飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

ホールの皆さん、じっとしている事が必要な時もあるよ

1年生のMさんはチェーンすし屋でアルバイトしていましたが、当店でも働き始めました。

 

昨日、そのチェーンすし屋の話になりました。

 

曰く、「気が休まらないんです。基本的には忙しいし、お客様が途切れたりしたら『仕事を探せ!』と言われて、どこかを掃除したりしないといけなので・・」とのこと。

 

”暇になったら、じっとせずに自主的に仕事を探しましょう””

 

これは飲食店でよく使われるフレーズです。しかしホール係にこれを言うと、思わぬ落とし穴にはまる事があります。

 

なぜならば、お客様が客席にいらっしゃる時、たまたま体が空いた時を「ヒマになった」と解釈して、自分の判断で掃除したりしてしまうと、お客様への注意力が下がり、お客様が呼んでいる事に気が付かなかったりするからです。

 

もうすこし掘り下げると、マネージャーと従業員の関係を危うくする事にもなります。

 

ピークが少しアイドルになって余裕が出たら、ネージャーが清掃や整理や資材補修などの非生産高労働を誰かに命じて実施させ、それ以外の人はお客様に集中させるべきなのです。

 

その判断に従業員の主体性は必要ありません。

 

逆にピークになって忙しくなれば、一人一人の接客にいちいちマネージャーの指示は届きませんので、従業員が主体的な判断で動く事になります。最初は間違った判断をしても、どんどん主体的な判断をしてくれたほうが、最終的には良いサービスを展開できます。

 

つまり 

ヒマな時には、従業員に主体的な判断をさせる必要は無く、マネージャーがきちんと指示をだすべき。忙しいピーク時は、従業員ひとりひとりが指示待ちではなく主体的にサービスを展開すべき。

 

多くのチェーン店では この考え方が「逆」になっています。

 

Mさんの動きを見ていて、「忙しい時に質問をしてくるなあ」「今やらなくてもよい事をしよるなあ」と思っていましたが、この会話で・・

 

「そういうことか! すし屋で間違った感覚を身につけてたんだ」という事がわかりました。

 

Mさん自身も、すし屋の指導に納得はしていなかったのですが、何がしっくりいかないのかがわからなかったようです。で、違うアルバイトとして当店に応募してきたらしい。「もっとアットホームな場所で働きたい」って言ってましたが、甘えたいのではなく経営者の考えを聞きたかったのかもしれません。

 

お客様のためにベストな動きを目指す中で「じっとしている」という選択もある事がわかってホッとしたようです。

 

お客様が視点をこちらに向けただけで気が付くホール係でいてほしい

 

(今はボタンで呼ばれる店も多いから、そういう事もわからんかな)

 

こういうことはきちんと説明したほうが良いですね