友人たちとエビスバーというお店で飲んでいました。
ホール係の男性が料理をもってきて、友人の一人が受け取ったりしている間に交錯したのか、ビールが倒れて友人のズボンがびしょびしょになってしまいました。
ホール係の男性は「初心者マーク」を付けていてすごく申し訳なさそうに拭いてくれていましたので、みんなで
「気にせんでええで」とか
「大丈夫や!俺は濡れてないでえ」とか言って笑っていました。
ミスはミスですが、ほぼ不可抗力で、しかたないアクシデントです。
その後、友人には新しいビールを持ってきてもらって一件落着でしたけど、その後からマネージャーらしい人がまた謝りに来られて、洗濯代の話をしてきましたが、みんなで「もういいよ、いいよ」と言いました。どうみても普通のジーパンですし、家で洗うだけですから、お金もらうなんて怖いし。
そしたら、マネージャーさんは「では皆さんに1杯づつサービスします」といって帰っていきました。
で、会計が「なんか安いなあ」と思って明細をみたら、ビールが3杯無料になっていました。
「申し訳ないことしたなあ」と思いましたが、得した気持ちで会計をすませました。
「なかなかやるなあ」
お客さんの雰囲気をみて臨機応変な対応ですね。
・不可抗力と言われているが初心者マークを付けている従業員はそもそも不慣れ
・お客さんは全然怒ってない。
・洗濯代負担申し出は辞退された。
ここまでの要件をそろっているなら、処理方法は倒したビールの交換で充分な気もします。
しかし、さらなる”カスタマーリカバリー”を狙って、ビール3杯を無料プレゼントしました。
なかなかできそうでできない事です。
クリーニング代よりもビール3杯のほうが実質コストも安いし、手間も減る。その上お客様に感謝されたり、感心されたりします。
お客さんの機嫌がよくなれば、失敗した従業員も救われるし、すなおに反省して次の行動に生かさせるでしょう。うまく処理したマネージャーも従業員から頼りにされる。
すごくコストパフォーマンスの良いアクションです。
これは、店長(だとおもいます)の権限をうまく使った、プロの仕事ですね。その店長は営業中は客席が見渡せる場所に意識して立っていました。これもプロ。
こういう店長を育成しておけば、何も心配はないのです。お店の従業員は自然に充足し、ロスは減り、利益は増加します。間違いありません。
クレーム処理をカスタマーリカバリーにつなげるって、なかなか大変なんです。