飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

既存の人の時給を上げる時に考えてほしい事

アルバイトの時給アップとは、どういう考え方をもって行う行為なのか・・・

重要な注意点があると思います。

 

それは、時給変更される側(アルバイトさん)と 時給変更する側(店長・経営者)の考え方は根本的に違う、という事です。

 

アルバイト側では、仕事が上手がどうか(スキル)が基準でしょう。

 

しかし経営者側では、本当に出勤してほしいときに来てくれているか、とか、あと何年働けるか、とか 面倒見が良いか、使いやすい、とかスキル以外の面も時給に反映させたいですね。

つまり、「時給UP」とは、お店にとってはこれからの売上げを取っていくために必要な投資先を決めているのです。アルバイト同士のスキルの差を決めているのはありません。

「判断基準」が違うはずです。違っているべきです。

 

時給アップって繊細なアクションなんですけどね

 

でも、スキル以外の面を表現したり、伝達したりするのは難しいです。

 

例えば「〇〇さんはスキルは普通だが毎週土日働けるから時給を上げます」「△△さんはスキルは高いが希望スケジュールが少ないから時給はそのままです」と、伝えたとします。

 

△△さんが「でも私は学校が忙しくてこれ以上はたらけません。不可抗力なんです。」って言ってきて、さらに「私はどんなに頑張っても〇〇さんより安いのですか?説明してください。基準を明確にしてください」てなことになるかもしれません。

 

店長側では明確な根拠をもって時給変更するのですが、そのすべてをアルバイト側に伝えることは難しいし、不適切な場合もあります。

個人的に本人にだけ「あなたは今月から〇〇〇〇円になったよ」って伝えるのが無難です。それでも誰かの時給が上がった情報はみんなに漏れますけど、「理由は説明しません」というスタンスをとっていれば、しょうもない意見や質問は入ってきません。

 

 

誰が時給上がったかを明確に貼りだしたりすると、不満や疑問が出てきます。こういうのはショック療法であって、組織を根本的に変革したいときに使う方法です。平常時には時給は個人情報として取り扱うべきです。

 

(個人にしか伝えてなくても、絶対に、全員にバレていく事も意識しておかないとアカンけど)

 

ただし、真剣な質問や意見には耳を傾けます。でも答えるかどうかは微妙な判断です。

 

いかに△△さんの仕事ぶりを褒めながら、時給が上がらなかった説明をしても、結局むなしい話になる事を、私は肝に銘じています。

 

なんでも透明化する方が良いとは限りません。経営者が言いたくなければ、言わない勇気をもちましょう。

 

「それを聞いてどうすんの?」ってことですけどね・・

 

でも、全く誰も時給UPしない組織を作るのは良くないです。そういうスタンスも必ずバレて、「そういう職場」なのだ、と言いふらされます。