飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

人間が主体的に成長する瞬間を見ました

阪神タイガース、今年は強いです。(すこし阪神の話しますが、ファンでない方にもわかるように書きます)

まず、去年も在籍していた外国人選手のサンズとマルテが今年は別人のように打ってくれてます。これは球団が、4人しか出場枠のない外国人選手を、今年は8人雇ったからだ、と言われています。アメリカの選手は競争すると、みんな、がんばるんですかね。

さらに日本人選手の成績も良くなっています。これは新人でドラフト1位の佐藤選手が加入したからだといわれています。佐藤選手ご自身の活躍は凄い。さらに彼は慣れないプロの試合で、どんなに三振しても潔いフルスイングを続けながら、みんなが「ドン引き」するような特大ホームランを打ったりします。ファンとしては、三振しても堂々と、自分のスイングをやり続ける彼が打席に立つのを見たい。そういう新人がいたら、先輩の主力選手も中途半端なバッティングは恥ずかしくてできないんだと思います。

 

話しはお店に移して

アルバイトのMさんは大学2年生になりました。今日は4時から働きに来たので「5時から1年生の新人が入ってくるで。面倒みてやってくれよな。」といったら、少し戸惑っていました。自分が先輩になるんだって事がうまく呑み込めなかったんだとおもいます。5時になって新人のHさんが入ってきまた。彼女はMさんにきちんと挨拶してから、働き始めました。新人のHさんは今日が初めてではないので、たどたどしくではありますが、なんとか働きます。しばらくして新人のHさんがいないとき、Mさんが私に「店長、クレジットカードの会計のやり方教えてください」と言ってきました。Mさんは半年以上働いているので、クレジットカードで会計する場面は何度も見ているはずですが、「うろ覚え」で、理解が曖昧なようです。これからは後輩と一緒に働くのだ、という事を意識した彼女は自分の中の「曖昧な物」をなくそうと、突然、努力し始めたんだと思います。恥ずかしい思いをしたくないんだな、と感じましたので、私は自分のクレジットカードを使って丁寧に教えてあげました。

これまで「自分が一番後輩だ」と思って周囲に甘えていた人が、「先輩」になる事によって伸びる瞬間を見ました。Mさんは良い人なんですが、みんなが忙しくしていても、ひとりだけおっとりしていて消極的なので、覚えが悪かったんです。しかし「恥ずかしい思いをしたくない」「後輩の面倒を見たい」という感情が行動を変えるんですね。

競争によって主体性を発揮させるのもいいですけど、日本人には、こういう感じで、本人の「責任感」や「恥の文化」に訴えたりして、主体性を呼び覚ますような方法が合っているように思います。新人もがんばってほしいがMさんにもがんばってほしい。


人は追い込まれると成長するのでしょうが、決して暴力的に追い込むだけでなく、責任を自覚したり、競争相手を知ったり、自分の周りの環境を見直すことによっても自分を自分で追い込み、高みに昇っていくんだと思いました。