飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

希望スケジュールでシフトを組むときの注意点

8月末から9月初旬はアルバイトさんの帰省や旅行が多くて、スケジュールがタイトになっています。下宿ではなく地元在住のアルバイトさんに連日働いてもらっています。

 

3日連続で働いてくれているSさんに「ごめんねえ、毎日たいへんやなあ」と言ったら、「そんなことないです。お金がたまって嬉しいんです」って返事でした。

 

聞けば、年内にとある有名アーチストのコンサートに行く計画があるそうで、チケット代・交通費(新幹線利用)・宿泊費・自分の服代などを貯めているとのことでした。

 

おとなしくて、賢いSさんはそういうことにお金を使う人なのか、と納得しました。日頃のコミュニケーションで情報を得ることはとても重要です。

 

もうひとつ、気を付けないといけない事は、

連続で働いてくれることはありがたいことではあるが、そのことについて経営者が「罪悪感」を感じる必要は無いということ。

 

Sさんが希望した日に働いてもらっているのだから、Sさんは喜んでいるのです。彼女は「働いてやってる」とは微塵も思っていません。

 

ですから、経営者は希望日に働かせることができない事に罪悪感を感じるべきです。

 

自分の予定を吟味して働ける日を申告してくるSさんの期待に応える最大の方法は、全部の希望スケジュールを受けいれてあげる事です。

しかし、売上げや他の人との兼ね合いもあるので全部は無理です。だからといって謝る必要はないですが、「すまんなあ」というか感覚はもっていてもいいでしょう。こういう当たり前の感覚が失われてしまっている職場は結構多いです。

 

「使えなくてスミマセン」「使ってくれてありがとう」が正しい関係です。この関係を維持しつづけなければなりません。

 

「希望日を無視して働かせてスミマセン」「予定のある日にスケジュール入れられてもこまります」は良くない。

 

「従業員に希望日なんか聞かないよ。言われた日に働け」「聞いてくれないと辞めますよ」は最悪。

 

正しい関係を維持することによって、職場の雰囲気は正常を保ちますし、皆がWIN-WINになるには売上げが伸びる必要がある事に気が付くのです。

 

異常な職場は この逆で、イヤイヤ働かされているので お客さんなんか来ない方が良い、ということになり、さらに状況は悪化していきます。

 

 

 

「定説」を疑う

商売上で有効とおもわれるような施策は「少数意見」のほうが好ましいのかも、とさえ思う、、、、。

 

飲食店はたくさんのお店が毎年グランドオープンするのですが、3年以内に70%が閉店してしまうと言われています。

 

だったら、みんなが賛成する意見の逆を選択するほうが正解なんじゃないか!とさえ思うのです。

 

「値上げをしたらお客さんは来なくなる」は常識のようです。ある意味正しいのですが、長期的にはどうでしょうか。

利益率が下がっても、お客様が増えれば利益は出るんでしょうが、そんなに簡単な事では無い。

 

「味やサービスレベルが同じなら安い方の店に行く」これも常識のように語られています。

はたしてそんな店ってあるのでしょうか。2つのお店で味とサービスが同じってことあるのでしょうか。チェーン店でさえすこしはちがうのではないでしょうか。

 

 

「飲食業は慢性的な人材不足で長時間残業」は前提として語られています。

本当に、すべてのお店がそうなんでしょうか。少なくとも私のお店はそうではありません。私が知っているお店の多くは、こんなひどいことにはなっていません。そもそも飲食店では何百万人の人が働いています。「慢性的」という言葉によって、「全てのお店が必然的に」という印象を植え付けるのは、言葉のマジックです。

 

 

特に個人店は世間で「ほぼ常識」と思われている事を 疑い・否定できないか考察する事が成功への第1歩ではないかと思います。だって半数以上の飲食店が開業して数年で閉店するのですから、「過半数の賛成意見を得る説」が間違っているんじゃないですか。

 

 

とにかく、自分のお店、その周辺のマーケット、従業員の傾向に合わせた営業方針を持自分で考案して実践してください。

 

そして、自分で成功しているお店に足を運び、観察し、なぜ成功しているのかを考えて、そのままマネができないか吟味してください。そのままマネができないなら、さらに深く分析して、自分のお店で同じ効果を出す施策をあみ出してください。

 

それしか成功の方法は無い。

店長がしっかりしていなければ数年でお店は消える。

 

すぐれたチェーンビジネスは店長の自立を妨げている傾向にある。

 

チェーンだから、常に大きな変革や投資が必要になるが、店長が細かくUP DATE したほうがより安定する。

 

しかし、往々にして、大変革は「新しいビジネス」として評価される。

 

しかし、店長の細かなアクションはローカルマターとしか見られてない。

 

だか、店長が理解して現場合わせしないと、いかなる投資も成功しない。

 

触れ込みほどの効果も出ない。

 

無意味な投資は止めればいいのだが、店長が育ってないので、それも無理。

 

 

 

そういう深みにはまっているのがこの業界です。

 

そろそろ、個人店の頑張りに学んでほしいです。

少数意見万歳

 



 

 

 

 

 

 

チャンスの無い回転すしはおもろない

お昼の12時過ぎに「回転すし」のカッパ寿司さんに行きました。

 

お寿司が廻っていません。

 

平日でしたが、それなりにお客様は入っていました。すしが廻っていないので、すべてタッチパネルからの注文です。

 

ですから、正確に言うと「自由にとれるお寿司」が廻っていません。

 

新鮮なネタが食べられるといえばそうですが、遅い、しんきくさい、そしてなによりも

「楽しくない」

 

 

回転すしはラインに「すぐに食べられるお寿司」が廻っていることが、楽しさ・魅力の原点だと実感しました。普段食べたことのない種類のお寿司も目の前にくるので、「どんな味がするのだろうか」と思って手に取ってしまう嬉しさもあります。

 

昨今は寿司のクオリティや廃棄量の問題からか、タッチパネルでの注文が増えてきました。タッチパネルにしたほうが、便利で安全なのはわかります。結局タッチパネルでも回転でも同じぐらいの時間でお客様にお寿司がサーブされるようなデータもあるのでしょう。

 

でも、「データがすべて」ではないのです。

 

人が注文したお寿司を眺めていてもときめかない。

 

この、カッパ寿司さんは「特急ライン」もないので、ひたすら私たちの前を「注文済のすし」が通り過ぎていきますが、それは他人のものなので、取ることができないのです。寿司を取るチャンスが無い。

 

「楽しくない」

 

昼下がりの3時ごろにお寿司が廻ってないのは許します。1~2組しかお客様がいないのに廻すわけにはいかないでしょう。

 

私も飲食店長ですから、いろんな事情があることは予測できるし、納得できる。

 

でも、自分たちの最大の特徴を否定し、「最近はこんなもんです」とあきらめさせたり、ほかの理由でごまかしたりしていては、本末転倒になって最終的に売り上げは失われ、回復しなくなってしまうでしょう。

 

もともと回転すしスタイルにする事によってきめの細かいサービスを捨てたのに、さらに付加価値も減らして、、、、それがイノベーションですか?

 

 

飲食店は楽しく食事できる場所であることで売上げを増大できる

 

味がよければ、それだけでどんどん売れるって言うほど甘いもんじゃないと思う。

 

 

 

12時台は廻してほしいなあ。だって「回転すし」っていうネーミングやんか

 

 

 

メルマガ登録のときの「誕生日」っていつでもええんちゃうか

当店のメルマガには「誕生日プレゼント」があります。

 

ハガキでスペシャルコース1人前無料(ご注文は2人前から)が送付されます。

 

なかなか好評です。

 

昨日も親子づれのような方が2人でこのハガキをご利用されました。息子さんとお母さんだと思います。

 

お食事が終わったころに、

 

息子さんが「母がメルマガ会員になりたいと言っているのですが、スマホをもってきていないのです」と言ってきました。

 

私は、「あなた(息子さん)に毎週メルマガが配信されているでしょう。そこに会員登録用のURLが搭載されていますので、そのメールをお母様に転送すればいいですよ」って教えてあげました。

 

息子さんは「あっそうですね」と言って納得したあと「でも・・母親は誕生日が8月なんですよ」って言ってきました。

 

私は「じゃあ、10月が誕生日ってことにしたらいいじゃないですか。住民票を調べる訳ではないのですよ」と言いました。

 

横でアルバイトのHさんが笑いながら言いました

 

「店長がそんなこといいますかあ」って。

 

誕生日って1年に1回しかこないのですから、こういうメルマガ登録に関しては、いつでもいいんじゃないかな。たくさんのお店にメルマガ登録して、全部誕生日プレゼントが同じ月にきたら、大変でしょ。

 

鍋のお店だったら冬に設定したほうがいいし、登録した日に近い方が盛り上がるしね。

 

罪のない不正行為というのか・・不正でもないのですが、、、要領をきかせるってことですね。それで皆さんが少し幸福になるならそれも良しです。

 

その日の夜10時ごろに、年配の女性のメルマガ登録がされました。「外部登録」用のシステムだったので、このお母さんだと思います。

 

息子さんの誕生日カードは8月末が締め切りでした。昨日が最終日だったんですね。

 

誕生日カードを使いたくて、お母様を誘って食べに来て、そのお母さんがお店を気に入って、ご自分も登録され、10月の誕生日カードを楽しみにしてくれているって、素晴らしい事だと思います。

 

やりがいが増します。

 

メルマガ登録アドレス

https://w.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=shushunigawa&task=regist

 

 

 

「しんどい人材」もいますよね。

「腹も立たんようになる」という言い回しがあります。

 

最近そういう気持ちになりました。

 

 

アルバイトさんが大学1年生の頃は、あれこれ教えても、間違ったり忘れたりします。それが2年生になって後輩が入って来る頃になれば、しっかりしてきて頼れる存在になってきます。

 

でも、「育成」とか「成長」とかの範疇では成長している人であっても、「うっかりしている」とか「ボケてる」「軽率である」という側面はあります。

 

この、「うっかり・ボケてる・軽率」は治らないのではないかと思わせる人がいます。

 

最近の経験を書きます。

 

その時は、1人しかホール係がいない時間で、お客様も1組だけで、お会計時にポイントを使うので少し割引きをする事になっているケースです。

 

ホールのアルバイトさんから「このお客様はポイント利用ですね、伝票にかいておきます」と言ってきたので、任せていたのですが・・・結果として

 

「・・・割引し忘れました」と言われました。

 

 

この人は、「今日は忙しいから商品を違うテーブルにサーブする間違いだけはするなよ」と言えば、この人だけ間違うような人です。

 

それも、忙しい時間帯が過ぎて落ち着いた感じになってから失敗するのです。この人は1年生ではありません。

 

 

割引し忘れたポイントはお客様に差し戻す事もできますから、最悪の事態は避ける事もできます。

 

私はこの人のこういう失敗に対して、腹も立たなくなってきました。おかしくなってきています。

 

真面目にやっているのですが、集中力がないのか、アホなのか、わかりませんが「やらかす人」です。

忙しい時もやらかしますし、ヒマなときにもやらかします。

信頼感が増してきて「最近しっかりしてきたかな」と思ったころに「やらかしてくれます」

 

愛すべき人なのかもしれません。

 

しかし、この人に新人育成を頼む事はできません。主力として使う事はできません。

 

要は、使い方ですね。ここまでくるとね。 店長自身の内面の成長を促進するような人ですね。

 

「しんどい人材」ですが、10人に1人くらいの確立で必ず存在するタイプだと思います。こういう人を退職に追い込まずに、使う努力をするとスタッフは充実します。

 

きれいごとではなく「あきらめながら使う」っていうんでしょうか

 

忍耐ですわ。

 

 

都道府県最低時給が上がります。

 

10月からいろんなものが値上がりします。

 

生ビールの卸売価格が上がる事は半年前から告知されています。

兵庫県の最低時給が928円から960円に引き上げられます。

お肉はすでに何度も値上げされています。

 

では、店舗メニューを値上げするかしないか、

 

これについては2つの考え方があります。

 

ひとつは利益の確保の観点・これは簡単な理論です。

 

もうひとつは供給確保の観点です。

 

 

現在の世の中において、大切なのは「供給量の確保」です。でもこれは意識されていない事が多い。

 

お肉で言えば、はらみ、とか、タンは市場にでている商品が少なく、問屋さんが仕入れる事が出来なくなっているのです。

 

ですから仕入れ値が上がってしまうわけです。こういうメニューに対して「値上げしたら売れなくなってしまう」という意識で価格を据え置きした場合、需要が減らないし、もしかすると増えるかもしれない。

 

店舗は需要が増えても仕入れを増やす事ができないので、破綻します。

 

ですから、需要をすこしコントロールする事が必要なのです。

 

需要をコントロールするためには 「1日〇食限定」とする方法もありますが、価格を上げて、需要量を下げる方法もあります。

 

今回のように全国的に供給不足に陥っている場合は、残念ながら価格に反映させるしかないと思います。「品薄」が「欠品」にならないための措置です。この方法は誰も儲かっていません。お客様も問屋さんも飲食店もすこしずつ残念な形になります。

 

大幅に値上がりするアイテムを値上げしないために、他の物を値上げする方法は良くないと思います。

 

しかし、燃料コストや、最低時給など原材料に関係のない部分のコスト圧迫は、原材料が値上がりしていないアイテムを店舗で選んで「薄く広く」吸収しておけばいいでしょう。

 

「値上げの秋」は辛い事です。こういうことを考えるのはつまらないし、つらいですね。

 

値段が安くてもお客様が満足してくれて、よく売れる商品が開発できれば、一気に解決しますが、そういう「ホームラン」を狙ってばっかりも良くない。

 

やっぱり、よりよい品質のメニューや商品の開発をしていく事がより「win-win」になれるキモであるとも思いますが、毎日の節約をしながら、元も子もないような事態にならないように、値上げする勇気も必要ですね。

 

あー、つらい。

 



お盆がおわれば、年末年始対策が始まるのです。

感染症の第7波がきているのですが、行動制限なしの夏休みとなったため、陽性者や濃厚接触者が多く発生し、いろいろな事業所において、アルバイトさん等が突然キャンセルになるケースが増えています。

 

私のお店でも8月中に何回か、経験しました。

 

たしかに、大変な事ではあります。

 

でもこういう現象を「深刻な人手不足」と表現してよいものでしょうか?

 

こういうことは予測可能ですし、それなりに、いつでもある事です。

8月ともなれば帰省する人も多くて、お客様も従業員も生活パターンが変わりますので、いつもの感じではスケジュールが埋まらないのでしょう。

 

私のお店も、8月の帰省者が多く、ほぼ半数の従業員が稼働しなくなりました。もつ鍋屋さんなので暑い時期は大きな売上げは期待できないのですが、半分にはなりませんので、それなりにシフトはひっ迫してきます。

 

それをどうするか、その時期に病気が流行ったらどうするのか・・・・これが飲食店長の仕事であり「腕の見せ所」です。

 

まずは、臨時休業日や営業時間の短縮などをせずに予定通りに営業できる体制を実現する事が、一番の仕事であり、「成果」です。

 

その上で、店舗サービスのレベルアップをはかって、売上げが伸びれば最高ですね。

 

 

マスコミや飲食無関係者による「深刻な人手不足」報道は、世間や政権への不安・不満を煽るためのものです。私に言わせれば「フェイクニュース」。

 

(人手不足で定休日を増やしたチェーン店はあるのでしょうか・・・。)

 

賢明な飲食店長はこういう報道には騙されずに、自分のお店をよく分析・把握して、

今からは年末年始のスタッフィングをどういうふうに揃えていくのかを考えて実行しましょう。今からはじめれば、絶対に間に合います。

 

そこに向けて作戦実行していけば9月から11月もうまくいくでしょう。