飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

「アレ」に思う

阪神ペナントレースでタイガースが優勝しました。

嬉しいです。



岡田監督の野球は学びが多いので、毎日試合を見ていました。

昨年のメンバーとほとんど変わらない選手たちが全く違った結果をだすのですから、そこに「マネージメントの巧さ」があると思います。

飲食店の経営と共通することもあるんじゃないかな、と感じる事も多かったです。

 

私が、私なりに感心していることは、

タイガースの活躍する選手の量(多さ)です。

通常は大活躍するひとりのスーパースターによって優勝に導かれるのですが、タイガースは「そこそこの活躍をする人」をたくさん育成しています。スーパースターはいません。

 

で、考察いたしますと、

普通の一軍監督は一軍登録枠の29人で戦いますが、岡田監督は2軍の枠も10人くらい一軍選手の調整用に使っています。

そうすることによって選手が疲労がたまってきたり故障したりする前に、二軍にいる他のメンバーと交代し、一定期間落ち着いて再調整することができます。不要な緊張感もでません。2軍調整中のメンバーも必ず一軍に呼ばれる事が前提なのでモチベーションが下がりません。ですからチームが強くなるのです。 

 

私は飲食店においても店舗を安定させるにはシフト必要数の合計の1.5倍くらいの希望シフト数を集めておくことをお勧めしています。交代が容易ですので職場環境が整備されますから。

こういう考え方と合致しているような気がするのです。

 

しかし、これを実行する事は簡単ではないです。

まず、二軍監督の理解を得る必要があります。40人近い二軍選手のうち10人くらいは一軍監督の支配下にあるようなものですから、二軍監督としては戦いにくいです。二軍としてもリーグ戦がありますから、その結果を気にする監督だったらたまったもんではない。ですからフロントを交えて、二軍の監督やコーチの評価基準に対する話し合いがあったと思われます。

 

また、このやり方だと、絶対に一軍に呼ばれない選手がいるということに気がつきました。一軍に呼ばれる事が前提で二軍で調整している選手が10人程度いるということは、それ以外の二軍軍に呼ばれる事はないのです。

 

「一軍に呼ばれる事のない二軍選手」の中には、力量不足の新人だけでなく、過去に活躍したベテランもいます。実績ある選手が夏頃に調子が上がってきたような報道がありますが、一軍に呼ばれる事はなかったです。

 

つまり昨年秋や今春のキャンプで、見切られてしまったのです。

キャンプオープン戦で活躍しなかったら基本的に1年間出番はありません。

 

岡田監督は選手のコンディションをよく保つためにシステムを見直し、気遣いする優しさもありますが、使わないと決めた選手は使わない厳しさもあります。

 

使わない選手を決めないと、使う選手の環境を整備できないのでしょう。選手がそう感じているかはわかりませんが、優勝したということは今年は受け入れられていた、ということでしょう。

 

優しさと厳しさ(徹底性)が同居する岡田監督のリーダーシップは勉強になります。

来年、同じやり方で成功するとは限りません。リーダー論とは はかないものですから。

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9月の応募はおいしいよ

飲食店にとって、9月のアルバイト募集活動っておいしいことも多いです。

 

こんなこと言うと

 

何が? っておもいますよね。

 

9月に面接したSさんは近所に住んでいる大学1年生ですが、春先から違う飲食店でアルバイトしていました。

その飲食店が閉店してしまうことになって、当店に応募してきました。

 

こういう人は若手なのに「即戦力」です。

初めてアルバイトする人と比べると、いろんなことを経験しているからです。

 

お客様に挨拶するとか、お酒や飲み物をサーブするとか、飲食店の一連の流れを知っているだけでも大きな違いです。

 

Sさんのように、最初のお店がつぶれてしまったとか 家から遠すぎたとかの理由で転職するのが、夏休み明けの9月になるのです。

 

半年ぐらいで基礎的な事を身につけた人がそのまんま移籍していただけると、育成期間は大幅短縮されます。

 

また、前のお店がええ加減な人材管理をしていて不満をもっていたりすると、「水を得た魚」のように生き生きと働いてくれます。

 

どの職場もチームワークがあり、魅力があるので、そううまくはいきませんが、たまに「9月の即戦力新人」に出会うと非常に嬉しくなります。

 

ですから、9月の募集活動はとても有効です。

9月は即戦力新人を狙って募集活動をするのです。

 

動いている人は少ないので、応募を得れない年もありますが、

応募してくる人は使える人材であることが多い。

 

今回のSさんは大当たりの人材でした。

本人には「なんで最初からうちにこなかったんだい」とは言いましたが、

本心は「よくぞ他店で武者修行してくれたね」という気持ちもあります。

そういうことですから、一度お試しください。

 

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のぼりバタを見て思うこと・・・

どうも最近、

私がよく利用するお店で「アルバイト募集」ののぼり旗を見かけることが多くなりました。



ところが

 

「ああ、こんな旗を出し始めたなあ、」と思いながら店内に入っていくのですが、

店内には何にも告知が無いのです。

 

表にしっかり旗を出して、店内に何も告知が無かったら成功しないよ。

希望者はどうやって応募したらええんでしょうか。

 

「勝手にSNSで探して応募してこいや」って、ことですか。

のぼりでは時給も、

シフトの組み方も、

募集内容もわかりません。

調べるのは面倒くさいので、「応募しません」ってことになります。

 

こういうことは簡単に想像できる。

 

たとえば、表にのぼり旗で新しいメニューの告知をしたら、店内のメニューブックにもそのメニューの告知をして売り込むと思います。

 

なぜだか、アルバイト募集についてはそういうプロセスは踏まない。

 

このように、

飲食店における募集技術はおしなべて低いのです。

募集技術が低いので集まらない、という側面もおおいにあります。

ですから

「慢性的な人手不足」っていっても

需要と供給の問題以外にも

原因がたくさんあるのです。

 

どうして、

そういうことをネットのニュース解説などで論じないのでしょうか?

 

それはそのニュース解説をしている人が募集媒体会社の社員だからです。

 

複合的なアクションによってお店は人手不足を回避できることがバレたら

商売があがったりになるからです。

 

雇って辞めさせなければ充足します。

無策で辞められてしまっているのに、募集が下手くそだったら

そりゃ慢性的に人不足になるでしょう。

 

関西弁でいうと、こういう飲食店は業者さんにとって「ええカモですわ」

 

カモ状態を早く脱却してほしいですね。

 

諦めたり、固定概念に縛られたりしなければ

お店に合った解決策は必ず浮かんできます。

 

とにかく、

募集だけが人手不足対策ではありませんし、

のぼりバタだけでは募集アクションは成立しません。

 

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お米の話

京丹後の朝日農園さんから今年の「新米」が届きました。

 

朝日農園さんのお米はものすごくおいしいです。

冷めても、良い香りが消えません。

炊いた翌日に、電子レンジで温めても、今日炊いたお米のような味がします。

 

このお米は注文を受けてから、精米して送ってくれます。

月に2回くらい配送してもらうので、スーパーなどで流通しているお米よりもはるかに新鮮なのだと思います。

モノが違うので、誰が炊いても美味いのです。おいしさの秘密は炊き方ではないのです。

 

朝日さんは優秀な人です。

8年前グランドオープンしたときに友人から紹介されて直接農園からお米を仕入れることにしました。

その時、朝日さんは

「一度保管場所を見せてくれますか」と言って

京丹後から宝塚まで車で来てくれました。

そして、当店のお米置き場が冷暗所であることを確認して安心していました。

温度の高い場所や厨房内は保管に適さないのです。

 

自分の仕事に誇りを持っている人は信頼できます。

 

それから8年間ずっと朝日農園さんの京丹後産コシヒカリを使わせていただいています。

 

お客様や従業員から「ごはんがとても美味しい」と言われます。

見ず知らずの人が当店のごはんのおいしさをSNSに長文で投稿してくれることもありました。その文章を朝日さんが読んで、とても喜んでおられました。

 

4年前にもひょこりお店に来られて、お話をしました。郵便局が配送料金を値上げしたことをお詫びにきたのです。

 

「そんなこと朝日さんの責任ではないじゃないですか」と恐縮しました。

そういう人です。

 

朝日農園さんのお米に守られているかぎり、当店はお客様に信頼されるお店になれると思っています。

 

普通のお米も美味しいですが「新米」は格別ですね。

 

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飲食店が盛り上がっていますよ。野球で。

タイガースのマジックナンバー「5」になりました。

 

思えば1985年の優勝時は社会人1年生

2003年・2005年の優勝時は「単身赴任中」であんまり見れませんでしたが、

 

今年は自営業やってますし、

甲子園に近い仁川駅で商売をしていますので、自由な時間も多いから

じっくり優勝ムードに浸りたいのです。

 

 

その昔、石橋貴明さんが出演していたメジャーリーグという映画で めちゃめちゃ弱かったインディアンスが優勝に向かって快進撃しているとき、街中の人が、普通の外出着としてインディアスのユニホームを着てて、他人同士がハイタッチしたり、老若男女が盛り上がっているシーンがありました。

こんな映画です

こういう雰囲気って「いいなあ」と思った私ですから、せめて自分のお店だけでもユニホームで営業したり、自分だけでもタイガースロゴの入った服を着たりしたいのです。

普段から、大きくロゴが入っているシャツとか、アニメのキャラクターがプリントされている上着とかが好きなので、タイガースユニホームを毎日着るって、「すごく素敵」って思うのです。(変態です)

 

まあ、とにかく、誰にも迷惑かけずにやりますから、許してください。

 

昨日はデーゲームでしたが、どこからか聞きつけたのか、阪神ファン2人組の男性が1時30分予約でご来店されました。

2時になって野球中継が始まったのでBGMを消して、野球実況を流したら

「いいですね~」と男性2人に言われました。

 

そのまま試合終了まで、大量にお酒を飲んで、最終的には勝利の美酒に浸っていました。

お客様は「次はクライマックスシリーズやね、また来ます」と言っておられました。

お店の風景

そのまま夜、営業していたら、家族ずれでご来店されている少年が

「BSでオリックスの試合やってるんですが、テレビで映りますか?」と聞いてきました。

私は「BSは映らないけど、DAZN で映しましょう」といって放映しました。

ご家族も喜んでいました。息子さんお希望がかない、お母さんがうれしそうでしたね。

 

飲食店やっててよかったです。

 

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アンバランスな戦略は怖い

アルバイトのSさんが、最近ある焼き鳥屋さんを利用したようです。

 

飲み放題付の安めのコースを注文したのですが

「焼き鳥が3本しかなかったんです」とのこと。彼女は御不満だったようです。

おそらくは、メニューでのコースの説明では「焼き鳥3本」と書かれてあったと思いますが、読んでなかったのでしょう。

お客様の感覚って、そんなもんですね。怖いです。

 

飲み放題と焼き鳥3本のバランスが合わなかったのか、本来Sさんは飲み放題を注文すべきお客様ではなかったのか、、、。

 

ところで、

 

居酒屋にはいろんな戦略・戦術がありますが、

「生ビール(やドリンク)を極端に安くしてお客様を引き付ける」という戦法をとるお店も多いです。特にチェーン店によく見られる傾向です。「本日の目玉メニュー」とかではなく恒常的に安いのです。

異様に安いドリンク価格設定なのでお客様が思わず立ち寄ってしまうのです。

 

関西では「勝男」さんがドリンク安いですね

 

ただ、ドリンク(特に生ビール)を恒常的かつ極端に安くすると、その反動は「食べ物」にでます。値段の割に量が少なくなったり、品質を下げたり、コースの量が少なかったり・・・です。

 

目立たないように、工夫しているのですが、やっぱりこのSさんのケースのようにバレるのでしょう。

お酒を大量には飲まないお客様にとっては、不味くて、少なくて、高いお店に過ぎない。

 

こういう戦略・戦術は商圏(立地)によって成功する場合と失敗する場合があります。

アンバランスな価格設定をとるならば、商圏もアンバランスである事が条件です。

 

大量にお酒を飲む事が目的のお客様の多い場所(歓楽街・繁華街)だったら成功するかもしれません。

しかしファミリー層や一般的な女性客の多い場所ならば、そんなにたくさん飲まないし、生ビールだけではなくいろんなカクテル系も売れます。

そうなってくると食べ物メニューの割高さが目立ってしまうのです。自分たちは普通のレベルを保っていると思っていてもお客様には「安かろう悪かろう」に見えやすい。

 

こうなると

知らず知らずのうちに、お客様が減ってくるし、食べ物が売れなくなって利益率も下がってきます。商圏と戦略がマッチしていない事に気が付かないといけないのですが、チェーン店はその価格設定自体が必須条件の場合もあり、やめられません。

 

住宅街に近い場所で営業する個人事業の居酒屋さんは、こういうアンバランスな戦略に手を出すべきではないと思います。極端な安価を打ち出して、長期的にハイレベルな売上げを確保するには、相当な宣伝力や経営改善、優秀な出店戦略が必要です。大企業だけができる事でしょうね。

 

一つ一つのメニューに 妥当な売価をつけてオーソドックスな営業をしていると、爆発的に売れたりはしませんし、大酒飲みの方は来ないかもしれませんが、住宅街に居る多くのお客様にマッチしているので、長い安定的な商売ができる可能性は高いと思いますね。

怖い怖い

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Joshin万歳!アレ!万歳!!

アルバイトのMさんは、おとうさんが上新電機ご勤務です。

 

ご存じの通り上新電機はタイガースのオフィシャルスポンサーです。選手のユニホームやヘルメットにはJoshinのロゴが入っています。

ロゴに注目してください

今年はもうすぐタイガースが「アレ!」しそうなので、当店もユニホーム着用営業しているのですが、Mさんは以前に支給したユニホームではないものを着用してきました。結構、生粋のファンが着るようなデザインでしたので、

「あっ、自分でもってたんか?」と言ったら

「いやコレお父さんのです」とのこと

 

聞けば、さすが上新電機社員のご家庭で・・・タイガースのユニホームがごっそりあって、自分の可愛いピンクのユニホームを探すのが面倒な状態だそうです。

 

で、お父さんは「朱々で飲みたいわあ~」と言っているらしいのです。

 

そりゃ、タイガースファンのお父さんとすれば、18年ぶりの優勝を楽しみたいのでしょう。応援体制の行き届いた環境のお店があるとなれば、いよいよ「アレ!」となれば、じっとしていられません。

海苔の佃煮「アラ!」が関西では「アレ!」になっています

しかし、お父さんは娘のMさんから、来店を禁止されているそうです。

 

Mさんが恥ずかしいのと、家でお酒飲んで酔っ払って阪神の話をするお父さんが気に入らないからだそうです。もったいないなあ。

 

でも、最近Ⅿさんは「自分が働いていないときなら来てもいい」に緩和を考えているようです。やさしいね。

 

で、最近Mさんは私に「阪神はいつ優勝しますか?」と聞いてくるようになりました。なかなか難しい予想ですが、、、、、

 

そもそも「マジックナンバー」がよくわからないMさんにアレの日を教えるなんて無理ですけど。

 

お父さんに来店ルールを緩和する時期を見計らっているようですね。

 

親子の関係がやさしくなるなら、それはとても良い事です。

 

年頃のやさしい娘さんをお持ちのお父さんは、

自宅といえどもビール飲んで

「バックスクリーン3連発」とか「200発打線」とかのうんちくを喋りまくってはいけません、嫌われますよ(笑)

 

とにかく関西は今、しずかに盛り上がっています。幸せです。

 

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