飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

接客サービスのトレーニングは 相手の誤解を解く事かもしれない

多かれ少なかれ、飲食店のホール係とか、他の職種でも接客サービスする人を育成する手法は、「ある程度研修育成したら現場に出して育てていく」のだと思います。レジ係さんにしても、窓口対応さんにしても、ホステスさんにしても、たいがいはそうでしょう。いわゆる現場を使った育成とかOJTとかいうやつです。

よく考えると、ド素人が少し仕事を覚えた状態で現場に出すのですから、必ず不具合がでます。で、その被害は、通常お客様に受けてもらう事になります。これは失礼かつ残念な話ですが、新人だからある程度は仕方がない事としているんでしょう。だから、お店によっては「初心者マーク」をつけさせている場合もあります。

 

何十年もこの飲食店ビジネスに携わっていますが、私は若いころからこの「仕方ない」が店長として「受け入れられない」変態です。

 

もちろん、最初から何回か育成係のトレーナーを付けている時は、何も言いません。

でも新人が1人で動くようになって、しばらくしたら、お客様にわからん程度の被害が出ます。アツアツでもっていきたい商品が、のろのろしているので少し冷めるとか、そういうレベルぐらいから、本当に間違った商品をサーブするとかの深刻なミスになるときもある。

こういう時、私はその新人を、「許す」ことを、あえて良しとしません。なぜなら、ほとんどのお客様は この程度のことなら気が付かないか、怒ったりしないから、私が指摘しないといけないと思うからです。

また、新人といえど、サービスのレベルがある領域に達していない事は理解しないといけないと思うからです。

普段の私と、ミスを指摘している私の言い方に落差があるので、「キレてる」と思われるときもあります。


この時期の傾向として新人の研修期間はおわっているので単純な間違いとかは、ないのですが、やらなくてよい事に固執して、やるべきことが遅れたりします。そんな時私は「そんなことしてないで、お客様の要望に答えなさい」「お客さんがよんでるで、さっさと動きなさい」といった感じの指示を厳しく伝えます。

新人さんは「覚えた事」をまずやりたがる。ベテランの人が止まって伝票のチェックをしていたり、配膳の準備や、会計の準備などをしているシーンは研修期間によく見ていますので、そういうことが仕事だと思いがちなんですが、それは誤解です。

本当の仕事は、お客様に呼ばれた時です。または、自らお客様に接近する事が仕事です。だから、その時のための準備なんです。

しかし、新人さんの中には「準備が仕事」だと思っていて、厨房付近であれこれ忙しくして、お客様の事が見えていない人も見かけます。

ベテランと一緒に働いている間に、一連の仕事の意味までを理解できる人がほとんどですが、動きだけをとらえて優先順位を理解できないまま、間違った理解で止まる人が稀にいます。

これは、お店による育成の失敗かもしれませんが、その人の研修期間の過ごし方、理解の甘さも原因となっていますので、厳しいかもしれませんが、問題行動があれば、即座に、きちんと注意するようにしています。

私は優しくないです。

優しくないので、何度も注意されると怖いかもしれない。

 

でも、新人だからといって譲れない一線があるのです。ですから私は変態なんだと思います。

ですから研修期間を長めにとっています。

「研修期間が終わったら、どうしても対応が厳しくなります。

「仕事を体で覚えようとすると、どうしても応用ができなくなるので、まず、なぜそういう事をするのかを『理解』してほしい。理解が進めば優先順位や順番を間違わなくなる。」とつたえるようにしています。

ほかの人が適切な優先順位で動いている中、ひとりだけ優先順位の低い仕事をしていると目立つんですよ。

忙しい時に、無駄な仕事をしていたり、必要な作業にすすんでいない人がいれば、相手が新人であっても、何度でも、指摘して改善を求めます。

根本的な部分を言われているのだ、と、わかって欲しいのですが、だだのキレたオッサンに見えるのもわかる。