阪神大震災の時の事を思い出しました。
当時は大津に住んでいました。地震で揺れたとき、数分間停電したことと、あまりにも揺れたので「大津が震源だ」と思っていました。その後、電気が復旧してテレビを見て大ショックを受けました。阪神高速が倒れるなんで、怪獣に踏まれた・・みたいな事があるのか・・・・、と思いました。
翌日、バイク2台で、神戸に住んでいる親戚のために水などを積んで運ぶことにしました。倒れた阪神高速の下の道(国道43号線)をまっすぐ神戸に向かって走りました。バイクですから比較的普通に進みましたが、車は渋滞して動きません。
その横の歩道を黙々と歩く人が沢山いました。みんな黙っていました。
笑顔なんか絶対ありません。
倒壊した家、ひび割れた道路・・・言葉を発する事ができない光景が目の前にありますから。
そんな中、三宮まであと10キロくらいの場所で「コーヒーあります」という手書きの看板がありました。
「まさか?」と思いましたが、崩れかかった喫茶店が営業しているようです。
がれきの山の中の喫茶店・・・。
1月で非常に寒かったので、お店に入ってみました。「トーストと珈琲しかありません」という意味の張り紙が貼ってあったような気がします。何人かの人が黙ってコーヒーを飲んでしました。
友人と2人で黙ってトーストとコーヒーをいただいた後、お金を払おうとしましたが、受け取っていただけませんでした・・・・。
震災翌日になぜ喫茶店を開店させたのか?マスターのお心はわかりませんが、暗澹たる気持ちで走っていた私たちは、おおきな希望の光をみたような気がしました。
マスターの心の中では復興が始まっていたのかもしれません。強いですね。
「飲食店は何のためにあるのか」を強く意識しました。
昨日は3・11でしたし、最近のテレビでは戦争でがれきの山になった街で呆然とする人の映像をよく見ます。ほんとうに胸が張り裂けそうな気持になります。
この侵攻がどんな終わり方をするのか、わかりませんが、心の中ではもう復興が始まっている人もいるかもしれません。
偉そうな事はいえませんが、そんなことを思い出しました