飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

飲食店営業は慢性的過重労働なのか ④

【100食限定への疑問から】

 

さて、

飲食店営業は慢性的な過重労働なのかについて書きます。

 

このことについて、わたしが新たに考え始めたのは京都で1日100食限定のステーキ丼屋さんが繁盛し、その経営者がいろんなところで表彰され始めたころです。

 

そのサクセスストーリーを簡単に紹介すると

飲食店勤務の両親に育てられたその経営者は飲食店の慢性的超過勤務を子供の頃から目の当たりにしていた。だから自分は販売量を限定した飲食店を立ち上げ、売り切れたら終了にする事によって超過勤務にならないお店を作った。このビジネスモデルだったら残業しなくとも利益は残る。多店舗展開もできるのだ・・というものです。

 

でも、販売数を限定して早じまいするお店は、いくらでもあります。四国のうどん屋さんはほとんど昼で営業終了です。

 

そして、私がもっと引っ掛かってるのは、この事例は「慢性的人不足」「慢性的過重労働」を前提としている事です。

 

いまやあらゆるメディアは、飲食業は慢性的な人不足で、残業が多く、休日がすくない。過重労働も発生している、という仮定の上に論理を展開するクセがついています。

 

残業などの超過労働が過重労働に変わっていくきっかけは、店長の仕事の戦略性が低くて従業員に信頼されていない事や、従業員がお店にプライドがもていない事にある、と私は前段に書きました。

 

しかし店長の責任だけでもありません。

 

売上が思うようにとれていないの事を営業時間の延長で切り抜けようとする経営者(本社・上司)によって労働環境が破壊される場合もあります。そういう経営者は自分は働かないクセに「生き残るためには仕方ないのだ」という理由付けをします。

 

理不尽だと思って、反論したり、辞めたりする店長ならば過重労働は避けれますが、「仕方ないなあ」と思って従うと、破壊された環境の中で毎日超過労働を続け、過重労働になり健康をむしばむことになります。

 

この「仕方ないなあ」が過重労働を現場に容認させます。

 

過重労働で訴訟になるお店を見ていて思うのは、その多くがさほど売上規模が大きくないお店だということです。ひっそり落ち着いたお店ですから、さほど残業なんかしなくてもいいはずのお店なのに、大問題や訴訟を抱えています。お店の雰囲気も最悪なので、売上げが好調なはずもないのですけど、、、。

 

「いつからこんな感じになったんだろうか?」という感じです。

 

火の消えたようなお店です。ヒマでも従業員がなお店に居続けて帰れなければ、りっぱな「過重労働」なのです。

 

売れないなら営業時間を見直せばいいのですが、、、、

人が足りなくなれば、営業時間を短くするか 定休を作ればいいのですが、、、、

なぜ、できないのでしょうか?

 

                その⑤へ続く