飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

社長の味見って必要なのか?飲食店の原点とは

 

食肉の値段が上がってきているので、外食各社が新しい仕入先や牛肉以外の肉のテストをしている・・・・とかの映像を見る事があります。

 

こういう映像の中で、私が嫌悪する映像があります。

 

それは社長室で、調理する映像とか、

社長が味見して決定するとか、

 

そういう映像です。

 

最近見たのでは

社長室にカセットコンロと焼き石をもちこんで、お肉を焼いている映像がありました。

この社長はアホだと思います。

 

調理は厨房の現場でやってこそ意味があります。火力も違うし。

 

それができなければ、その食材を美味しく調理しているお店に行って味わえばよいのです。中途半端な調理設備で味見するなんて食材に対する冒とくです。

 

当店には「旨辛鍋」がありますが、私は辛い物が苦手なので味が正しく判定できません。したがって、辛い物好きの人に食べてもらって感想を聞きました。

 

ですから、社長が御前会議みたいな形式で味見している光景なんか、滑稽にしか見えません。

自分を「特別な人間」と思っているんでしょう。

社長が味見して販売を許可し、開発担当者が喜んで泣く、映像なんか ばかばかしくて見てられません。「長期的に売れてから喜べ」といいたい。

 

味は現場で表現するものです。

現場で作っている人が「おいしい」とか「まちがいない」とか確認してお客様に出すのです。

 

会議室で味のレシピを決め、数値化して「この通りにつくれ」という時代はもうおわったんじゃないでしょうか。そもそもレシピ通りにつくれているかどうかわかりませんし。

もっと怖いのは 料理ではなく工業製品のように調理するお店ばっかりになることです。

 

私は作っている人が「おいしいでしょ!」ってお客さんに語り掛けているようなお店を利用したいと思っています。

 

若いころ、私はハンバーガーチェーン店の店員をやっていましたが、先輩・上司の人たちは、ちょいちょい お客さんや子供さんにむかって「どうですか、美味しいですか。美味しいでしょ。ありがとうございます。」と語りかけていました。

 

だから成長したのだと思います。

 

これが、飲食店の原点だと思います。どんなお店でもできる事です。

やったお店の勝ちです。間違いない。