飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

囲み取材と録音機の弊害

阪神タイガースの岡田監督がしばらくの間、担当記者との囲み取材を拒絶していました。

取材拒否のきっかけはなんだったか、とかはこのブログの本題ではなく、

「プロとプロの会話」とは何なのか、について書きたいと思いました。

 

「囲み取材拒否」までは担当記者はICレコーダーを使って会話を録音していたようですが、取材再開からは録音は禁止になったのです。

 

試合後のテレビインタビューは生中継ですので画面を通じて岡田監督の言葉がそのままファンに届きます。それは会話ではなく会見です。岡田監督も言い方に気を付けて、セーブしながら話している感じがします。

 

しかしその後の囲み取材は中継されませんので、「記者との会話」という位置づけになります。

 

岡田監督は監督と記者はその道のプロ同士の会話をしているのだから、複雑な事や、事実を隠している事、なにかを省略している表現とかがあってもキチンと真意を分かりあえる信頼関係がある事を前提としているはずだと、思っていました。

 

しかし、記者側はいつのまにか「会話」が目的ではなくなり、岡田監督の発言を一言一句すべて文字おこしすることが目的になってしまっていました。岡田監督の「おーん」など特徴ある言い回しが読者にウケたからです。

流行ったからなあ

結局、「表現と真意がズレる」というトラブルになりました。

記者側からすれば、録音した言葉をそのまま記事にしたので「オレたちは間違っていない」となります。表面的な表現された言葉と文字は一致しているのですから。

しかし、

岡田監督からすれば「そういう意味ではなかった。前後の文章が省略されとるがな。そもそも記者が深く理解してないやろ」となって、、、結局信頼関係が破綻しました。

 

岡田監督曰く「担当記者やったら、もっと野球を勉強してこいや」となりました。

 

「なるほどなあ」と思いました。

 

自分の言葉がそのまま伝わるだけなのなら、「インタビュー」でいいのです。

しかし

担当記者は毎日取材するのですから、知識や情報が豊富なはずですから同じことを聞いても自分なりに解釈して内容の深い記事にするのがプロの仕事です。相手がプロだと思うから言える内容もあるのです。

「言った言わない」問題なんて起こるはずもない関係のはずなのです。

 

取材対象との会話を正確に記録することこそが仕事と思うのか

その会話の真意をつかんで記事にすることが仕事なのか

 

議論になるところだと思いますが、私は「録音機の弊害」が出た例だと思いました。録音できることは便利ですが、使い方を誤ると本質を取り違えるってことです。

 

岡田監督の手腕や戦略思考、選手の使い方ってすごいと思います。私は表面的な「おーん」とかではなく、その考え方の優れた面や解説をもっと知りたいです。

 

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