飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

優先順位はどうやって教えるのか

 

アルバイトさんが仕事(作業)を覚えてきたら、次に知るべきはその順番(=優先順位)です。これは状況によっても変わるので、お客様の流れや状態をよく観察する事が重要です。

例えば、「石焼ビビンバ」という注文が入ったら、当店のホール係がする仕事は3つです。つまり①コンディメント(スプーンと小分けのお椀とスパイス)持っていく ②石焼ビビンバをサーブする、③伝票にコード番号を書き込む、の3つ。

しかし、慣れてない人の場合、石焼ビビンバが出来上がってから、慌ててコンディメントを揃えだす事が多い。でも伝票は仕上がっていたりする。

おそらくは「他にいろんな仕事があって間に合わなかった」と、本人は言うのでしょうが、店長目線で見ていたら、不要な仕事をやって、緊急重要な仕事をしていないように見えています。

なぜ優先順位を間違えるのか?

それは未熟だからですが、未熟の特徴は最終的な終結が想像できていないまま目先の作業をしているって事でしょうね。料理ができてお客様にサーブしたときにスプーンが無かったらアカンでしょう。石焼ビビンバは熱くて重いので片手では運べません。だからコンディメントは先に出てなければいけない。さもなくば、ビビンバが少し冷めてしまうし、ジュージューいうあの美味しそうな音がなくなってしまってしまうかもしれない。それは大きな魅力損失です。

未熟だから。ここまで想像はできない。だから一連の理屈を説明してあげる必要はあります。説明に納得した人は次から必ず優先順位を考え、正しく実行してくれます。

それでもできない人は説明に納得できなかった人ですので、また違ったアプローチをする必要があります。その一つが「あと1分でビビンバ上がりますよ。スプーンとか持って行ったか?」と、アテンションする事です。カラダに覚えさせる感は強いのですが、これも効果あります。

とにかく、優先順位を考えてもらうようにするのは、手間がかかるんです。「作業を教える事」の何倍も大変ですが、うまくいったらサービスのレベルは確実に大幅にレベルアップします。

 

「次にする仕事を根拠をもって選ぶ」ってのが優先順位だと思いますが、お客様を満足させることが目的ならば、商品を運んでからスプーンを運んだり、商品を冷ましてしまったりはしないと思いますので、顧客指向性の強い弱いが影響してくると言わざるをえませんね。