飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

データと感性の融合

長く営業しているとメニューが増えてしまいます。

老舗の町中華のお店なんかは、びっくりするぐらいメニューが多いお店があります。厨房で働くおやっさんはレシピなんか見てないし、レシピそのものが無いのかもしれません。

それでも一定の味を保ち、つねに「再現」できています。

同じものを何回も作っていると、「指先」や「目」がその作業を覚え込んでしまいます。もうマニュアルは内面に蓄積された状態です。

 

そうなるとその日の気温や水温の違いで火加減を変えたり、調理時間を変えたりできるようになります。場合によっては途中で火を止めて電話に出て、また火をつけて同じ味のものをつくったりもできるようになります。(モノによりますが)

で、「大丈夫かな」と思えば味見して確認します。

 

オーダーが分刻みで入ってきている時に、いちいちレシピをみなおしたり、全部の調味料を計ったりしていたら、「遅い」だけでなく味までおかしくなります。

 

名人とまで言わなくてもプロってそんなもんだ、と思っていました。

 

そして、どんな世界でもそうなんだな、と思わせる記事に出会いました。

 

タイガースの岡田監督が

バッターの技術について話されている記事です

曰く

 

「今は同じような変化球にしても名前が多すぎるやろ。カットボールだとかスライダーだとか。そんなん選手が考えすぎやと思うんよ。それよりも大切なのは感性やんか。もっとシンプルに考えればええんよ」  現役通算で1520安打をマークした岡田監督の打撃哲学は単純明快で「速い球がストレート、それより遅い球が変化球。打てない変化球には最初から手を出さない」ことだという。

 

news.yahoo.co.

 

確かにおっしゃる通りですね。

いろいろ分析することもできるが、実際バッターボックスに立ってコンマ何秒の世界でその分析を役立てる事ができるのか?必要なのか?

期待されたシーズンの前に アメリカへ行って動作解析して、いろんな理論を身に着けて帰ってきたのに、全然打てないバッター、全然勝てないピッチャーを見ると、私は「かわいそうだなあ」と思ってしまう。

プロのプレーヤーのくせに、机上の論理(空論とはいいませんが)にとらわれて、評価を落とし、収入を減らすのです。残念です。

 

身近に経験豊かな指導者がいるのに、なぜ教えを請わないのか?

私も若いころはとがっていましたから、気持ちはわかります。「年寄りのおっさんたちは古臭い論理を言ってくる」と思っていました。たしかにほとんどは変なおっさんばっかりでしたが・・・。

 

私がひとりの納得できる人(=師匠)に出あってから人生が変わりました。

その師匠に出会ってから、考え方がシンプルになりました。

比較的若い頃(20台)に出会っていたことはとても幸運でした。

 

おもしろいことに、その結果としてデータが有効に使えるようになり、仕事は緻密になったのです。ですからデータ不要論を説いているのではありません。

 

 

「データ上の数値はあくまで人間が活用するための指標にすぎない。グラウンド上で戦うのは、あくまでも生身の肉体と、その人だけの感性だ。」

 

という文章は正しいと思います。若い人にこういうことを早くわかってもらいたいなあと思います。

自身の成長がないままデータを詰め込んでも、結果は悪化するだけです。これはどの世界でも同じです。

 

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