飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

「動き」ではなく「動き方」を理解してほしいのです。

アルバイトさんを育成するときに、ターンニングポイントみたいな時期があります。最初は「動き」を教えますよね。ビールの注ぎ方、お客様への給仕、テーブルの片付け方などの「動き」はいつか必ず覚えます。いざ、実践になれば「動き方」が問題になります。例えば、2人のホール係がいて、お客様が4組おられて、1組のお客様がお帰りになったとき、そのテーブルの片づけを1人がやり始めたらもう1人が手伝いはじめた・・・。この動き方が良くないかもしれません。なぜなら本来1人でもできる仕事を2人でしている間に、他のお客様への商品が上がって来たり、注文が来たりするので、1人はフリー、1人は業務中という状態がベストだからです。

でも他にお客様がいない状況ならば、手伝ってあげたほうが良いですし、手伝うほうに何か目的があったりすれば、結論は違ってきます。答えはひとつではないのです。いわば状況判断なのです。「原則として1人でできる仕事は2人でしないでほしい。」と説明しているのですが、手伝ってはいけないわけでもありません。不思議なことに「状況判断」を教えなくてもできる人、少し教えたらできる人、教えてもできない人がいます。教えてもできない人というのは、手伝う必要のない仕事を手伝う、いなきゃいけない場所にいない、流れの中で「次にしなけければいけない作業」をしないで不要な動きをする」まあ、つねにバタバタしています。それに対して「状況判断できる人」は動きが少なく、お客様を眺めているような感じなんですが、いつも「今」必要な作業をしています。

連携プレーに支障をきたす人は、使いづらいですね。同じような事を何度も言われたりして可哀そうです。ひょっとしたら「いつも違う事言われてる」と思っているかもしれません。こういう問題は時間をかければ解決できるかもしれませんが、個人事業主は余裕がありませんから、半分あきらめて、連携が必要な時間ではあまり使わないようになるだけだと思います。難しい問題です。