飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

スポットワークのリアル

スポットワークとは何なのか?

 

企業側から見れば

原則募集費用ゼロで、履歴書なし、面接無し、手数料を払い、ネットで日程がマッチしたら1回の労働力を確保できるシステムです。面接をしないから人は選べません。

 

スキマバイトを提供する側からの発信では

引き抜きできる、とか

ワーカー評価を公開して、評価の高い人にだけ募集できる、とか

のワードが目立ちますが、

これらは

あたかも「人材が選べる」かのような錯覚を狙ったは発信ですから騙されてはいけません。

また、募集費用ゼロを強調して「費用が安い」と思わせるような表現も目立ちますが、実際の手数料は高いので、これまた錯覚してはいけません。

 

例えば、ウーバーイーツさんを筆頭にデリバリー事業が出てきたとき、コロナ禍だったことも後追いして一気にシェアを伸ばしましたが、

既存の飲食店が営業再開した事と、

配達の手数料(30%以上)が価格にオンされるので価格が高い事で、

もう大幅に需要を伸ばす事はできなくなっています。

 

しかし、

デリバリー事業は地域や客層によっては重宝していますので

決して不必要なサービスではありません。

 

これは、昔の言葉でいう「出前」「宅配」です。

 

出前や宅配といえば 「祭事のお寿司」としてお客さんが来た時に頼んだり、事業所で残業中の人が近所の中華屋とかうどん屋に夜食の出前をたのんだりする文化に支えられて存在したサービスです。昔のお寿司屋さんは「出前や仕出し」が主力の業態でした。

でも出前は出前であって、飲食業全体の主役にはなりません。

デリバリーも、そういった出前文化の「まき直し」に見えてきました。

若い人には新しいサービスに見えますが、年配の人間には「どっかで見たことあるなあ」と思うやり方です。

 

で、私には「スキマバイト」も同じように見えてしまうのです。

「どっかで見たことあるなあ」と思うし、結局割高だし、限られた職種にだけニーズがある。「派遣事業のマイナーチェンジ」かな。

 

必要な文化ではありますが、出前同様、雇用の形態の主役にはならないでしょう。

 

若い人に聞いても、「スキマワーカーに登録してみて1回行ってみたけど、もう行かない」と言っている人が多いのに、

「登録数700万人」とかうたっています。

今月実際に就業した人はそのうち何万人だったのか?は発表されません。

これまた、700万人に募集しているような錯覚を狙っていると思われます。

 

要は、

どうやったら人が雇えるのか? 

どうやったら安定したアルバイトシフトが組めるのか?が

わからないまま起業したり、支店を作ったりした人が多いので、

とりあえず使われています。

 

もし、店長さんが「安定したアルバイトシフトを作りたい」と思っているなら

面接無し、履歴書なし、のシステムは使ってはいけない。 

人材を選んでない段階で、安定したアルバイトシフトを作るための第一段階を踏み外してます。

 

 

スキマバイトはスキマバイトとして、人材の質にこだわらない業務に使ってあげて

質を要する仕事のシフトは常用雇用アルバイトさんでうめるべきでしょうね。

まぎらわしいものや、過去に存在したもののまき直し程度のものには注意しましょうよ。そろそろ。

 

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