飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

成功する募集と採用の秘訣

 

 

募集と採用(人集め)を成功させるとはどういうことなのか?

集めれば良いというものではなくて、

集まった従業員がチカラを発揮してくれることなんだと思います。

そのために経営者は何をどう考えて行動するのか?こんな事を考えさせられる事がありました。

 

実家の近所にローソンさんが2件あります。ここ1年前くらいから外国人採用に取り組んでおられます。ほとんどの時間帯で外国の人が働いておられるようです。

 

ちなみに、近くのセブンイレブンさんやファミリーマートさんには外国人従業員は見当たりません。

外国人の方は言語がうまく通じないときがありますのですこしストレスではありますが、皆さん一生懸命働いておられましたので問題はないなあ、と思っていました。

ローソンさんはチェーン全体として外国人アルバイトの採用や育成に力を入れていて、都心では成果になっているので、郊外のお店でもチャレンジしているのかな、とも見えました。

 

で、ここ数日、何度か夜の12時前後にローソンさんを利用したとことろ、そのローソンの外国人従業員さんのパフォーマンスにおおきな変化がありました。劣化です。

入店したらカウンター内でスピーカーフォンの状態で大声でだれかと通話していました。なかなかカウンターに来てくれません。

別の日に、もうひとつのローソンさんに行ったときも名札もなくシャツのボタンを2つ外した外国人従業員さんが「ハイハイハイ」と言いながら現れてレジをしてくれました。

その後も何度か行きましたが、同じような光景に出くわしました。ここまで従業員のパフォーマンスが劣化したコンビニにはなかなか出くわしません。

 

同じお店でアルバイトしている知人に聞いたら、やっぱりお客様からのクレームが激増しているそうです。

 

1年前に比べて、何があったのかはわかりませんが、セブンイレブンさんやファミリーマートさんではこういった光景はなかったので、この採用改革は失敗に向かっているのだと理解しました。

 

「これまでのやり方ではもう無理なのだ」と規定して、

あたらしいやり方に取り組む事は、一般的には「改革」ととらえられ「良い事」とされています。

 

但し、「もう無理なのだ」という仮定が、どれぐらい吟味されているかによって、

積極的な改革なのか・現場の分析不足なのか・現実逃避なのかに分類されます。

 

今回のケースにおいては他のコンビニさんではできている事を否定して、違ったやり方に挑戦した理由は何だったのかが気になります。分析不足だったのでしょう。

 

現時点ではお店のパフォーマンスは他のコンビニさんより悪いので、間違った変化を企てた=改悪に見えます。

 

全国的な傾向やチェーン本社の方針・マクロな論理を重要視するが上に、

自分の商圏の状況や、自分のお店や競合店の特性に照らし合わせて考える事を怠けてしまった実例に見えました。

 

人集めに成功しても、クレームが増えたり、売上げが低下したりしたら本来の目的は達成されません。残念ですが失敗です。

集め方を間違ったのか、育て方を間違ったのか…よくわかりません。

これから先、この失敗をどうやって排除して、元の状態に戻していくのか・・

何倍もの時間が必要になるでしょう。

勝手に分析して、いらんお世話じゃ、と言われそうですが書いておきます。

 

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コピーの問題: ビジネスと批判のはざまで考える

 

数日前に「バイトが飛んだら〇〇ミー」の宣伝画像についていろいろ考察したブログをあげました。

それでビジネスを成り立てている人もいるのですから、批判はしたくないのですが、サービスを購入する側の見方として、私の意見を述べています。

 

「こんなこと感じるのって、俺だけかなあ?」と不安に思っていました。

 

その後もこの「バイトが飛んだら・・・」シリーズの宣伝画像の露出は増える一方です。スマートニュースやフェイスブックを読んでいたら、何回も出てきます。

 

フェイスブックで出てくる画像には、いいね!とかコメントとかが出来ます。

 

これまでは、〇〇ミーさんの画像には、いいね!がたくさんついてますし、肯定的なコメントばかりでした。しかし、この「バイトが飛んだら・・・」シリーズについては否定的なコメントが目につきます。

 

「こんなうれしそうにバイトは飛びます!!って、イメージ戦略なら〇〇ミークソだよね・・」とか

「なんちゅうコピーだ」とか

「バイト!て言い方が、見下した感ありあり 」とか

「バイト様に失礼なコピーで社風が知れる」とか

「即戦力なんていないね」とか

「〇〇ミー大丈夫?」

 

結構辛辣なコメントが 実名入りで並んでいます。

「やっぱりみんな同じことを感じるんだ」と、すこしホッとしてしまいました。

 

コピーが良くないのであって、ビジネスを必要としている人はいるのですから

攻めまくるのも良くないと思いますが、〇〇ミーさんも敏感に対応したほうがいいんじゃないでしょうか?

それとも「悪名は無名に勝る」

という方針で、このままバズらせていくのでしょうか。

 

注目したいと思います。

 

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価格破壊の真相:牛たんメニューの値下げ理由

価格破壊って言葉がありますが、最近、2品目について大きな値下げをしてみました。

「すじコン・肉ポン」290円です。

新しく「牛たんローストビーフ風」も出しましたがこれは 500円です。

メニュー全体のバランスからみても「お安いメニュー」です。感覚的には、普通に売っているお店の半値くらいの感じです。

 

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、この3品すべて「牛タンに関連するもの」です。牛タンなど食材関係は現在どんどん値上げされていますので、「値下げ」はておかしな行動です。ましてや価格破壊的な値下げはしてはいけないはずです。

 

しかし、このアイテムに関しては、ちゃんとした理由があります。

 

牛たんは当店の人気メニューで、スライスした上タン・並タンなどはとてもよく売れます。

牛の舌を1本仕入れると、通常スライスして焼肉として売る部分と、舌の裏側のスジの部分を切り分けなくてはいけません。したがって裏側のスジの多い部分はどんどん溜まっていきます。

基本的にスライスした牛たんの売上げでタンの仕入れ費用はまかなっていますので、スジはおまけのようなものですが、牛たんがよく売れるので冷凍庫にどんどん溜まっていきます。ですから早めに売らないと、保管場所に支障がでます。

したがってなるべく安くして売るのです。

 

でも、最初に290円という値付けをするのは度胸が必要でした。「こんな値段でだしていいのかな」と気後れしてしまうので。

もっと、気落ちするのは、最初はなかなか売れないことです。

安くしたからってすぐに売れるわけではないのです。お客様の多くはリピーターなので、メニューをしっかり見ない人も多いのです。

だからといってホール女子が「やっすいですよ」とお勧めするのもイヤなんです。新発売のものでもないしから恥ずかしいって思ってしまうのです。

 

だから、お客様に地力で気づいてほしいのです。

 

なんか、思春期のややこしいこどもみたいな複雑な心境になってしまっていました。

 

そんなことしているうちに、ある日「すじこん」がどんどん出始めました。お代わりもでました。

私はお客様のもとにいって「すじコン、どうでした?」とお話をしにいって、どういう事情でこの価格なのかを説明しました。

こうやって、ヒットメニューを育てていきたいなあ、と思っています。

 

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リクルート戦略:「待てる体制」の重要性

昨日、お客様との会話でスタッフィングについて、新しい発見がありました。

新しい発見というか、私とお客様の認識の違いを表現できた、ということです。

 

そのお客様はバーを経営されている人で、「アルバイトのリクルートはどうしてますか?」という話題になりました。

 

当店は、無料サイトのエアワークのQRをプリントした募集ポスターを店頭に貼り付けているだけで、昨年11月から今年の夏までポスターの色や位置を変えたりしながらひたすら応募を待っています。

 

9月ぐらいまでに4~5人採用できれば成功です。もし来なければ有料のタウンワークへの掲載を考えていますが、過去に有料の媒体を使わなければならなくなったことはありません。採用はほぼ大学1年生に限られ、基本的に4年まで働いてもらいます。

タウンワークさん等の媒体は凄く高いので使いずらいということは、そのお客様とも合意しました。

 

そのお客様のが言うには、「足りなさ過ぎて待てない」ということです。学生の立場にたてば、ゴールデンウイーク明けや夏休み明けのほうが採用のチャンスがある事が理解できますが、「それまで待てない」状態なのです。

「待てない」が高額なリクルート媒体を使う理由です。タイミーさんを使う理由もおなじでしょう。

 

したがって、継続的にリクルートを成功させて、安定させるためには、「待てる体制」を作る事がポイントです。

 

私のお店は2年生から4年生のメンバーがいれば秋口までは安定したシフトが維持できます。もともと就職活動の影響なども加味していますので、多少のトラブルにも対応できます。

 

約10カ月で4~5人採用が目標ですから、なんとかなりそうな気がしますし、時間をかけて丁寧に友人紹介の依頼などもできます。

 

ですから、カフェの経営者の人にオススメしたのは、採用活動するのだったら、その投資をもうすこし続行して「待てる体制」ができるまで採用活動をやり続けることです。その時は余計にお金がかかりますが、長い目で見たら絶対に経費は下がります。

 

不足が出るからリクルートするとか

不足が出たからリクルートする、のではなく

 

待てる体制を維持して、不足が出る事を予測し不足が出る前にに育成を完了させるためにリクルートするのです。

 

「待てる体制」を作るために募集・採用・育成をしましょう。結局それが一番オトクです。待てる体制がないとカスを掴む危険性が高まりますから。

 

鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス

 

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友人の来店

2年前に卒業した、Aさんが最近結婚したらしくご主人とお父さんの3人でご来店されました。大阪市内に住んでいたのですが、新居は甲子園近辺のようです。

Aさんは、愛知県出身です。落ち着いていてかわいいので、みんなが「お嫁さんにしたい」と思う人です。結婚してしあわせそうだったので安心しました。

 

なんでお父さんがついてきたのか?はよくわかりませんが、(笑)お父さんも楽しそうにお酒を飲んで話をしていました。新しい出発っていいもんですね。

 

「これからも、どんどん来てくれよ」って言いました。近いのでまた来てくれそうです。子供さんとか連れて来てくれるようになったらいいなあ、と思います。

 

さらに、来週の日曜に昨年卒業したTさんが5人で来店される予約を入れてくれました。

 

そのほかサラリーマン時代の友人のKさんが予約を入れてくれました。お店では初めて会うことになります。楽しみです。

 

昔の友人や従業員が予約してきてくれるのは、何よりうれしいですね。

 

お店をやりながら、自分が何を考えているのか、それを友人からみてどう見えるのか?‥そんな話はできたらいいですね。新メニューなんかも試してほしい。

 

しかし、場合によっては、めちゃめちゃ忙しくなってお話もできないまま「またね~」ってなる事も多いのです。

 

繁盛しているお店を見せたい気持ちもありますが、ヒマな状態でないとゆっくり話ができないし、矛盾した気持ちになっています。

 

やっぱりあくまでも、「美味しくて楽しい食事をしてもらう事が大切だ、それ以外の事はあくまでも付加価値にすぎない」、という考えになったほうがいいですね。

 

友人の来店って嬉しいもんですから、ついつい舞い上がってしまうのです。気をつけないといけません。

内容と関係ないけど、新メニューです

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業界の倫理とは?スキマバイトの広告

昨日、タイミーさんの「バイトが飛んだらタイミー!」という広告に対して、思うところを書いたところ、いろんな方から良い反響をいただきました。

もうすこし、突っ込んで書きます。

 

「バイトが飛ぶ」なんちゅう表現は隠語というよりも、業界的にはNGワードだそうです。リスペクトが無いですものね。

飛ぶ側からしたら飛んだ職場へのリスペクトなんかないでしょうから、このワードを使う気持ちもわかるけど、それ以外の人が使うのは違和感があります。

motsunabeyakiniku.hatenablog.com

私が「こりゃひどい広告だなあ」

と最初に思ったのはこれです。👇1年以上前だと思います。

思わず目を疑いました。社員や従業員が休むたびにこんなふうにヒステリックになる上司って最低ですから・・・。そんなヤツのイメージを映像化している意図がわかりませんでした。

 

その後こんな画像に切り替わりました。

すこしは、働く人や店舗をリスペクトするようになったのかな、と思いました。飲食店店長の映像になった事が気になりましたが・・・。

 

いろいろ類似の「疑問広告」がでるなか、一番意味がわからなかったのはこの広告です

👇

スキマバイトさんは時給が35%以上割り増し(手数料として)になるのに「人件費が削減できる」と言い切る根拠がわかりませんでした。

縁あってタイミーさんの営業の人に質問できる機会があって、聞いたところ「人手不足すぎて社員の残業が多すぎる状態のところだったらタイミー活用で人件費が下がる」というご説明でした。

「軽いイカサマだな」と思いました。このあたりから、この企業の「良心」はどこにあるのかな?と思いはじめました。

 

それからは「当日欠勤」の打開策としてスキマバイトを売り込もうとする広告が目立ち始めました。いっとき「引き抜きできる」がキーワードだったようですが、最近はあまり訴求しなくなった気がします。

 

「引き抜きできます」から「当日キャンセル対策」にシフトしたのかもしれません。

 

それでも最初は職場に対するリスペクトがすこしは感じられれるものでしたが・・・

 

 

 

で、昨日あたりから新しい「当日キャンセル対策」の訴求広告が出回っています。

それが「バイトが飛んだら」シリーズです。👇

 


「バイトが飛ぶ」を 空中に跳ぶ映像とひっかけてちゃかしています。

醜悪ですね

こうやって変遷を見ていると、やっぱりやばいですね。

モラルの低い広告戦略としか言いようがありません。

 

レアケースでしかない人件費削減を、周知の事実のように訴求したり、

欠勤を申請してきた人に「代わりを探せ」と言ってる画像をだしたり

隠語(バイトが飛ぶ)を公開したり・・ちゃかしたり・・・

 

法律的に大丈夫なのか?不当労働行為の助長じゃないか?

業界の良識は守られているのか?こんなことちゃかしていいのか?

と心配にさえなります。

 

モラルの低い広告戦略って麻薬のようなもので、いっとき人気が出て成功します。だって他社はやらないから(良識のある会社は手を出さない)目立つんです。

 

常識を超える事は良い事かもしれませんがが、常識を逸脱している事に気が付かないのはいずれ致命傷になるかもしれません。

 

募集業界とか同業他社・官庁の人は規制したり問題視したりしないのでしょうか

もうそういう段階だと思います。

 

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隠語の危険性「バイトが飛ぶ」

「バイトが飛ぶ」という表現があります。

 

「アルバイトさんが無断で仕事に来ないで、そのまま辞めてしまう」ときに使われます。バイトをする側も「飛んでやった」という感じで使いますし、バイトを雇う側では「飛ばれた」「飛びやがった」と使います。同意語は「ばっくれる」になるそうです。

 

「飛ぶ」も「ばっくれる」も好きではない表現なので、私は使ったことがありません。

 

私のお店は9年目になりますが「飛ばれた」事はありません。

 

無断欠勤、無断退職を表す「スラング」「隠語」のようなものだと感じています。隠語とは「特定の仲間、階層の間だけで通じるように仕立てた言葉」です。

バイトが飛ぶ理由ではありませんが、辞めたくなる理由のトップは「人間関係」だ、との調査データがあります。

「人間関係が悪いから辞めたい」とはいいにくいでしょうから、ついつい無断キャンセルから退職してしまうって流れも理解できます。

仮に「うっかり」無断キャンセルしてしまったとき・・・辞めたくないバイトだったら必死にあやまるでしょう。でも人間関係の悪いバイトだったら「もういいや」と思ってそのまま飛びます。

 

バイトが飛ぶ原因は「休みたい」とか「辞めたいとか」言っても、正常に扱ってもらえない、とか、イヤな思いをするかもしれない、とかの悪い雰囲気があることでしょう。逆に、採用したアルバイトさん自身の問題に気が付かなかったということもある思われます。

 

つまり職場か採用基準に問題があるのです。

経営者にとって、愉快な話ではありません。

 

しかしスキマバイトさんの広告は、とても愉快に「バイトが飛んだら・・」とうたっています。




 

「ちょっとひどいなあ」と思いました。

 

当日無断欠勤したアルバイトさんの気持ちや環境を考え直す事が大切なのに・・・笑い飛ばしたり、「みんなそうだから」、みたいな方向性に思考をもっていくのは危険です。笑いに変えず原因と対策を考えるべきなのに、「スキマバイトで埋めればいいじゃないか」と思い込むのは危険すぎる。

 

そもそも、当日欠勤の穴は「面接無し」のスキマバイトでは埋まらないでしょう。「面接無し」のメンバーで埋まるなら、補充する必要が本当にあるのか?も考えたほうがいいでしょうね。

 

こうやって考えていくと、この広告は

隠語を使うことによって「飛ばれた店長」の親近感を獲得して、根本原因への取り組みから目を背けさせようとしている。としか思えません。

 

店長がアルバイトに「飛ばれた事」を笑い飛ばしたり、不可抗力と考えてしまったら、お店は破滅します。間違いないです。危ないですから気を付けてください。

 

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