飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

日本フードサービス協会発表に思う

ニュース記事を見ていると、日本フードサービス協会が10月の外食動向を発表し、それを分析した文章がでていました。

曰く、居酒屋は前年比65%と苦境。ファーストフード105%で好調。開店寿司好調。夜営業を中心としたパブ、居酒屋形態には、お客様は戻っていない。

まあ、10月はそうだったんでしょうね。

でも、ここでひとつ疑問が起こりました。日本フードサービス協会なるものの発表には個人事業の居酒屋は含まれない。相当大きなチェーン店で、マスコミに向かって売上げを公開している企業だけの集計です。

ワタミさんとか、マルシェさんとか上場している会社のデーターが総合されてでているんですね。

ファーストフードはほとんどが上場企業なので、数字は正しいものに近いのでしょうが、居酒屋さんはチェーン店以外のほうが多いので社会の実態とはかけ離れてしまう。

チェーン居酒屋と個人店との差は良くも悪くも大きいのです。

まさに数字のワナ。


一つの傾向性を見るべき記事とは思いますが、現場で働いている店長、店主はこんなざっくりした記事に惑わされることなく、自分のお店だけの実態をみきわめてほしい。

 

もう一つの疑問は、そんなにチェーン居酒屋の売上げが悪いんだったら「人不足」なんかおこらないでしょう、という疑問。

私の中で、過去に何度も何度も疑問になっているのですが、

売上げが下がっているのに人が足りないってどんな現象でしょうか?。

もしそうなら「人が足りていないから売上げが悪い」が正解なんじゃないでしょうか。外的要因や自然現象で売上げが下がってしまったなら、人は余るはずです。

この分析を間違うと、いつまでたっても改善は出来ず、良い経営にはならないと思いますよ。

人が足らなくて営業に悪影響を及ぼしているなら、営業を縮小してでも立て直すほうがいいでしょう。

でも、「自分たちに問題はなく、自然に人が減ったんだ」と思っていたら、ついつい緊急雇用に走る事になります。本当にそれがベストな解決策なのか?いつも問い直してほしいもんです。

今の時期の人材充足の状態は、恐らくですが、売上が低迷していた夏ごろに、人材確保のために何をしていたのかの「答え合わせ」になっちゃってるんじゃないかな。

現時点で、正しい分析に合わせたアクションを起こせば数か月後の「答え合わせ」が楽しいものになりますから、どうか冷静に考えてほしいですね。