最近、一生懸命やっている中で、チームのメンバーがミスをしたら、どんな考え方をもって対策すればよいかについて考える機会がありました。
私は昔、ある店舗で店長をしていた。テイクアウトとイートインの両方が可能な店舗だ。その店でテイクアウト時の「入れ忘れ」が頻発するようになった。
私は「入れ忘れ」を撲滅させる為に、あらゆる分析と対策を行った。
発生時間の特定、だれがやったか、その原因をつきつめ、反省を促し、改善アクションを細かく設定した。その一連の作業記録を全従業員に公表し徹底した。
で、
結果として入れ忘れは激増した。
私は 動揺し、考え直した。考え方を変えるしかない!
入れ忘れに対する調査と分析は自分で、従来通りに実施したが、「だれがやったのか」は公表せず、入れ忘れが起こったシチュエーションだけを従業員に公表し、改善アクションは特定せず「私たちのお店がお客様の期待に応える事ができなくて残念です。」とだけ伝えた
結果、入れ忘れは激減した
私は、従業員の良心を信用する事と、1人の責任を追及したほうが良い場合と、全員に責任がある事を押し出したほうが良い場合の両方がある事を学んだ。
リーダーの基本はチーム力を信用することだ。
不正行為ならば「犯人」を見つけ出して罰するべきだ。でも一生懸命働いている中で起こるミスを1人の責任にして罰してしまえば、他のメンバーには責任が無い事になる。
お客様に良いサービスができなかったのは「お店」である。「お店」とは従業員全員である。お店がお客様に良いサービスができていないのに、「あなたには責任はない」と伝える事は危険だ。1人に「お店」全部の責任を負わせるのではなく、全員のココロに少しづつ、痛みや責任を感じてもらうほうが、次の実効性は良くなる。1人1人の負担も軽くなり、改善プロセスに集中できる。
失敗したら、分析して事実・原因を完全掌握する必要はある。しかしその原因を、ひとまずは経営者が把握するだけにとどめておくべき。
そしてその事実・原因の「従業員への伝え方」が改善プランの始まりです。これを誤ると何も改善されないどころか、より悪化することになります。
(2020年5月25日に書いた「リーダーシップ」というブログを再利用しています)