飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

飲食店営業は慢性的過重労働なのか ②

【閉店を早めるお店が多い】

 

飲食店における1日1日の営業はビジネス全体から見ると、見えないくらい小さな小さな出来事なのです。

 

ですから、何か問題を抱えているならば、その日は休んだほうが良い とも言えます。

 

もちろん、勝手気ままに休んだり開けたりするのではなく、トラブルに対して「適切な対策をしたが営業しない方が良いという判断」はありうるのだという意味です。

 

今回の私のお店でも、臨時休業にいたる前には営業時間短縮が何日かありました。営業時間を短縮して体力を温存・回復していこうとしていたのです。

しかし、最終的には私が完全にダウンしたので臨時休業やむなしとなりました。

 

残念ではありますが、「もう、営業してはいけない状態」だったと思います。

 

つまり、普通に営業できていたお店が、従業員の急な病気や怪我で窮地に陥れば、休んだり営業時間を短縮すればよいだけです。

仮に数日の残業が発生したとしても、営業時間の変更や臨時休業を効果的に使えば、損を最小限にしながら元に戻す事ができます。

オーナー店長もしくはオーナーが直接営業に参加してるお店ならば(ちゃんと告知さえすれば)問題なくできている事です。

 

しかし、多くのチェーン店形式な飲食店にとって、現場が勝手に営業時間を変更する事はタブーです。

断水や停電、機器の故障であるならば休業や営業時間の変更も認められますが、「今日は人手が足りないから休みます」、なんて言えません。

その代わり、チェーン店では複数の社員が配属されていますので、他の系列店からヘルプしてもらって営業を維持します。

しかし外食店舗が増えて1店舗当たりの売上げが小さくなる中、社員の量は足りなくなっており、急な人材調達も難しくなっています。

 

 

コ〇ナ以降 深夜営業(22時以降の営業)を短縮するチェーンレストランが急増しています。3年前に比べて24時以降に営業しているレストランは激減しています。深夜に開いているのは、一部の牛丼屋さんと24hのマクドナルドさんぐらいですね。

 

深夜2時までやっていたお店が11時で閉まるようになったら売上げは下がるけど、利益は激減するわけではありません。不採算時間帯も減るからです。

 

外食チェーン店の多くがこのことにうっすら気が付いていながら、これまで出来なかった。しかしコ〇ナのおかげで、これに踏み切る事ができました。

 

あとは「年中無休」問題です。・・この言葉の呪縛から逃れる事ができれば、さらに運営状況は良くなりますます。

しかし現状では

閉店時間を早めるお店が多くても、あらたに定休日を作るお店はほぼ無い。店舗判断での「不定休」なんかを認めるチェーンは無い。

時節柄「売れないから早じまいします」は上司や株主に説明しやすいからでしょう。

「いろんなトラブルに備えたいから定休日または不定休を認めてください」、とは言えないんでしょうね。そんなこと・・・・・発想さえしてないのかもしれません。

 

つまり、コ〇ナ後の各社の営業時間短縮は あくまでもその場しのぎで、労働環境の改善を視野に入れた計画的なものではないのです。

 

需要が戻れば、簡単に営業時間を延長しようとするでしょう。

 

しかし、営業時間の延長に際しては、営業時間を短縮した場合よりも何十倍の戦略的な計画性が必要です。そんなことには気が付いていないかもしれません。「元に戻すだけやろ」と思っているでしょう。

 

いつまでも営業時間を短くしたままでステークホルダーが許してくれるはずもないしね。               

                          ③に続く