飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

卒店式はポジィティブな退職の代表

学生の卒業生をどう送り出すか?または退職者をどう取り扱うか?

これはとても重要なテーマです。

学生アルバイトを採用している場合、定期的に卒業しますので、多くの人が同時に退職します。これはシフト的にはピンチです。

しかし、採用したときから、卒業の時期は決まっていますので、卒業する事自体をリテンション活動(早期退職率低下活動)のチャンスに変える事ができます。その代表的な活動が「卒店式」プログラムと位置付けられます。

 

ピンチを変じてチャンスとする

 

どうせ卒業退職してしまうなら、しっかりした後輩に惜しまれながら「引退」していくような機会を作る・・・。

 

そうすれば、後輩も「この職場は良い職場だ」「卒店式まで働こう」という意識となり、彼らの心の中に「退職しない」モチベーションを形成させる事ができます。

 

そのためには、優秀で十分な人数の「後輩」を育成しておくことが必須です。

 

そのためには、何年サイクルで退職するのかを覚悟し、必要人数を毎年必ず採用しなければなりません。

育成することは当たり前です。いつまでに何人雇って、いつまで育成して、いつ辞めてもらうかを意識したプランをもっていないと「卒店式」は成功しません。

もちろん、通常時の退職を予防するために行うべきこと、やってはいけない事もあります。

例えば

・不当な長時間労働や、特定の人を排除するようなスケジューリングをしない

・約束は例外なく守る。

・常に、顧客満足度の向上を目指している事を訴え、モラルを高く保つ努力をする。

   等々

 

上記の流れがうまく機能していると「卒店式」自体はそんなに凝った趣向にする必要はありません。

当店の場合、一緒に食事をして後輩が贈る言葉を述べ、卒業生がみんなに一言挨拶するだけです。

あとは、話が尽きるまでゆっくり歓談するだけです。毎年5~6時間は覚悟しています。ですから会場を借りずに店舗で実施しています。

 

私は歓談にはスポット参加しかせず、料理をエンドレスで作っています。

 

よくよく考えてみると・・、

卒店式があるから退職しないのではなくて、退職率の低い職場を作り上げるための毎年の活動のゴールに「卒店式」がある、というほうが正しい認識でしょう。

 

で、あるならば 卒店式の翌日の今日は 来年の卒店式に向けて、新しいピープルアクションのスタート日となります。

 

MLBの大谷選手曰く「去年と同じことをしていては、去年と同じ数字は得れない。常に新しいチャレンジをしていないといけない。」

 

確かに、その通りですね。

 

昨年度を超えるレベルのアクションを実行しなければ、サービスもリテンションも同じような結果は得れない、

 

フリーターさんや主婦さんがいる職場であっても、どうやってポジティブな退職とするかはとても重要な案件ではないでしょうか。

 

「学生対象の卒店式だけがポジィティブな退職なんだ」というわけではない。

 

そこにはどんだけ時間を使って知恵を絞っても、惜しくはないです。

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 今年の記念写真掲示


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