飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

では、アルバイトさんが辞めないお店を作るには

どうすれば、アルバイトさんが辞めないお店を作れるのか、私の考えを書きます。

まず第一に「アルバイトさんはいつか、必ず辞めます」したがって、実際は辞めないお店を作ることはできません。退職理由不明のままいなくなったり、経営側が納得できない理由で辞めたりするケースを回避することが「辞めない職場作り」ってことだと理解してください。「ゼロ退職」は無理で、「WITH退職」が正しい認識です。感染症対策と同じ。

で、退職予防のためにすることは いわゆる「福利厚生、プレゼント」です。賄いを食べさせる、とか時々お店で懇親会をするとか、グッズを作ってプレゼントするとか、相手の期待を超えるような事がいいと思います。こういうことは「期待を超える」から効果があるのであって、期待以下では投資の無駄になります。(ここがポイントです)期待を超えるにはコストがかかりすぎるではないかという不安もあります。しかし、例えば、賄いは原価で考えると相当安いのですが、「売価」で考えると相当高価。こういったトリックを使います。私は1年くらい働いてくれたアルバイトさんにお店のロゴ入りのパーカーとかをプレゼントしますけど、ロゴが決まれば、パーカー作成代金は案外安いので、躊躇なく作ってあげます。宣伝にもなるしね。とにかく継続的に何かを与える事です。大義名分はいりません。システムもいりません。高価なものでなければ相手が欲しがるものがあればプレゼントしたらいいんです。自分はまた買えばいい。何かをプレゼントできた相手は、ほとんど辞めません。その効果はプレゼントした品物の価値を大幅に超えます。

 

その次のポイントは、休みたいときに休ませてあげる事。スケジュール上の頼み事を断られても「了解、ありがとう」で終わらせること。スケジュールの調整上でストレスを感じさせない事です。アルバイトは休んだら給料もらえないのですから、休暇申請されれば、オーナーは聞き入れるしかないのです。ハラをくくってください。効果的な希望スケジュールを出さない人や、当日キャンセルが目に付く人については、だんだんIN回数を減少させることもできます。だからスケジュール調整の会話の中でストレスを感じさせる意味はありません。

そして、次なるポイントは、実際に働いているときには「甘い顔」をしてはいけません。お客様に対して問題な行動があったら躊躇なく叱ってください。前段で福利厚生の事やストレスを与えない事を書いていますので、「優しくする」事が大切と思っている人もいるかもしれません。日常は優しい常識人であるべきですが、お客様に対しての失策、商売上の失敗については、悪気があろうがなかろうが、確実に指摘してください。場合によっては叱責することもあるでしょう。「やらかした時に怒る」が理想です。アルバイトさんに優しくすることや、彼ら彼女らを辞めさえない事は手段であって、目的ではないのです。叱責の方法についてはまた後日書きます。

 

ということで、辞めさえない店を作るのですが、最初に書いたように、退職はゼロにはなりません。退職を申し出られても止めない場合もあるでしょう。店舗を活性化するためには、必ず退職してもらわなければなりません。その時期やタイミング、それに伴う感情が100%コントロールできていることが「WITH退職」であり「アルバイトが辞めない店作り」という事になりますね。