飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

私はスシローさんの味方でも、敵でもないです。

スシローさんの件について、先日のブログで長嶋一茂さんのご提案に反論する意見いたしました。

誤解の無いように、あえて言いますが、私は飲食店で働く者の気持ちとして長嶋さんの意見に批判的な事を申し上げただけです。

 

 

スシローさんにも(飲食店で働くものとして)意見したい事があります。

 

それは

「ガードが甘すぎる」ということです。

回転すし業者のみなさん(や評論家たち)は、セルフ会計やタッチパネルの導入によって店員を削減して、自分たちが意図的に「ガードを下げた」くせに、問題が起こったら、

日本人の文化レベルが下がったとか、日本人の国民性や善意に基づいたビジネスが成り立たなくなったなどと責任転嫁しています。

 

ルフレジや無人フロアーという形態は、明治の昔にさかのぼっても、

まともな飲食店には無かった概念です。

 

客席や座敷に座ったお客様に対して、従業員がお給仕やサービスをして、会計の場所にも従業員が配置されているのが日本の飲食店の伝統的な形態です。

 

それを無視して、どこにも従業員がいない飲食店形態を作ったくせに、

いたずらされた、とか食い逃げされた、とか言うのは、ちょっと違うんじゃないですか。

 

いたずらされたくなかったら無人にしなかったらいいんです。

 

防犯カメラが発達したから、「いたずらしてもつかまるぞ」というシステムを背景にして、コストカットをめざしましたが、

コストカットしているだけでなく、伝統的な日本の飲食店の「よいところ」を壊したのでしょう。

 

古いモノが壊されて新しい良いモノが出てくる事はとてもよい事です。

しかし古いモノが壊されて問題がおこるだけで、新しい良いモノが生まれてこないのは「害・破壊・衰退・妥協」のいずれかです。

 

問題が起こっているのですから、経営者は気づかなければならない。

 

抑止力とばかりに高額の損害賠償を求めることは、防犯カメラを増やす行為と同じです。ある程度の効果はあるでしょうが問題が解決したり、人が成長したりはしません。

それにプラスして自らの営業形態を見直して、正常なサービスができる環境かどうか?目指すモノは何か?もういちど確認するべきではないでしょうか。

 

そうでなければ、事業のおわりが、近い将来必ずやってきます。

 

だって、管理不行き届きな環境でお客様に食事をさせて、会計さえ機械まかせなのですから、近い将来「飲食店」と認識されなくなる日が来ますよ。

サービスが無いのですから高い料金を払う必要もない。付加価値が無いのですから。

 

そうなれば、従業員は活躍の機会を失ったり、労働環境のさらなる悪化を体験することになるでしょう。

 

確認いたしますが、今回のぺろぺろ事件で加害者が高額の賠償金を要求されていることに異論はありません。正しく裁判活動してください。

 

違った目線で将来のために、事業者のなすべきことも考えてほしいと思っています。

 

日本社会の衰退やモラルダウンを危惧するかのような分析は不要だし、間違いです。

企業が利益目当てでサービスの根幹に手を付けただけの事です。

今後も問題は起こり続けるでしょう。そのたびに抑止力の強化が行われるでしょう。いたちごっこです。

 

いたちごっこ

数字や風潮や報道にだまされないで、

現場を見つめる経営者がいつの世においても改革者であり、成功者です。

 

 

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