Amazonプライムで「ラーゲリより愛を込めて」を観ました。
映画館でも(1人で)観ていたのですが、妻も見たがったので、今回は2人で鑑賞しました。
私の父親は大正14年生まれで、日本陸軍の兵隊でした。
20歳のとき満州で終戦となったため、ソ連の捕虜としてシベリア抑留生活となり22歳で帰国という経歴です。
もう30年以上前に亡くなってしまいましたが、生前子供の前で、何度か捕虜時代の話をしてくれました。
子供の前ですから、楽しく聞けるように話題を選びながら聞かせてくれたのだと思います。
すごく寒くて凍傷の予防が大切だった事、
思想教育のため寸劇をさせられたり歌を歌わされた事、
生きるために「その歌」を一生懸命うたった事
いろんなえこひいきや不正があった事
帰還する時、船から日本(舞鶴)の山の緑が見えたときの喜びは強烈だった事
など、
子供にもわかるレベルで話してくれました。
ですから、”捕虜だった男”の息子として、この映画は見ておかなければならないと思いました。
私の感想は・・・
「親父の話を正直かつ悲惨に伝えればこうなるな」です。
おそらくこの映画の内容は事実に近いと思います。
詳しい内容については皆さん映画館で観てください。私からは「私の聞いた話に近かった」という事だけを伝えておきます。
ただ、ラストシーンに向かって感動で号泣状態になりました。
親父はこのような環境の中どうやって生きていたのか?
早く亡くなってしまったので詳しく聞けないのが残念ですが、私は生前の親父には「芯」があると感じていました。間違った事は言わない人です。
親父の生き方に対してこの抑留生活が大きな影響を与えているし、親父の人間的な魅力やたくましさのファクターともなってもいると感じています。
この物語の主人公は敗戦したのにまだ続く軍隊の規律に時として従わず、厳しい立場になりながらも自分の意思を曲げず、何人もの仲間から認められる存在になっていきます。
そして彼は、自分の子供たちに対して「道義が一番大切だ」と言います。
「道義が大切」がおそらくこの映画のテーマだと思いました。
道義とはどういう意味なのか調べると「人の行うべき正しい道」とあります。
辞書的な解釈以上に「道義」という言葉には重い意味があります。
「道義」は法律のように明文化されていません。
誰かがルールを決める前から決まっている「正しさ」です。
誰かが決めたルールを探したり縛られたりする前に
自分の中の「道義」に問いかけながら生きていきたいなと思いました。
親父には「道義」があったのだと思います。
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