等の¥についても見解ははっきりしなかったし、徹底性も薄かったと思います。

 

売上の状況や立地条件によって判断は変わったかもしれませんが、当時の私の判断は間違ってはいなかったと思います。

 

その店で私は売上げと利益で全社表彰となり、その後もサラリーマン人生におおきな弾みを与えてくれました。ある意味、この判断のおかげで今がある、とも思っています。

 

(その後も会社の方針に対して現場目線の意見をするタイプだったので、マイナスとなることもありましたけどね)

 

それから30年近く経っていますが、18歳から22歳の若者の感じ方や気持ちのよりどころは 全く変化していません。やっている事も同じです。ピアスにはばんそうこうを貼るし、ネイル(マニュキア)したいからバイトを辞めるし。

 

ですから、店長さんは自分が若いころの気持ちを思い出して、その時の自分が納得のいく「大人の判断」をすればよいのだと思います。

 

こういう判断は、どちらをとっても店長にとってリスクのある行為ですが、人生をかけて判断してほしいです。

 

 

 

耳たぶのバンドエイドに思う

久々に、とあるレストランチェーンに行ったら、働いている女性が耳たぶに絆創膏を貼っていました。ピアスをしていることを隠しているのだと思います。金髪に近い髪色の人でしたが、なんとかキャップの中に入れ込もうとしていました。新人っぽい人です。

 

本社がアクセアリーを禁止しているのでしょう。

でも店舗は採用したいから、ピアスをバンドエイドでかくしているつもりなんでしょうね。

 

一般には、私のように注意深く店舗をみているお客さんなんかいませんから、お客様に対して問題とはならないでしょう。

 

何のためにしているかの議論は今回は無しにします。ピアスの是非を論じたくはないから。

 

今回はこの行為が、従業員と店長(経営者)との間の絆にどんな影響を及ぼすかを考えてみました。

 

この行為は、よく考えると会社のポリシーに店舗が「抜け道」を作らせる行為です。

 

ピアスした人を採用したいんだったら、堂々と採用してあげればいいし、ダメなんだったら潔く不採用にしたらいいとおもうのです。

「一事が万事」というように、決め事に抜け道を作れば、ほかの規則やマニュアルが正確に守られなくなるのは容易に想像できます。

 

リーダーは潔くて、正しくなければなりません。

その正しさを「会社のポリシーに従う」という形で表すのか?それとも「自分のポリシーに従う」という形にするのかは自由です。

どちらも徹底していればかっこいいし尊敬されます。

 

でも、今回のように自分のポリシーも感じられず、会社のポリシーにも従わない態度はいちばん尊敬を失いやすいのではないかと思いますね。

 

組織が大きくなると、店長という立場の意見なんか、聞いてもらえないのかもしれませんが、現場の責任者の成功への第1歩かと思われます。


難しい事です。

「だったらおまえやってみろ」って言われるかもしれませんね。



 

 

じゃじゃ馬が名馬になりました

アルバイトのMさんは今3年生(女性)です。

 

1年生で面接したときから、すこし雰囲気が違う人でした。

 

大人びているというか、生意気というか、高校を出て兵庫県で一人暮らしを始めたばっかりなのに、そうは見えない感じ・・・。すでに2~3年大学生をしている感じです。

 

年配の私には、「背伸び」しているようにも見えていました。

 

偉そうな態度をとれたり、先輩と対等におしゃべりしようとしたりするのも「ひとつの能力だな」と思って採用しました。

 

「お客様とものおじせず会話してくれる事」が期待されたのですが、採用したばかりのころはその期待は裏切られていました。

 

教えた事を素直に聞かないし、間違った事をするのでお客様の前にだせません。腹の立つ事も多かったので、働く日数を減らす事も考えました。素直じゃないんです。

 

本人も気が付いていたのか、他の店などでアルバイトをはじめたりしましたので、はたく日数が減ってしまったのです。

 

「せっかく能力あるのに、上手く使えなかったかなあ」と残念に思っていました。仕方ないなあ、とも思っていたのです。

 

でも2年の終わりぐらいから、だんだんお互いに慣れてきて、Mさんも「背伸び」した感じが抜けてきて、こちらも過度に期待しなくなってきました。そうすると、急速に「素敵な店員さん」に変わってきました。もともと積極的だし、オシャレな感じだし、お客さんとも気さくにお話できるし、魅力があるのです。

 

しっかりしてるから、忙しくても頼りになるし、かわいいからお客様によくつかまるのですが、うまいことかわしてくれますし。信頼できます。

 

聞けば、もう一つのアルバイト先は辞めたそうです。辞めた理由は「店主の奥さんが私だけにつらくあたるから」らしいです。多分ケンカしたんでしょう。

 

気が強いから、そういうこともあるのです(笑)悪いけど店主の奥さんの気持ちはわかります。

 

Mさんが「奥さんが私だけにつらくあたるんです」って言った時、私は思わず「わかるわあ」と言ってしましました。爆笑です。

 

うちでもそういうふうに(退職)なっていたかもしれませんが、運よく危機をのるこえたんですかね。

 

いまでは、ええ味だして働いてくれてます。多分卒業まで続けてくれるでしょう。

 

じゃじゃ馬を慣らして、使える馬に変えるコツは「待つこと」かもしれません。


良い理論を発見したのですが、しかし。

ネットを見ていたら、飲食店をサポートするチャンネルがあったので、視聴してみました。

曰く、飲食店の売上げを上げる方法は3つ

1、ちらしやネット

2、口コミ(インスタ映え・仕掛けが必要)

3、店舗外観の改善

 

飲食店の集客を増やす公式

⇒認知人口 × 来店率 × 残存率 × リピート率

という内容でした。

 

なかなかよく出来てるし、わかりやすいな。自分がやりたい事、やっている事がどの段階に属するかを明確にできるわけですね。

 

認知人口を増やすために チラシや店舗外観の改善があって、

来店率を増やすために初回クーポンやセールがあって

2回目、3回目の来店を促してリピーターにしていく作業が大切ってことですわ。

 

これぐらいSimpleだと使いやすいですね。私は、今はチラシは使っていませんが、SNSと外観の改善で認知を増やして、それ以外の仕事は全てリピーター獲得のために使っています。

 

ですからアルバイトさんには「君たちの仕事の目的はお客様にもう一度来ていただく事だけだ!」と言っています。ですから、一番大事な仕事はお帰りになるときの「お見送り」となっています。なるべく全員で歩道まで出てお見送りします。

 

ただし、こういう理論が理解できて実戦する人はすでにこの流れで仕事を進めていますわな。

 

本当に売れなくて困っている人は、この考え方を理解できませんわな。そこが課題・問題です。世の中に「コンサル」はめちゃめちゃ多いのですが、決定版が無いのです。

 

言い換えると、詳細で正確な地図を与えてくれる人(コンサル)はたくさんいますが、地図だけでは目的地に到達しない。地図が読めなかったり、体力が無かったりしますから。そういう面を強化する専門家っていないもんですかね。

 

やっぱり、まずは店舗のレベル(味・サービス・設備・清掃)で売上げをしっかり獲得できるお店を作ってこそ、それ以上に伸ばそうと思って、こういう理論を使う、っていう順序でしょう。

 

店のレベルが低すぎるのに インスタ映えばっかりねらっても。、だんだんお客さん減るだけですからね。

 

やっぱり、人材育成を進めていくしか成功の道は無いのです。人材育成のノウハウをのを見せたり、教えたりする先生(コンサル)がもっと必要だと思うのですが、あんまりいませんね。こういうことも飲食店営業の問題点かと思います。

時給1000円の募集広告。 だが、研修期間930円って・・・

兵庫県の最低時給は929円だったと思います。

 

とあるお店のタウンワーク募集広告をみてみたら、冒頭に

 

時給1,000円~1300円

 

とうたっています。そのままずっーと、下まで読んでいくと、交通費・待遇の欄に

 

研修期間2週間~3ヵ月有(時給930円)

 

と書いてありました。つまり採用時は930円ってことです。それも最大3ヵ月続くのです。930円のまま辞めるかもしれない。でも、かなり下まで読まないと気が付かないし、その部分を読む前に「応募ボタン」が2回出てきます。これははっきり言って質の良い募集方法とは思えません。募集時給は930円で出すべきです。

 

言い方悪いですが「時給1,000円」というインパクトで注意を引いて、勘違いしたまま応募するケースを誘発している。1回切りの関係だったらまだ良いのですが、そのまま長期雇用する人へのファーストコンタクトがコレでは先が思いやられる。

 

こんなことして何になるのかな

 

誰のために募集広告出しているのかな

 

人間同士の絆が何によって構築されるのかを理解していないんじゃないかな。

 

私のお店は 「募集時給950円(研修期間も950)昇給あり」で打ち出しています。でも、私のお店のほうが前例に出したお店より「時給が安い」という事になるのでしょう。ほんとうは20円高いのですが、、、。

 

こういうことは「募集テクニック」とは言いません。

 

もし私が親ならば自分の子に「こういうお店で働いてはいけないよ!」とアドバイスするでしょう。なぜなら、この店では正義とか誠意とかを学ぶことはできないと思うから。

 

タウンワークさんは、なぜこういう掲出方法を許しているのでしょうか?ギリギリ「嘘」ではないけど、まぎらわしい・間違いやすい表示です。

 

これが流行りのやり方だとしたらおかしいですね。絶対。