飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

問題の改善

手前味噌な話ですが

例えば、

フードコストの改善は飲食店のおおきなテーマです。フードコスト%を下げようと思ったら、だいたいは「フードロスの削減」に話題がうつるでしょう。あとは「歩留まり」とか・・・。要するに厨房ではたらく人の監視を強める訳です。「捨てるな」「載せるな」等々・・・・・・。ネガティブな分析と指示がでまくりますな。しかし、くまなく事実を分析するとフードロス以外にフードコストを上げている要素はありますね。コスト%の高い商品の売上げが伸びた事とか、盗難とか、在庫過多で賞味期限切れ、在庫の数え間違い、帳票記入ミスとかとか、原材料の値上げ、とかいろんな要素が考えられるわけです。その中で一番効果があって作業負担が小さいものを選んで改善プランしたらいいのに、なぜか「現場のフードロス」にばっかり目が行く事が多い。部下のせいにするのが一番簡単ですし・・・「気合で改善の文化」は経営者がラクですから。同じ店で何回もフードロスの削減に取り組まないといけないなら、盗難ちゃうか?とも思います。

 

私の経験では発注に注意して在庫を減らして冷蔵、冷凍庫の状態を改善することがなぜか効果ありますよ。気合で改善の一種ですけどね。大きな変革を得れるのは、フードコスト%の低い商品がたくさん売れることです。ある夏「かき氷」が大量に売れたときは大幅にフード%が下がりましたので、ちょっとしたフードロスなんか気にもなりませんでしたわ。

また、仕入れ値の安いお肉とかの切り落とした部分とかを上手に美味しく調理して売れば、フードコストは下がりますよね。

コスト%が上がっても粗利が大きければ問題ない場合もあります。

 

とにかく、問題が認知されたら、事実の収集→分析→アクション→評価のプロセスで進めばだいいいのですが、問題発生→事実があつまらないままアクション・・のパターンでは事業はピンチになるし、従業員に負担がかかる割に改善に至らないよね。

 

また、こんなケースもありました。私がサラリーマンの頃、とある店主さんとお話するケースがあって、店主さんは「人手不足」について話をしました。「募集をかけても応募がない、毎日人が足りない、自分の業種は世間のイメージが悪い・・・」そういう話を数十分されました。後半になって私に発言が許可されたので「人手不足なのは凄く理解できました。その原因は『採用環境』だけなんですね」と言ったら、一瞬黙ってしまいました・・・・・

人手不足になる理由は、応募不足と退職過多の2本柱ですからね。応募が足らなければ退職を防ぐために何をしたか?という事が問われます。声高に応募不足を主張するならもう片方の柱である退職予防を突かれる事を予測しないとね。

この店は人手不足は本当なんだろうけど、原因分析は信用できないなあ、と判断するしかない。なにかを隠しているのかなとも思います。事実がちゃんと分析できていない以上、信用できないし、チカラを貸すこともできないんですわ。

やっぱり問題があるなら、それに関して、自分に都合のいい事も悪いことも差別なく事実を収集して、公平な分析をかけて、一番効果のありそうなアクションを起こして、成果を判断してないといけないし、経営者はそのプロセスを説明できないと、軽く見られるし、嘘つきにみられる事もありますね。特に部下は敏感です。

 

 

 

エビデンスはありませんが〇〇に違いない」なんて言えませんな。

 

 

ましてや「医療関係者が忙しすぎるぐらい人が足りないのは、感染者が多いからなので、国民は動きを止めてください・・・・」って、気持ちは伝わってきますが、なんか事実の収集(開示)が足らないような気がしますな。