飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

忘年会、新年会は不要か?

感染騒動後、忘年会は必要か?不要か?という議論があります。たいていは不要と結論がでます。

しかし、その集団や会社が「忘年会」をどういうふうに使っていたか。によるのではないでしょうか。

私がいた組織では、会社単位の宴会の企画を新人に任せるという風習がありました。

なぜならば、新人は経験や実績が少ないので、仕事上でリーダーシップを出す事はできませんが、宴会の企画運営ならばリーダーになれる。その人のリーダーとしての力量を見ることもできるし、新人がふだんは仲良くなれない上司や経営者にコミュニケーションできるからです。

また、新人が企画する事によって、宴会の場所や趣向が毎回新しくなるので、参加者も楽しい。もちろん企画や相談は仕事時間内に行われます。会社の「良い風習や伝統」も伝わる。

こういった、考え方をもった会社も多かったのではないかと思います。ですから忘年会の企画を通じて、将来の幹部社員として見込まれた人もいます。

私も、「会社にいる限りは、あらゆる機会を出世の糸口」と思っていましたし、もともと楽しい事は好きでしたので、忘年会の司会は新人時代に喜んでさせていただきました。

何度かおよびがかかり、いろんな宴会を仕切っりました。

私が上司の立場になったときも、「誰に仕切らせるか」がメインテーマでした。それなりに楽しかったし、有益な面もありましたよ。その経験からか、後に1,000人以上が参加するコンベンションの司会もしました。

つまんない忘年会をやっている組織でしたら、「忘年会なんかいらんわ」でいいのですけどね。

その組織でも経営陣の交代があって、新しい経営者が「宴会は不要」と打ち出したので、そういう風習は消えてしまいました。

その後、数年経って100人くらいのパーティがありました。パーティの最後に若手社員にシメてもらおうということになって、学歴の優秀な若手が壇上にあがりましたが、彼らはどうやってシメたらよいのかわからいません。

壇上で変な事言い出して、空気が凍りかけました。

経験豊富な私たちからすれば「一本締めか三本締めくらいでええねんで」って言いたいのですが、教えてないので・・・・・できない。

グダグダになって文字通り「しまらない宴会」になりました。あの新入社員は上司になったら「宴会なんか不要」っていいだすでしょうね。

私から見ても、このパーティは全体にグタグタでした。今の新入社員は宴会をシメるなんて芸当ができない事にも気づいてない。幹事の失敗ですが恥をかくのは新人さんでした。

不要か必要かなんか、内容によるんですよ。

不要な宴会だったらやらないほうがマシでしょう。

でも、結婚式の披露宴は不要だ!って全員が思いますか?結婚する2人にとって一生の思い出になる宴会にしてあげようと、みんなで努力して、充分に企画して行われる宴会ならば、不要ではないでしょうね。

しかし、すべてを同じ物差しでは測れない。

不要な宴会をしている会社がダメなんであって、宴会自体がダメなんじゃないんです。