飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

野球の話をしたいのではありません。公平なリーダーシップと適材適所についてです。

ホームランを打った渡辺諒選手

 

 

昨夜、阪神タイガースの佐藤輝明選手がスタメン落ちして、代わりに出た渡辺選手がホームランを放ちました。

言っておきますが今日、わたしは野球の話をしたいのではありません。

 

人の扱い方について教訓に満ちているな、と思いますので、この件を取り上げました。

 

佐藤選手は今季5番バッターでしたが打撃不振が続いている上に、守備のエラーも多くなってきていました。だから昨夜は控えの選手と入れ替えられたのです。故障ではないと思います。

 

昨年までの監督でしたら、佐藤選手が不調ならまずは「打順を下げて」7番バッターにしていました。現監督とは考え方が違うのです。

 

でも現監督は「5番」が務まらなければ「控え」に回るだけだよ、と言っていました。これまで同じ現象が「8番ショート」「6番ライト」でも起こっていました。

 

その打順が務まらなければ出場できないのです。ほかの仕事は廻してくれないのです。これが選手層を厚くできる秘訣のひとつですね。

 

思うに、

現監督は5番バッターと7番バッターは「違う仕事」と考えているのでしょう。

佐藤選手に「5番バッター」という仕事を与えたが、成果にに不満がある、、、こういう時、7番に下げる、とするならば、、、、、

「彼に7番バッターという仕事を再度与えた」ということになります。

これは成果のない事に対して責任を取らせた事になるのでしょうか?

 

打順変更には下記のような疑問が出てきます

 

・7番は5番より簡単なのでしょうか?

・もともと7番を打っていた打者はなぜ代えられたのかを理解できるのでしょうか?

・7番という仕事へのリスペクトは無いのでしょうか?

・不公平ではないでしょうか?

等々

 

佐藤選手は大切な選手ですが「えこひいき」の対象になってしまってはいけない。監督への不信感の引き金にもなります。だから監督は彼に「5番バッターでの適性を求めてるんだ」と言って、控えにすることで、まず責任を取らせるべきです。

 

こういう思考を経て

「リーダーが期待を明確にして選手に責任を取らせないと、適材適所理論が崩壊するんだな」とわかりました。

 

「打順を下げる」のは相手の事を考えていて優しい措置のように見えますが、

「何を期待されているのかわからなくなる」危険がありますし、成長できずに増長したり、周りの選手が監督の戦略に不信感をもつきっかけにもなります。

 

 

たとえば、飲食店において、

忙しい休日に働いてもらうために採用した高校生が、休日は忙しいので勤務を希望せず平日だけ働きたい、と言ってきた場合、平日の稼働を増やしてあげるべきでしょうか?

そんな事をしたら

(いろんな事情があるとはおもいますが)自分が何を期待されているのか理解できないまま、「適材適所」にハマらない人材になってしまうでしょう。

 

そこそこ能力はあるのに、わがままでどの仕事にもハマらないこまった人材はこうやって生まれていくのです。

 

最初はどんくさいように見えても、我慢強く使いつづけ、その作業パートのエキスパートに育ってくれれば、みんなに尊敬され信頼される人材になります。

 

育成段階のリーダーの関わり方によって、適材適所な人材になるか、残念なヤツになるのかが決まるのです。

 

「うちのバイトは稼働率が悪くてね」て言うてる人は、初期の関わり方を間違えた事に気が付かないといけませんね。

 

期待する責任を明確に伝えて、そのように扱い続ければ、そういう方向に育つのでしょう。

 

選手が多いから選手層が厚いのではなく、リーダーが求める責任範囲が明確だから選手層が厚くなるのですね。勉強になります。

でも、やっぱり佐藤輝明選手のホームランが見たい!!