飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

慢性的得点力不足と 慢性的人手不足の類似点

またまた、今年の「タイガース現象」を借りて、人材採用に関するブログネタにさせていただきます。野球の話を書きたいのではありません。

 

昨年まで阪神タイガースは「貧打・得点力不足が弱点」と言われ続けていました。

今年は現時点でチーム合計202得点で1位のベイスターズの204得点と同等です。つまり 得点力不足は解消されています。

では、何が昨年とちがうのか?といえばフォアボールの数です。ここまでフォアボールは190個で圧倒的にリーグ最多です。

 

 

 

 

先日、岡田監督と掛布氏の対談がYouTubeで流れていましたが、その時、岡田監督は「開幕前にフォアボールの査定ポイントをアップしてもらった事を選手に伝えた」と言っていました。選手にすればフォアボール獲得による給料の上り幅が去年より増えるのですから、そりゃ納得しますよ。

現場の指揮官が部下に対して明確に方針を伝える方法として、指揮官の上司や組織も同じ意向であることを伝える方法があります。これは効きます。

 

昨年の監督は「初球から打つこと」を推奨していましたので、フォアボールは少なかったのです。ですから、これぐらい明確にフォアボールの価値を示す必要があったのだと思います。

 

フォアボール獲得による給料の上り幅は大したことないのかもしれませんが、上司が組織のルールに従ってリスクを背負っています。部下はこの上司の言葉を信頼します。当然でしょう。

 

人材育成や戦術の手法としてみると、「この指揮官はツボを押さえている」言えます。

野球の戦術として得点力不足を解消するための施策は「フォアボール獲得」以外にもいろいろあるでしょうがそこはこのブログの本質ではないのでこれ以上は書きません。

 

 

私の言いたい事は・・・

昨年までタイガースは慢性的に得点力不足と言われていて、当時解説業の岡田氏だけが「もっと点とれますよ」と言っていたし、岡田監督の就任時には「ベンチの采配で得点を増やします」と断言しています。

 

指揮官が代わって、チームに合った方針を打ち出して徹底すれば結果が変わるのです。

 

飲食業においても「慢性的人手不足」という言葉が当然のように使われていますが、本当にそうなのでしょうか。

「慢性的」という言葉には・・・

「自分たちの努力だけではなかなか解決できないのだ。わかってほしい。」という意図が含まれているように感じます。マスコミや世間の風潮は「慢性的な人手不足」という言葉を好み、それに合わせた数字を持ち出して、正当化しています。それのほうが世間に受け入れられるからです。

 

しかし、慢性的人手不足も経験や能力のある店長(指揮官)が、現状分析しリスクを恐れず戦略戦術を実行すれば改善できるのです。そういう現場を何度も見てきました。マネージメントの能力で人手不足に陥ったり、解消されたりします。

 

岡田監督のお仕事を見て、こういうことを感じました。

 

余談ですが、

昨年のタイガースでマルテという外人選手が「選球眼が良い」という理由で重用されていました。マルテ選手は足を故障しているのに無理して使って、痛いところでエラーしてました。残念な選手起用に見えました。

今思えば、マルテ選手は選球眼は普通で「初球から打て」という方針を理解できていなかっただけではないでしょうか。

今年のタイガースの主力選手は全て「選球眼が良い」から多くのフォアボールを獲得できています。多分、昨年も選球眼は良かったのでしょうが、初球から早打ちさせるからから活用できなかった、と考えるのが妥当ですね。個人成績も昨年よりかなり良い。

 

選手としては岡田監督の指揮下で働く事は(厳しい面もあるけど)勉強になるし、勝ち方を教えてもらえる機会になります。それは将来、野球界で生きていくための糧になるだけでなく、他の社会で生き抜いていく原動力にもなるかもしれません。尊敬されると思います。

 

マネージメントのチカラを論じているわけで、前任を批判しているわけではありません。今後岡田監督が失速したら、その原因も論じたいと思います。

 

 

あくまでも、「勝てば官軍」ですからね。

 

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