価格破壊って言葉がありますが、最近、2品目について大きな値下げをしてみました。
「すじコン・肉ポン」290円です。
新しく「牛たんローストビーフ風」も出しましたがこれは 500円です。
メニュー全体のバランスからみても「お安いメニュー」です。感覚的には、普通に売っているお店の半値くらいの感じです。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、この3品すべて「牛タンに関連するもの」です。牛タンなど食材関係は現在どんどん値上げされていますので、「値下げ」はておかしな行動です。ましてや価格破壊的な値下げはしてはいけないはずです。
しかし、このアイテムに関しては、ちゃんとした理由があります。
牛たんは当店の人気メニューで、スライスした上タン・並タンなどはとてもよく売れます。
牛の舌を1本仕入れると、通常スライスして焼肉として売る部分と、舌の裏側のスジの部分を切り分けなくてはいけません。したがって裏側のスジの多い部分はどんどん溜まっていきます。
基本的にスライスした牛たんの売上げでタンの仕入れ費用はまかなっていますので、スジはおまけのようなものですが、牛たんがよく売れるので冷凍庫にどんどん溜まっていきます。ですから早めに売らないと、保管場所に支障がでます。
したがってなるべく安くして売るのです。
でも、最初に290円という値付けをするのは度胸が必要でした。「こんな値段でだしていいのかな」と気後れしてしまうので。
もっと、気落ちするのは、最初はなかなか売れないことです。
安くしたからってすぐに売れるわけではないのです。お客様の多くはリピーターなので、メニューをしっかり見ない人も多いのです。
だからといってホール女子が「やっすいですよ」とお勧めするのもイヤなんです。新発売のものでもないしから恥ずかしいって思ってしまうのです。
だから、お客様に地力で気づいてほしいのです。
なんか、思春期のややこしいこどもみたいな複雑な心境になってしまっていました。
そんなことしているうちに、ある日「すじこん」がどんどん出始めました。お代わりもでました。
私はお客様のもとにいって「すじコン、どうでした?」とお話をしにいって、どういう事情でこの価格なのかを説明しました。
こうやって、ヒットメニューを育てていきたいなあ、と思っています。
👇