飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

人が離れる条件

友人の愚痴です

 

外食産業が大きくなりすぎて、たたき上げの社員では社長が務まらなくなり、外部から招へいするケースがあります。

 

会社も大きくなると、マーケッティングや商品開発など、店舗からの経験だけでは理解できない業務も増えますので、仕方ないことです。

 

ただし、この人事の成功・失敗は「人」によります。

結局は、社長として雇った人が経営者の器の人物かどうかが問題なのです。

 

長年その会社で社員として働いてきた人ならば、その能力や人格を試す機会もありますが、外部からの採用だと、それを確かめる時間がありません。

経歴照会と面接で判断することになります。

 

つまりギャンブルです。

 

とある1000店以上保有する大手チェーン店で、

別の会社からきた社長が

「お店の状態が悪い。クレンリネスも行き届いていない」と怒っているそうです。

で、全社員にメールで「私が店舗を見回ります」と宣言し、自分でお店に行っては文句をいってます。

 

この社長さんは、お店の状態が悪い事はわかるようですが、いったい原因は何だと思っているのでしょうか。

このやり方だと、「現場は能力があるのにサボっていて、それを見てもスーパーバイザーは気づかないのだ、だから私がを入れるのだ」という事になります。

 

本当にそうなのでしょうか

仮にそうだとしても、このやり方で成果が上がるのでしょうか

 

そりゃ無理です。

 

そんな事はこの社長もわかっているんじゃないかと思います。

 

 

 

だったら、なぜこんな事をするのか?

それは「保身」です。

 

自分のマーケッティングがうまくいかなくて、売上げが低迷している理由を現場に押し付けているのです。

そもそも、現場に無理をさせるようなマーケッティング活動をさせて、仕事を増やして混乱させておいて「現場の状態が悪いから売れないのだ」という方向性にもってくるリーダーは案外多い。

 

机上で「今、ハマりそうなマーケッティング活動」を論じて命令するだけなら、だれでもできますやん。

 

有能な社長ならば、自分の会社の現場にどれくらいの力量があるのかを正確に把握して、できるレベルの事をやらせるか、現場力を高めてからチャレンジさせるか、でしょう。

 

現場力を上げる方法はいろいろあります。

「仕事を整理して現場の可動域を増やす」

「待遇を改善してモチベーションを高める」

「便利な機械を導入する」

とかいろいろありますが、いずれにせよ投資が必要です。

 

先にコストを使って、成功する体制を整えてからアクションを起こせば、だいたいうまくいくし、失敗しても何が準備不足だったかがわかるでしょう。

 

先に販促で現場を動かしてから、「店舗状態が悪い」とか言い出すのは卑怯です。

「店舗状態が悪い」って思ってるんだったら、「プロモーションを中止するぐらいの気概をみせてみろ」と社員は思うでしょう。

 

そんなことしたら、自分の価値がなくなってしまうからしません。

 

本質的な投資の話にならないように、現場にカツを入れてる感じでやりすごしていくつもりだったのが、ひょっとして会長さんとかに怒られたのかもしれませんね。そうなると興ざめしますが。

 

こういう悲劇(喜劇?)はそろそろ止めて、現場とプロモーションの投資バランスの取れた大型チェーン店をもっと見たいですね。

 

 

以上、友人の愚痴でした(笑)

 

 

 

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