飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

夜間営業しかできない店

関東に緊急事態宣言が発令されました。関西では来週にも発令される予想です。営業時間短縮要請が出たら従うしかないかな、と思っています。

前回の発令時、いろんな思い出があります。

近所によく売れているかすうどんの店があります。関西で「かすうどん」といえばホルモンを干して揚げた「油かす」と濃いめの出汁のうどんで、めちゃめちゃうまいんです。そのうどん屋さんは通常夜6時から翌4時ごろまでの営業です。タクシーの運転手さんとか夜食を求める学生さんとか、結構広い店内は夜通しお客さんが入っています。そこが前回の発令時、夜8時までの営業とするために昼の11時から営業し始めました。昼は認知が無いのでお客様が全然はいっていませんでした。で、1週間ほどであきらめて夜2時ぐらいまで営業し始めていました。夜の人出は少なかったのですが、そのうどん屋さんだけはお客さんが入っていました。満席ではないようですが、「ああ、よかったなあ」と私はその光景を外から見ながらバイクで帰宅していました。

 

今回の発令を受けても、おそらくこのお店は夜間営業の自粛はできないと思います。夜間しか営業していなかったお店ですし、周囲からも夜間営業で認められているお店ですから。女子大生が2人で夜の1時にうどん食べにいけるような善良な店舗です。感染対策もできています。 

 

新しい法律によると、このうどん屋さんが夜中に営業したら、実名公表、罰則・罰金になる?。場合によっては実刑になる?法案も国会で野党が提案している?このうどん屋さんは社員もいるようですので、固定費が大きいと思いますが、補償が充分でない場合、どうしたらいいんでしょうか。

 

マスコミ報道やSNSを見てみると「実名公表すべきだ」「実効性をあげよ」という論調が目立っています。前回、実名公表が話題になったパチンコ屋さんはギャンブルするところだから実名公表で逆にお客さんが集まり、儲かったとか言われていますが、30席くらいのうどん屋さんに「普段以上のお客様が集まって大儲けできる」なんて考えられない。だから、悪意で要請無視するなんて考えられないのに、実名公表で宣伝効果を狙ってくるんじゃないか、とかの見方をする評論家は、アタマがおかしいんじゃないかと思います。だれかが、その悪質性や周囲との平等感との兼ね合いを判断して、実名公表したり罰則かけたりするのでしょうが、その基準はどうなんでしょう?

 

もし、あなたがそれを判断する立場だったら、このうどん屋さんを糾弾しますか?