飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

いっとき使い物にならないホール女子の切実な話

先日ガストさんに行きましたら、配膳ロボットが働いていました。

注文品をもってきてくれるのですが、テーブルからちょっと離れたところに止まりますので、お客様が立ち上がってロボットまで取りにいかないといけない。これはちょっと不満ですね。

 




当店では、ホール女子に「(特に)オーダーはテーブルにもっていくのではなく、人にもっていくんだよ」と、言います。

 

1年生のSさんは、ドリンクをもっていくときお客様のテーブルの端に置いてくるクセがありました。私が求めている行動は、テーブルまでドリンクを持って行ったけど複数のお客様が座っておられて、誰にお渡ししていいのかわからない場合は「どちら様のご注文ですか」といって確認し、それを飲む人に渡す事です。

 

正直なところ、「こんなの常識」と思っていましたし、だいたいの人は教えなくてもできています。

 

でもSさんは割とこういうことができないのです。「”テーブル”ではなく”人”にもっていくんだよ」とか「だれのためにやっているのかわかってるか?」とか、私に言わせる人です。

 

偏見ですが、Sさんは当店に来る前、チェーンのレストランで働いていました。深く考えないで動きだけを覚えるクセがついているのではないかと思います。

 

たとえば、企業側が「注文品はテーブルにもっていくんだ」と思っているならば、配膳ロボットで問題ないでしょう。しかし「注文品はお客様(人)に持っていくんだ」と思っている企業ならば、テーブルの横までしか来ない配膳ロボットは(まだ未完成と考えて)使わないでしょう。

 

何を注文しても人から人に渡す事のできない配膳ロボットの使用は、だれが見ても実質的なサービスレベルの低下となるからです。したがって、お客様の心の中では「ワンランクダウン」のお店になりますので、間違いなく売上げは下がるでしょう。

 

私は「サービス」をなめてはいけないと思います。

 

オーダーシートやタッチパネルでオーダーを伺い、配膳ロボットが持ってくるお店はすでに「接客業」ではない思います。それは何か新しい商売の形です。回転すしで無人レジになっているお店は、もう「接客業」とはいえないでしょう。

 

そういうアルバイトを経験してから、当店のようなアナログ接客業で働くとしばらくの間、「使いものにならない」状態が続きます。これは切実。

 

接触オペレーションが流行る前から 省レーバーかつ人手不足対策として、無人レジやタッチパネルや配膳ロボット等が開発されていました。それがコ〇ナの影響もあって一気に実用化されました。

 

かんたん かつ 確実にサービスレベルは下がります。それでも売上が保たれるという甘い考えをもっている企業や経営者が多いように思いますが、サービスレベルが下がればお客様は減ります。当たり前です。

 

飲食店長がこれから気を付けないといけない事だと思います。