飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

ラストオーダーを思考しました

一年生のMさんに

「じゃあ、一緒にお客様にラストオーダーを聞きに行こう」と言いました。

すると彼女は

「アタシ、やったことないし、どう言ったらいいのかのかわかりません。」

 

私は「だから、『一緒に行こう』って言ってんねんけどなあ。」と言いつつ、(ああ、この人は ”言い方” だけを学ぶ気だな。浅い人だ・・・。)と思いました。

 

そこで、彼女に質問しました。

「何のためにラストオーダーを聞くのだとおもいますか?」

案の定、答えに窮したあげく

「ルールだからです」という回答を得ました。

 

(ダメだこりゃ)

 

目的を知らずに、言い方だけを学ぶんだったら ロボットと一緒です。

生産性や効率を求めてフレーズを固定する事は「教育マニュアルの弊害」です。

 

個人店はそんな事やってはいけない。

 

私は 

「ラストオーダーは、従業員が時間通りに帰るために聞くのです。ですから『申し訳ありませんが』から切り出すのです。」

「表の張り紙にラストーダー〇〇時とか閉店〇〇時とか書いてあるからルールなんです、なんてこと、考えても・言ってもいけない。」

 

と、言いました。理解してくれたらいいなあ、と思います。

 

もちろん、お客様がどういう状態で閉店近くまで客席に居られるのかも、「言い方」に関係してきます。今回のお客様は何のオーダーもなく1時間以上粘っていましたので、「あの~」と近づいた瞬間に、「あっ、すみません。帰ります。」と言ってくれました。

 

こうなると「言い方」や「フレーズ」のトレーニングはできてませんよね。ですから「なぜラストーダーを言うのか」の説教をしていて良かったと思います。

 

イメージ映像

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優秀な学生さんとか、学問を志す人・・・いわゆる「インテリさんの弱点」は

すぐに、要点をまとめたり・ 数値化したり・整理したり・ 図表化したがることだと思います。

パターンを見つけたいのです。

 

そういう考え方が「歴史に残る法則」を発見したりするのでしょうから、欠点とは言いませんが、物事を誤解しやすくなる傾向があります。

 

サービスにおけるコミュニケーション方法は

「誰が言うのか」

「誰に言うのか」

「いつ言うのか」等のシチュエーションによって激しく変化します。

 

ですから、「なぜ言うのか」をしっかり確認したら、あとは本人にお任せするだけで、それ以上はマニュアル化しないほうが良い、とも言える。

 

しかし学者さんや現場を知らない人はフレーズを決めたがる。

 

これは、サービスの陳腐化・弱体化の原因になります。

 

学者さんとか、勉学で優秀な人がサービスの現場で役に立たない事が多いのは

こういう原理だと思います。

 

※ちなみに当店は「最終閉店時刻」は告知していますが、ラストーダー時刻は設定していませんし、告知もしていません。お客様とお店の状態を見て、私がラストオーダーを伝えるかどうか、または、いつ伝えるのか、を決めています。

私1人でひっそりとお店を運用している時間帯でしたら、ラストーダーはありません。帰さなければならない従業員がいないからです。

 

 

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