新しいビジネスや、仕事ができる人の出現のカタチは2通りあると思います。
ひとつは全く新しい発想を持った人がどんどんまったく新しい事をやってくれるようなパターン。
もうひとつは、既存のシステムをすこし変化させただけのパターンです。実際はこのパターンがほとんどです。
昨日、タイミーさんについて書きましたが、たとえばこの”スキマバイトシステム”は「後者」の代表でしょう。
で、この少しの変化が単なる劣化の場合もあります。これが怖い。
まず、
「究極の人手不足時代」というワードが世の中にまん延している時代ですから、不慣れな経営者には「採用活動はむつかしい」という認識が植え付けられています。
そして、
そんなノウハウの無い経営者に
まず、スキマバイトの「単発アルバイト」の募集をさせて成功させます。この段階で手数料が儲かります。
手数料を安くする方法論として「そのまま引き抜けます」と案内します。
「募集してもぜんぜん来ない」と思っている事業者は「上手い話を聞いた」と思い、
単発アルバイトの人を大切にあつかって、好意を得て引き抜きやすくします。
つまり「単発バイト(手数料)→引き抜き採用」が新しい採用のカタチであるかのような錯覚が起こるのです。
結局「募集→採用」のプロセスを少しいじって複雑にしているだけです。
で、その「いじり」が「手数料収入」となります。
これもビジネスですから、文句は言いませんが、
私は「すくなく募集して確実に採用してなるべく辞めさせない」ようにしていますので、スキマバイトさんを使う予定はありません。必要もない。
最近もタイミーさんの営業と深く話し合いましたが、やっぱりニーズは見出せませんでした。
私にとっては、無用なシステムですから、使わないので手数料は払いませんし、コストも発生しません。
と、思っているのに、
ちまたでは、すごく多くの飲食店企業が使っているとか、大手の銀行がこのビジネスに大量の資金を融資したとか、景気の良い話が入ってきます。
昔から
企業が衰退していく過程には、シンプルな仕事のプロセスや稟議のプロセスを複雑にしてしまう傾向があります。ビジネスの企画と実行の間の階層を増やすのです。
そして、新しい有能な経営者が、すでに悪化してしまった業態を改善するときは、きまって「複雑な物をシンプル」に、しようとします。
その逆は見たことありません。
「シンプルな物を複雑にする」と 利権が生まれて一時的にはビジネスになる。しかし、理にかなっていなかった場合もういちど「複雑なものをシンプルにする」改革がおこらざるを得なくなる。
心配ですねえ。
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