飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

非接触ブームの虚実を問う飲食店の危機

いつもながらセールスの電話には感心させられたり、強させていただいたり、です。私が世の中に対して疑問に思っている事に対するヒントも貰ったりします。

 

スマホでオーダーできるシステムを使ってほしい。なんならタッチパネルを貸し出すこともできる」という電話がかかってきました。数か月前に1回話をしてる会社のようですが、あまり覚えていません。

 

テーブルオーダーとか言われている機能です

 

以下、会話の概要です

私「飲食店スマホのオーダーを使う利点はなんですか?」

Answer、1

人手不足の解消です。ホールをゼロにして頑張っているオーナーさんもいます」

⇒当店は人手不足ではないし、ホールを1人で頑張る気はないし、そもそもホールがオーナー1人のお店って大丈夫なの?オーダーを聞く作業が無くなったからといっていきなり人を減らすのは、サービスの著しいレベルダウンになりませんか?

 

Answer、2

客単価が増えます。追加オーダーしたくても忙しそうでできない時、スマホオーダーだったら気兼ねなくできます。」

⇒ホール係に追加オーダーできないお店って、どんな状況なの?そんなお店にオーダー入れても厨房はすばやく商品をつくれるの?すばやく作れるのならその余剰人員がホールにでてオーダーを受けたらいいやんか。

 

スマホオーダーのセールストークにおけるポイントはこの2点のようです。疑問だらけです。

 

当店が個室で営業しているお店ならスマホオーダーも必要かな、と思いますが

小規模で個室もない居酒屋ではいくらなんでも使えないんじゃないでしょうかねえ。

グランドオープンからシステムを調整して使うならわかりますが、現在普通に営業しているお店に「導入」は無いかなあ。

 

もし導入するなら

「現状のサービスのレベルがかなり低いから、無理やりスマホオーダーを導入しても、サービスレベルの低さにおいて大差ない」、という事を認める事になります。

 

すでに、サービスレベルが悪化してしまっているお店にとって

「人手不足に対応できて、なおかつ単価があがります」というフレーズは魅力的です。

しかし、現在の問題点から逃げているとも言えますね。

 

「ワラにもすがる思い」で、このシステムを導入したら、もっとひどいことになる。。

 

よく考えてください。

論理的に考えれば、人手不足対策にも、単価アップにもなりません。

 

スマホオーダーは個室のお店とか大規模なお店がやるべきことですね。

コロナ禍に「非接触ブーム」に乗って飲食店にまん延したが、コロナ禍が去ってその存在意義を吟味されるべきシステムはたくさんあります。

多くは非接触で売り出したシステムのくせに、売上げに効果があるとか、言い出しています。本当にどうなんでしょうか?

こういうことに「答え合わせ」をしなければ飲食店は痛い目にあいます。心配です。

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