飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

せっかくの経験がおかしな「積み上げ」にならないように

いよいよ、この4月以降に採用した人達が「プラス1」働いていた研修期間を終え、ひとつの戦力として稼働する時期になりました。

ホール女子は通常1人から3人の体制をとります。その中でも2人体制が一番多くて、個人のレベルやコンビネーションによる生産性の差が出ます。

今年採用のHさんも先日2人体制で働いていました。そのとき豆もやしとキムチ盛りを、お客様に持っていこうとしていたら、違うテーブルから「すみませーん」と言われました。Hさんはフリーズしてしまったので、私が「すみませんの方へ行け!」と指示しました。

新人の人は「ドリンクを入れる」とか「料理をサーブする」とか「注文を聞く」とかの作業を覚えたらトレーニング終了ではありません。同じような用事が同時に起こった時どうするか、が大事な事だからです。彼女はこういうケースに、まだ躊躇します。

躊躇したら私の方を向くので、どちらを先にするかを指示するのですが、そのあとのフォローが大切なんです。

今回の場合は、「すみませーん」を優先しましたが、いつもそうではないという事を理解してもらう必要があります。サーブしようとした商品が「豆もやしとキムチ盛り」だったから「すみませ-ん」への対応を優先しましたが、サーブする商品が石焼ビビンバだったらそうはいきません。冷めちゃうからですね。店長が指示したから、いつも「すみませーん」が優先されるのではなく、臨機応変です。大切な事は自分として、判断の理由を持つことです。

さらに、困ったときに頼るのは私ではなく、もう一人のホール女子であるべきです。こまったら私ではなくもう一人のホール女子がどこにいるのかを確認するのが先です。っていうよりも常に、どこにいて何をしているのかをお互いキャッチしていないといけない。お客様のために2人が共同作業していれば生産性は倍化します。

そういう意味では同じ学年の2人をホールに出しているほうが生産性は上がりますね。

こういうことのどこまでを話すのか、いつも葛藤しています。Hさんも今のところ混乱状態ですが、せっかくの経験がおかしな積み上がりにならないように、目的はすべてのお客様にベターなサービスをする事で、答えは常に1つではない事を伝え続けていきます。

根気よくオンザジョブでお話しするしかない、が今のところの私の結論です。