飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

店長が「緊張」する人材のこと

 

飲食店に限らずグランドオープンするときに、大きなポイントとなることのひとつに、「どんなメンバーを採用するのか」があります。

 

設備や味は数年前からでも、計画することができます。しかもグランドオープン準備期間に完成させることができます。

 

しかし、人材確保は計画通りにはならないし、直前まで定まらない。オープンしても完成しない。しかし他店との格差も出る。

 

言い換えると、「人材確保の質と量によって、グランドオープン準備の価値は決まる。」とも言えます。

 

しかし、応募しやすい環境を作るまでが、主体的な作業で、あとは「出たとこ勝負」でもあります。たくさんの面接ができる環境を作って、面接で「妥協しない」事が必要です。

 

8年前にグランドオープンの面接を開始したときの何人目かの面接で、美しい女性が来ました。姉が3人いる環境で育った私は比較的女性には緊張しませんが、少し緊張したのを覚えています。

 

携帯電話かなにかのキャンペーンガールのアルバイトをしていたようですが、きついらしく、家から近い当店で働きたいとのことでした。

 

当然、採用しました。この人がお店にでると「店長って顔採用か」とか「おい、この店はなんでキレイな娘ばっかりやねん」と言われました。この人以外の人も美人ばかりなのですがが、なんか映え(バエル?)てましたね。応募してくれたことに感謝しました。

 

当時から、アルバイト同士は苗字ではなく下の名前で「〇〇ちゃん」とか呼び合うってました。私も最初は苗字で呼ぶのですが、そのうち「〇〇ちゃん」と下の名前で呼ぶようにしました。

 

私は、元来は店長とアルバイトの関係上、ニックネームや下の名前で呼ぶのは良くないと思うタイプでしたので、抵抗はありました。差別や不公平感につながるからです。

しかしお店の雰囲気をよくするために、ひとりずつ「〇〇ちゃん」と呼べるようになっていきました。お店の雰囲気をよくするために、私が変わるべきだと思ったからです。

 

しかし、この3人目の面接をした彼女だけは最後まで、苗字で「〇〇さん」と呼び続けていたようです。特に理由はありません。下の名前が少し発声しづらい事もありましたが、「〇〇ちゃん」と呼ぶことが、私にとってイメージが合わなかったのでしょう。

 

でも卒業間際になって、彼女に「店長は最後まで私を苗字でしか呼ばなかった」と言われたときは、

 

(あー、ごめんなあ。俺の問題やわ。)と反省しました。不公平ですし、距離を置かれたように感じさせたのかもしれません。かわいそうな事をしました。逆差別だったなあ。

 

ひょっとすると、面接時の緊張が解けてなかったのかもしれません。

 

とにかく、グランドオープン時の採用を成功させるためには、応募数を確保してなるべく沢山の面接することです。将来のお店のイメージは採用したメンバーで決まります。

 

「グランドオープン」というだけで、応募者はたくさんとれます。ちょっと「バブる」のです。

しかし、グランドオープン期間が終われば、面接バブルは終わり、お店のイメージと実力で新しい人材を確保していかないといけません。

ですから、

店長が「緊張」するくらいの人材を確保できれば成功です。

店長が緊張する人材を確保・維持できているなら繁盛間違いなしですね。