飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

スケジュールキャンセルされたら、どうしますか

飲食店は人を使って商売をしているのですから、計画通りにいかにいかないことも多いはずです。

 

アルバイトさんが体調不良になってスケジュールキャンセルされる事は、起こってあたりまえです。また、活動的な人であればあるほど、ほかの用事ができたりするリスクも多くなります。

 

でも、そういうスケジュールキャンセルのたびに、店長が面倒な再調整を強いられるのも事実です。1回作ったものを作りなおすのは、普通の倍以上手間がかかるので、面倒だし、いやです。

その面倒さを避けたいがために、キャンセルの申し出を無視したりしたら、もっとモラルが下がってしまってバイト側に「へんな職場や」とか「むちゃくちゃやなあ」という感情が沸き、彼ら自身の内省にはつながりません。

で、もっとももっとキャンセルが出るようになります。そういうものです。

 

キャンセルさせれて「痛いなあ」と内心では思っていても、店長が泰然自若としておけば、バイト側には「悪いことしたなあ」という感情がわきます。

また、アルバイト人数が充実していることに対する危機感や競争心などが湧き出てきます。「内省」するわけです。

 

体調不良や用事でバイトスケジュールをキャンセルしただけで、「反省」なんかする必要なんかぜんぜんありません。しかし、自分のキャンセルによって何人かの人が動き、その穴を埋める作業時間を使わせた事は理解してほしいですね。だから「内省」と書きました。

 

プロ野球の連続出場記録で世界新を出した金本選手は

まだレギュラーメンバーになってない若いこと監督に「いい選手とはどういう選手なのですか?」と聞いたそうです。そうすると、その監督は「そりゃ、休まない選手だよ」と即答したそうです。当時の金本選手は驚きました。

打つ・走る・守るではなくパワーでもスピードでもなく、「休まない」が良い選手の第一条件だったのです。その日以来金本選手は、技術の向上だけでなく、故障しないためのトレーニングに励み、痛みに強い超一流の選手になりました。

 

選手の個性や特徴、能力を見極めて用兵するのは監督の仕事ですから、そこに個人的な好みを入れることはありませんが、どんなに優れた技術をもっていている選手でも出場できなければ「ゼロ」ですからね。

有望な選手でも故障で休んだら、「おらんよりまし」な選手より下なんです。

 

上質なリーダーは部下に過剰な要求はしません。まじめで誠実で おまけに丈夫な人だったら、言う事ないんですよ。いまいる人をうまく機能させるのはリーダーの責任ですから。

 

「キャンセルする人を責めろ」とはいいませんが、「キャンセルを許せ」、とも言っていません。うまく相手の「内省」を引き出したいのです。

 

 

採用と環境づくりに間違いが無ければ、この方法で無駄に休まない組織ができます。