飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

「あんたもここで働かせてもらいなさい」って言われたら・・・

昨日、午後7時ごろ落雷のためか、付近一帯が停電してしまったので、営業を中止しました。数組のお客様がいらっしゃいましたが、お詫びしてお帰りいただきました。

「復旧は午後10時前くらいになる」との情報が入ってきたので、営業再開はあきらめました。

 

ふと見ると、1ブロック向こうの焼き鳥屋さんは停電していないようでした。

電気が復旧するまで、後片付けもできませんので、ホール女子の2年生Mさんと3年生Hさんと私の3人で、焼き鳥を食べに行きました。

 

焼き鳥屋のご主人は「大変でしたね」とねぎらって迎えてくれました。

 

お店では先ほどお帰りいただいたお客様や近隣の飲食店のスタッフのみなさんが、お食事していました。

「みんな考える事は一緒ですな」

 

普段は一緒に食事したりしない時間帯に、ホール女子2人と焼き鳥を食をべながら話をしていると、面白い話が連発でした。

 

2人とも自分が採用されるとき、どんな面接をされたのか、どう思ったのか、を鮮明に話してくれました。これが一番面白い話題でした。

 

Hさんは四国から関学の入学式前、家族で当店で食事をされたとき、ご両親が「ここでアルバイトしたらいいやんか」といって勧めてくれたそうです。

 

Mさんは地元の人で、お母様が当店を利用した経験から、「あんたここで働かせてもらいなさい」と言って勧められたそうです。

 

どちらも、ご両親の推薦からはじまっていましたが、ご両親が推薦する理由も同じでした。

それは「感じの良い女性従業員ばかりだった」事です。

特にお母様はご自分の娘さんがアルバイトをする事によって”どう変わってしまうのか”、が心配です。

 

「こんなふうな女性になってくれたらいいなあ、と思う人たちが働いているところに自分の娘も入れたい」というのが親心というもの。

 

これは、もう卒業してしまったメンバーの功績ではありますが、感謝です。

 

ホール女子のMさんとHさんは最初にトレーナーについてくれた人が「素敵だった事」「優しかった事」を語ってくれました。

 

第一印象で素敵で優しかった先輩は、その後もずっと素敵で優しかったそうです。

それは自分たちの「成長モデル」にもなっているのです。

 

ですから、MさんもHさんも素敵で優しい先輩になります。

 

したがって、また採用活動が成功するのです。

素敵で優しい先輩従業員こそが採用活動を成功させる、のは間違いないです。

だって、本人だけでなく、ご両親が黙っていません。

 

これさえできれば、「ほっといても成功する」のかもしれない。

 

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「誰かが辞めないと人は育たない」ともいえる。

「つくづく思う事」を書きます。

 

「雇った人がすぐやめてしまう」とか「人材育成が進まない」という言葉をよく聞きます。早期退職と新人の育成は密接に関係していますし、この両方に問題を抱えたら人手不足に陥る事は明らかです。

 

早期退職の原因と考えられる事はいろいろありますが大きく分けて以下の2点です

・お店が忙しすぎた

・お店が暇すぎた

 

この2つでどちらが深刻かというと「お店が暇すぎた」です。

意外に思われるかもしれませんが、

お店が暇すぎると、働くステージがありません。最初はラクでいいなあ、と思いますが、だんだんしんどくなってきます。つまらないし、ヒマだから人間関係に気を使わないといけなくなるし、面白くない。

新人にとって

なぜ自分が採用されたのか

どんなふうに使われていくのか

が見えないのは苦痛です。

 

新人さんは「お店が忙しい」から採用されたわけですから、忙しいことは予測できますからある程度我慢できます。

 

ですから、新人さんに入ってもらう時間帯を「忙しすぎる」から「ややソフトな売上げ」の時間帯に変えて実践的なトレーニングができれば、順調に育成が進むと思います。

慣れてきたら、暇な時間帯に起用して、動きを確認したり課題を見つけたり、個人的な人間関係を築くようにしたらいいです。

まずは戦力として働き場がある事が大切なんです。

 

働き場を作るには、活性化が必要になります。つまり(計画的な)退職者が必要なんです。だれかが辞めないと働き場所が確保できません。

 

急に退職されたり、ローパフォーマーがいつまでも居座ったりすると人手不足を感じる事になります。育成も進みません。

 

プロ野球ではオリックスバッファローズパ・リーグ優勝しました。3連覇です。

 

この球団は2023年に有名な4番バッターの吉田選手がメジャーリーグレッドソックス移籍していますが、その抜けた穴を現有戦力が埋めることによって新しい人が育っています。

 

また、主力選手の引退をFAで補っていたころの阪神タイガースは優勝できなかったのですが、FA選手が引退した穴を若手の新人選手で埋めていった結果、タイガースは生え抜きのスタメンでぶっちぎりの優勝を成し遂げました。

 

効果的な退職とでもいいましょうか、計画的な退職予測をきちんと立てている事こそが、人手不足に陥らない秘訣です。

退職は決してネガティブなものではなく、計画的な活性化には不可欠なモノなのです。卒業祝いとか退職お祝いパーティなどを定例化していくことも人手不足対策になりますので、考え方を持っておいて損はないですね。

退職はチャンスですよ。活性化できます。せっかくのチャンスをスキマバイトなんかで補っていてはもったいないです。

 

計画的な育成と計画的な退職はセットなのです。

 

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暑い夏のおわりと飲食店のマスク着用について

いつまでも暑いですね。

そろそろ秋口なのですが、日中の日差しは相変わらずキツイものがあります。

 

とはいえ、夏のおわりには近づいていると思われますが、

私はすこし気になる事があります

それは「飲食店従業員のマスク着用」です。

 

さすがに夏は暑いので、一般にはマスクを着用しなくなった人も多いです。

街中や電車の中で、見た感じでは7割以上の人がマスクをはずしているように思われます。インフルエンザが流行しているようですし、全員がマスクをはずすべきとは思いませんし、着用は「任意」です。



しかし、特にハンバーガーとかファミレスとかの大手チェーンレストランの従業員は「会社ぐるみで100%着用」している店もあるようにみえます。

他の飲食店でも若い女性店員だけがマスクをしているケースもありましたが。(顔を隠したいようにも思えます)これは自己判断によるものだと思いますが、この暑い中で全員が着用しているとなると、自己判断ではないように思われます。

 

さすがにいまだにアクリル板のある店はほとんどありませんが、

 

「着用は任意」かつ「記録的に暑い夏」をマスク100%着用で乗り切ったからには、これからもずっとマスクをするのでしょう。

このお店ではマスク着用が解除されることはもう無いのです。

 

給食センターなどでは昔からマスクをして作業をしていますので、飲食店でも厨房で働く人がマスクを装着していても不思議はない。

しかし スマイル&ハッスルをポリシーとするような飲食店のサービスに携わる人が100%マスクを装着するならば、サービスのありかたを考えなおす必要があるかもしれませんね。

 

スマイルは見えないのですから、お客様が違和感に気づく前にサービスの方針そのものを変更しないと、ビジネスに影響がでるでしょう。

 

サービス業はマスクをはずすべきだ、とは思いません。誤解されたくないです。

しかし、マスクを100%し続けるならば、それは大きな変革ですから、運営方法についていろいろ考えなおさないとね、と思うのです。そういう時期に来ていると思います。

 

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美しくなった「憎めないアホ」の話

ちょっとセクハラまがいの事を書きますが、現場ではそういう問題は起こっていませんので安心して読んでください。

 

今、大学4年生のHさんについてです。

 

1年生の時に採用したのですが、とにかくおかしな行動が多くて、そのたびに「何をやってんねん!!」と言い続けていました。

 

四国の高校から関西学院大学に入学したのですが、なんか化粧がハデすぎておかしい(たぶんヘタ)で、服装のセンスも女子大生というよりも地方のヤンキーみたいでした。さらに似合わない金髪です。

 

まかない休憩時間に友人のテーブルに合流して帰ってこなくなったりしてました。そのくせ、仕事覚えも悪く、いつも間違っていました。

化粧品の話をしだすと夢中になって、仕事になりません。

私に怒られると、一瞬シュンとするのですが、すぐにまた、悪びれずニコニコしながらバイト同士で話したり、変な事してくるので、

「ほんまのアホやな」と思っていました。

 



2年生になっても同じような感じでしたので、下級生がマネしないように働く回数を調整したりしてましたが、だんだん怒られる頻度もさがってきました。

こっちが慣れたのと、すこし改善されたのと 両方だと思います。

 

そんな彼女が、2年からダイエットに挑戦しました。みるみる痩せて素敵なスタイルになりました。服装のセンスも改善され、金髪ではなく可愛いショートヘヤーになりました。

 

さすがに3年目になると仕事で怒られることはなくなってきたし、お化粧も上手くなりました。綺麗になって第一印象が凄く良くなりました。

 

ダイエットに関しては、私もすごく協力しました。野菜と鶏肉だけのスープを作ってポン酢で食べるメニューをまかないとして毎回出していました。「なんでおれがこんなことせなあかんねん」と言いながらも、「カロリーの低いモノを作ってほしい」という彼女の言う通りに作っていていたのです。

だんだん、綺麗になっていく彼女をみるのが楽しかったんだと思います。

 

そのころには「最近はあんまり怒られなくなりましたあ」と彼女が脳天気に言っているのを聞いて爆笑していました。憎めないアホです。

 

最近は

「キミはオレの知ってる ドアホの中で、一番マシなアホやなあ」と彼女に言っています。

「でも、そういう人がモテるんだよなあ。キミはいつも彼氏おるだろ」とも付け加えています。

そういうとなんか嬉しそうな顔をします。

 

お店の宝物です。

 

仕事をする場なんだから、仕事ができない事を指摘する事を恐れてはいけません。態度が良くないときや仕事ができてないときは、(こんな言い方したら辞めてしまうかもしれないな)と思いながらも、我慢しないで「言うべき」です。

 

公平・公正な意見ならば、いつか必ず分かり合えます。

仕事以外の事は普通の関係をたもちながらも、

仕事では厳しく接する・・・。

出来そうで出来ませんが、うまくいくとすごい信頼関係が生まれます。

 

パワハラ・セクハラと紙一重かもしれませんが、コミュニケ―ションの質の違いは必ず伝わります。

 

ただし、

セクハラになりそうな人は真似しないで、我慢してください。

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今年のアルバイト採用が確定しました。

新大学1年生の採用人数が 最低目標の「5人」に到達しました。ひと安心です。

 

昨年は7月までにもっと多くの人数を採用していましたので、リクルート環境はきびしくなっているのかもしれません。

 

コロナ禍が終わり需要が戻りましたので、飲食店の営業時間が伸び、各店が意欲的に採用活動を開始したのでしょう。目標人数の採用まで時間がかかることは容易に予測できます。

 

一気に採用できなければ少し時間をかけて募集活動をすればいいだけです。

募集活動の競争相手(同業他社)に比べて(時給が倍とか)圧倒的な好条件を提示すりゃ、もしかしたら早く採用できるかもしれませんが、そんな事は無理だし、馬鹿げていますので、時間をかける事がベターな選択です。

 

採用してからの待遇や育成等について常に整備と強化を繰り返し、職場としての価値を生み出せば、圧倒的に退職率が低下し職場が安定します。

職場が安定していれば、すこしぐらい新規採用に時間がかかっても営業に問題が出ることもないし、無駄な経費もかかりません。

 

慎重に採用し、

確実に育成し、

退職をおさえることが「王道」なのです。

 

私は、40年近くこの考え方で飲食店に関わっています。

 

いつの時代もこういった「王道」は、まじめで有望な経営者には理解されます。飲食店経営そのものに魅力を感じている人はやがて「王道」を意識した人事管理をしています。

 

ただ、いつの時代も「新しい考え方」を主張する人はいます。考え方ややり方が新しくなるのは問題ないですが「王道」を否定してしまえば絶対に成功しません。相手は「人」なのですから。

 

タイミーさんのような「すきまバイト」を扱う「やり方」ビジネスが最近伸びているようです。飲食事業においてもいろんな企業が導入しています。

 

「今日来た人は明日は来ない」システムには疑問があります。

 

偶然ですが (株)タイミーさんのGoogleアカウントを見ました。

ワーカーの方からも、事業者の方からも 

おおくののクチコミが寄せられています。

すこし読んでみて、心配になりました。

 

 

論理的に私が王道と思うやり方の正反対にあるシステムだと思っていましたが、

クチコミサイトを拝見して、

もっとヤバいと思いました。

 

スキマバイトのニーズはなくならないし必要だと思いますが、

飲食チェーンでスキマバイトさんを全面的に活用、導入しようと考える経営者は飲食事業を理解していない人だと思います。

 

人材育成が崩壊すれば、あっという間にレベルが下がり、2度とあがりません。

断言しておきます。

スタッフ集合写真

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クーポン成功事例か?

 

阪神タイガース18年ぶりの優勝記念で「生ビール180円のクーポン」を出しました。

この期間限定クーポンは、翌日からたくさん回収されていて、週末売上げも好調です。

さらに不思議な事に、お客様は「おめでとうございます」と言いながらご来店されます。

タイガース応援体制に振り切ったお店だと見られているのでしょうね。

 

クーポンって、、、、出したけど全然回収しないときもあります。ものすごいサービスしたクーポンなのに不発ってこともよくあります。

 

それはなぜでしょうか。

 

今回の阪神優勝クーポンを経験してみて、思うのは、

・そのクーポンを出すまでどんな準備をしたのか、

・そのクーポンはお店のイメージとマッチしているのか、

が重要だった、ということです。

 

タイガースが惜しくも優勝を逃した2021年から、私のお店はタイガース全面応援体制に振り切っています。全従業員にユニホームを支給して、期間限定ユニホーム着用営業を実行していました。



どこからどう見ても阪神ファンのお店です。仁川駅近辺で、ユニホームを着せて営業しているお店は当店だけだと思います。

 

「いやらしく見えないかな?」とか

「他の球団のファンの人もいるかな?」とか心配でしたが、

甲子園球場まで車で10分・佐藤選手の出身校の仁川学院まで徒歩10分”という立地条件から「タイガース応援体制を取る」という判断をいたしました。

 

ユニホームを着用していること以外は普通の営業です。「タイガースコース」とか「江川の耳焼き」とかのスペシャルメニューなんかはありませんけどね。

 

お客様にとって、わかりやすいコンセプトで予想通りのクーポンを出すと、お客様も受け入れやすくて、即利用ってなるんでしょう。

 

唐突にものすごく安いクーポンを出しても「なんで、この店が、こんなクーポンを?」と思われたら成功しません。

 

たかが、クーポンですが通常時のお店の営業状態、営業方針によって反響が変わるということが確認できました。

 

「あそこのおやじは阪神ファンやから、なんかやりよるで!」と思われているから

お客様は「おめでとうございます」と言いながらご来店されるのでしょう。

 

ええ経験をしました。これからに生かしたいと思います。

 

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「使う」と「任せる」は大違い

 

タッチパネルや配膳ロボットを配置しているお店が多いです。

どういうお店が成功していて

どういうお店は失敗してくのか、

それについて考えますと

 

「忙しいからマシンを使う」お店は成功し

「人がいないからマシンを導入する」お店は破滅するでしょう。

断言します。

 

現在の科学の水準では、どんな業界においても

「人間に代わるマシン」は開発できていません。

 

いまのところマシンは

「人間が使う便利な道具」にすぎませんん。

 

忙しいお店は、便利な道具を使って、機能性を高めて

「人が良い仕事をする」のです。

 

売れているから人手不足に見える状態と

人事的管理能力が低いから人手不足になった状態は

一見同じに見えますが、プロフェッショナルな視点でみると

全く違う。

 

生産性や機能性がUPして1.5人分の仕事を1人やっているような光景を見て

人不足解消に役立つのではないか?と発想する気持ちはわかりますが

マシンが人の代わりをできる時代は まだ到来していないのです。

 

よく売れているお店が、

配膳ロボットを使って一度にたくさんのお皿を運ぶような考え方は有効です。

 

 

しかし「1往復しかない作業をマシンに任せちゃう」という行為とは

本質的に違うのです。

 

マシンは何をするためにあるのか?

そこを誤解したら、サービスは崩壊するでしょう。

すでに多くのお店では崩壊しています。

ほんとうにそれが人不足対策なのですか?

 

マシンのすべてが悪いのではありません。

タッチパネルも配膳ロボットも不要物ではないのです。

 

よく考えてうまく使ってほしいのですが、

見当違いなお店が大多数です。

大丈夫でしょうかねえ。危険です。

 

「使う」と「任せる」は大違い

 

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