飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

完全生中継型接客

たまに、スーパーやコンビニやファーストフードのレジの方の中に「完全生中継」型の応対の人を発見することがあります。

 

※お客様への会話だけでなく、自分の行動のすべてを「言語」に表しながら働く人の事を私は「完全生中継型」と呼んでいます。

 

「お箸は何本いりますか」⇒「お箸1本承りました」⇒「お箸でございます」⇒「お会計は現金ですか、カードですか」⇒「カードで受けたまわりました」⇒「カードを入れてください」⇒「レジ袋はお持ちですか」⇒「大きい方で良いですか」⇒「レジ袋をお渡しいたします」

 

こういう言葉を隙間なく並べてきますので「完全生中継型」なのです。

 

ひとつひとつのフレーズは問題ないのですけど、全体的には「違和感」があります。

 

パフォーマンスを見せられている感じがして、いまいち、心がこもった感じがしないのです。言葉のほとんどは「会話」になっていないのでアドリブは無く、相手に合わせた応対やサービスには絶対ならないのです。

 

いったん、こんな感じの応対が身についてしまうと、もう進化は期待できません。

 

言い換えると「100点満点の80点はいつでもとっているけど、100点には絶対ならない」って感じなんです。ある程度良いサービスを演じていますが、厳しく言うと「顧客不在」ともいえる。

 

お客様のいない場所で練習しすぎたのでしょうか?

 

「今日は良い天気ですね」とか「お荷物多いですね」とか「お子さん可愛いですね」とか人間らしい会話をはさんだり、目や表情を使って意思を伝えるとか、ホッとする瞬間が無い。

 

こういう接客を受けると、お互いが緊張してしまいます。リジェクトされているのかなとさえ思います。

 

が、しかしこういう従業員さんはえてして真面目な方も多いので、「残念だなあ」と思うだけでどうすることもできません。

 

こういう現場はイニシャルからのトレーニング手順を考え直してみる必要があると思います。

 

感じの良い店員さんは決して言葉数自体は多くないものです。