飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

「くろうと」のやってることはよくわからない(はず)・飲食店長編

前回のブログで、超一流のプロスポーツ(野球)選手の肉体メカニズムの管理の凄さ、緻密さについて書きました。本当にすごいし、尊敬できます。

同じように私もスポーツ(野球)をしますが、そんなふうに体を動かすことなんかできません。同じ野球をしていても、、です。

 

で、気が付いたのですが、

飲食店長でほんとうにプロレベルに達している人の仕事って、普通の人にはまったく理解できないはずです。

 

昨日、とある銀行員さんお話する機会がありました。

私が「私のお店には大学生アルバイトさんが24人在籍しています。」というと銀行員さんはびっくりして「多いですね」という反応でした。

 

ですから、私がは24人は適正である理由を説明しました。

 

「当店は土日の売り上げが高く、昼から営業しているので1日最大6人のアルバイトシフトを使います。1人あたりは3時間程度ですが・・・。

そうすると土日で12シフトが必要です。大学生さんの生活実態から考えて1年間のすべての土日にアルバイトしてもらう事は無理すぎます。

したがって、土日のどちらかで働いてもらうような設計とします。すると土日で12人のアルバイトさんが必要になります。(「のべ」ではなく12人が必要です)

平日は3人いれば問題ないですから、そのメンバーが交代で働いてくれたらよいです。平日のみ働くメンバーは採用しません。

 

となると、12人採用したらいいことになります。では各学年3人でいいのでしょうか?違います。

大学生は4年生の2月ごろにから働かなくなりますし、3年生の終わりくらいからゴールデンウイークくらいまで就職活動になるので稼働しません。つまり毎年2月から5月までは実質2学年で運営することになります。つまり2学年で12人そろえなければなりません。すなわち1学年6人が必要人数です。

6人が4学年ですから全部で24人が必要人数全体です。

ですから当店には24人の大学生アルバイトさんが在籍しています。今年も1年生さんが6人になるまで募集活動を続けます。」

 

 



というと、銀行員さんは納得されました。しかし

「全く正しいですが、おおくの飲食店はそんなに採用していないでしょう」とも言いました。

 

「その通りです」

 

普通は7~8人採用したところで、「もういいかな」と思って採用をやめます。面倒くさいのです。

で、足りなくなって、アルバイトさんを脅したり、懇願したり、タイミーさんに手を出したり、過剰な労働したり、させたりするのです。

(これは当店の考え方です。売上げの傾向が変わって大学生以外の主婦とかを採用するならば、必要数は当然変化しますのでご注意ください)

 

働き方改革とかいいながら、必要数を採用しないため、必ずシフトが不足してしまいます。採用数改革とか募集計画改革をしなければならない」

って思うわ。というと銀行員さんも納得でした。

 

採用計画という観点から見るだけでも、お店はどういうメカニズムで毎日の営業をこなすべきなのか?について普通の感性では誤解されてしまう。

ただ、おいしいだけでは飲食経営のプロではなく、プロの調理人なだけです。

(おいしくなかったらダメですけど)

 

味、サービス、雰囲気などのバランスを現実に即して、緻密にコントロールできる人がプロ店長であり経営者なのだと思います。

 

「飲食」は生活に密着した身近な営みなので、誰でも簡単に飲食店が開けますが、

プロ野球と草野球の違いがあるように、経営能力が無い人が開店してもすぐにつぶれてしまいます。

 

玄人(くろうと)の飲食経営者がやっていることは、普通の人には理解できても、すぐにはまねできません。プロスポーツの選手のまねができないのと同じだと思います。

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