その日、アルバイトのTさんが6時から働いてくれていたのですが、
7時からTさんのご両親がお店に食べに来てくれることになりました。
前から仲の良いご家族だということもわかっていましたし、Tさんのお母さんがママ友に「朱々(当店)はとてもよいアルバイト先だよ。」とほめていただいているという情報も入ってきていました。
「こりゃVIPクラスのお客様だな」
と、気合が入りました。
まず、アルバイトの親御さんであること
そして、近隣にお住まいのオピニオンリーダーであること
さらに、たくさん飲食してくれる人であること、
この3点において、重要なお客様です。
私がTさんご夫婦に対して、特別なサービスを行ったのは次の2点です
まずひとつめは
新商品として導入した一品「試食」として提供しました。
ふたつめは
アルバイトのTさんのまかないをTさんご夫婦のお席で食べれるようにしました。
テーブルは「Tさんのごご家族の食卓」と化しましたが、
サービスは当店でいたしますが、Tさんもお手伝いするので、親戚の家に来たみたいな良い雰囲気になります。
こういうやり方は お客様の満足度向上と従業員の退職予防に対して結構効果があります。
ご家族が飲食店にご来店いただけるだけでも感謝しないといけないレアケースです。
しかも自分の娘が働いている時間にお店に来るのですから、期待は大きいでしょう。
ですから、できるだけその後家族にご満足いただけるように最大の配慮や譲歩をしたらいいと思います。
そんな「ご家庭の食卓」に挨拶に行くと、お互いをリスペクトした会話が多くなります。
「店長、このゆずこしょうおいしいですね」
「はい、それは自家製なんですよ。」
「そうですか、余ったものを持って帰ってもいいですか」
「いくらでもどうぞ。」等
アルバイトである娘さんの目の前でこのような会話がなされていると、
絶対、卒業まで辞めませんわ。
とにかく、家族が御来店とかのスペシャルシチュエーションに対しては、最大限を超える配慮をして損はないです。
勝負どころとも言えます。
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