飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

組織的に大きいことだけが強さではないと実感したなあ。

「弱い者は弱いままなのが一番強い」という言葉を聞いたことがあります。

 

自粛要請に従わない飲食店を押さえつけるために、政府が 銀行や酒販店に「協力を求める」ような文書通達がなされています。これが「圧力」じゃないのか?と批判されています。私はこれが「観測気球」と思っていましたが、実際に文書が出まわってるようなので、政府は少しは本気だったんですね。

 

官僚的な組織にどっぷりつかっている人達は、相手を説得するときに、その人の上司をさがすんですね。自分たちが組織に縛られているから、相手も「偉いさん」から言われたら言う事を聞くだろうっておもうんですね。特に、無理なお願いをしている時にこうなります。

で、大臣が選んだ「偉いさん」は、なんと「銀行」と「納入業者」です。これは無理です。飲食店は銀行傘下ではないし、酒問屋の配下でもない。

政治家の皆様は、官僚組織でトップを目指して働いているので、「上」しか見ていない。だからこんな判断をしようとする。

小さなお店でも一国一城の主としてプライドを持って働いている店主、店長の立場なんかまったく理解していない人達なんだということがわかりました。バカにされている気がします。「まじめにこういう人達の言う事を聞く必要があるのか?」と思った店主。店長も多いのではないでしょうか。

我々、個人飲食店の人間関係は「横」に広がっていきます。アルバイトさんも「下」ではなく「協力者」ですし、お客様が、もしほかのお客様に対して迷惑な行為をすれば、ご退店いただく事もありますので、必ずしも「上」ではないでしょう。

横に横に関係を広げていって、商売を成立させる努力をしますし、その根底には他人に対するリスペクトがある。

一時期、「飲食店は大きな「協会」が無くて政治的なチカラ(集票能力)がないので、軽く扱われている。だから大きな協会をつくったほうが良い」という意見もありました。

しかし、そのような大きな組織が無いからこそ、1人1人の気持ちを表せる。自粛拒否が良い事とは思えませんが、いまや、官僚組織たる政府、自治体は、個人事業者の反抗に対して、手も足もでません。組織の力を使っておさえつける事ができないからです。そもそも「押さえつける」という思想自体がおかしい。合理的な説明ができないから、押さえつける。海外より陽性者が少ないのに、なぜ飲食店だけがやり玉なのか、合理的に理解できないからこうなる面もある

組織を作って大きく強くなることだけが得策ではない。自分らしく戦える「弱さ・小ささ」が、「強さ」なのだと認識しました。