飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

卒業する人の思い出 その2

卒業の季節になりました。現在4回生のみなさんとの出会いから今までの事が思い起こされます。

Nさんは1年生の夏頃に入ってきました。入ってきたころは人見知りがひどかったです。帰国子女であったことも原因かもしれません。

伝票を書く時も背中を曲げて、紙に顔をぎりぎりまで近づけていたので「目が悪いのかな?」と思っていたのですが、恥ずかしかっただけのようです。

しかし、仕事となると、誰よりも早く動くし、暇な時間は掃除や整理整頓、場合によっては仕込みの手伝いなど、とにかくよく働く。お客様との応対はちゃんとやる。

でも仲間内では恥ずかしがって自分の事とか話さない。不思議なキャラクターでした。「真面目な人」であることはみんな確信していましたので、とくに問題は感じていませんでした。

そのうち慣れるだろう、と思って普通に接してたんです。

それが良かったらしくて、徐々に周りの人とお話しをしだしました。すると彼女は本当は、実に真面目で、優しい心をもっていて、友だち思いで、お店が好きな人なんだ、とわかりました。

そのころ、彼女はもう一つアルバイトしていたのですが、そこではあまり理解してもらえなかったのか、いつのまにかそこでは働かなくなっていました。

とある宴会のとき、彼女がみんなの前で「ややこしい私を使ってくれてありがとうございます!」とだけ挨拶した事は忘れられません。

 

いまでは、信頼できる最上級生として、誰からも慕われています。

 

よく見るといつのまにか、背筋をピンと伸ばしたまま伝票を書いています。

 

彼女が背中を曲げて伝票を書いていたことなんか、みんな忘れています。

 

卒業したら 海外で働く道に進むようです。彼女は、周囲の信頼を必ず勝ち取りますのでどこへいっても成功するでしょう。