飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

最終試験

どうすれば新人が早く育つか?

 

まずは、自分で考えて動ける状態にしなければなりません。

なんにもできない状態から手取り足取りおしえて、自分でうごけるようになれば、あとは考え方とか概念を話していればよくなってくるのです。

 

しかし、なかなか「一人で動ける状態」にならない人がいます。

 

焼酎、サワー、とか言っても結局、お酒とソーダや水をまぜるだけなので、そんなに難しく考える必要はないのに、すんなり作れないとか。

焼肉の注文を受けてきたんだから、まずは焼肉のタレを作ったらよいのに、何していいかわからん感じになるとか・・・

 

いつみても、右往左往しているのです。

 

こういう場合の「荒療治」として、私と1対1の環境の時間帯(スロータイムですが)に数時間働かせてみるのです。

指示をすくなくして、動きを観察しながら料理を作っても間に合う時間帯です。

 

先日も1年生新人のSさんを観察していたら、特長が見えてきました。

 

・始動が遅い

・作業は遅くない

・作業中に何か言われたら止まる

・すぐ他の人に聞くから他人の作業を止める

 

で、自分で考えて動く事ができないので、

Sさんには全て次の作業を指示するようにししたら、結構迅速にこなす事もわかりました。

 

つまり、作業レベルで教える事はもう無くて、メンタル面の自信や自覚の問題だということです。

 

例えば、3人でホールを運営しているときに依頼心が強い状態の人が1人混じると、他の2人に負担がかかって、2人分の生産性さえ発揮できない事になります。

 

ですから、作業はできるのに依頼心の強い人は「1人きり」の時間帯を何度か経験させ、自分自身を見つめなおしてもらいます。

 

そういう時間帯に、しっかり問題点を指摘するのは私の役目です。ですから1対1で働く時間帯は観察の時間でもあり「最終試験」でもあるわけです。

 

最終試験に合格すれば、1人前の戦力とみなされて、普通に働けます。

 

いまのところ、Sさんは「追試状態」です。

 

でもこういう育成期間も1年生のときだけです。2年生になれば後輩が入ってきますので、自然と自分で考えてうごくようになります。人間ってそういうもんですね。

 

「もうすぐ、後輩が入って来るんだから、うろ覚えで右往左往しているわけにはいかんよ。不確かな知識があったら確認しといたら・・・」っていうのが一番効くみたいですね。

 

人間のツボですわ。みんなアホではありません。