上岡龍太郎さんがお亡くなりになった。
と、いっても誰だかわからない人も多いと思います。20年くらい前の人気絶頂期に芸能界を引退されています。どんな芸人さんだったかはNETで調べてください。
私が今日、書きたいのは当時の私が上岡龍太郎さんのある発言に衝撃を受けた思い出です。
上岡さんがある番組で、
「数字なんか信じてはいけない。数字をもとに話する人(政治家)なんかは信じてはいけない。」
と、堂々と発言していました。
当時、社会に出て、サラリーマンだった私は、
「どうやれば数字で表れる結果を出せるのか?」がテーマで、
数字で成果を出すことがおもしろくなってきた時期でした。
「数字で表せない仕事には意味がない。」とさえ思っていました。
数字には嘘はないし、絶対性があるのに、「なぜ、上岡さんはこんなことを言うのか?」と理解できませんでした。
上岡さんは当時毒舌ながら、おかしいことは言わない人と思っていました。その上岡さんが「数字を信じるな」って言っていることに戸惑ったのです。
その後、数十年、今になって思いますが
私は「数字は信じてはいけない」と思います。
数字は使うものであって信じるものではないのです。
なぜなら、ひとつの事象について、あらゆる角度から分析すれば、その角度によっていろんな数字が分析結果としてでてきます。
一つの角度からの分析数字だけを見て、状態を判断していては、間違ってしまうからです。
違う角度から見れば、正反対の評価を出すこともあるのです。
私も会社員のころ、自分の仕事の成果を表す数字を自分の都合よいように「切り取って」プレゼンしたりしていました。うそではないのですが、過大評価されやすいようにプレゼンすることが「上手な仕事」だと思っていたのです。
つまり、私は上岡龍太郎さんのいう「信じてはいけない人」になっていたのでしょう。
数字は捏造したものでなくても、切り取り方によって、全く違った分析結果を出します。それをわかったうえである程度都合の良いように使う人がほとんどだと思います。
でも、よく気を付けないと、
結果的に相手の誤解を誘発していたり、
実情とかけ離れた分析をして、恥をかいたり、
人の信用を失ってしまう事もあります。
たとえば「当社のアルバイトは優秀な企業に就職できる人が多いんです」、って、いろんな数字を並べて公表している企業があります。嘘じゃかいでしょうが、その企業に大学生アルバイトがぜんぜんいなくて必死に募集してたりしたら、みなさんはどう思うでしょうか?
(意味あるの?、何人辞めてるの?とか)いろんな憶測を呼ぶでしょう。
ちょっとカッコ悪いですね。
数字で分析することは大切で有効ですが、昨今はあらゆる角度から数値分析ができまので、
総合的に考えてから結論を出すことが求められるでしょう。
「現場が師匠」です。
神岡龍太郎さんのご冥福をお祈りします。ほんとうのオトナの考え方を教えてくれていたのですね。
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