飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

DX(デジタルトランスフォーメーション)に物申す人が現れました

サイゼリアの元社長さんが

「配膳ロボット」のなどのデジタル導入について、下記のようにおっしゃっています。



(引用)「デジタルを導入してはいけない」と言っているわけではありません。デジタルでしかできないことはありますし、うまく使えば成果は出せます。ただ、デジタルに頼ってしまってはいけない・・・。

 

実際、デジタルは導入費より、メンテナンスコストの負担が重い印象があります。一度導入すればメンテナンスコストは払い続けないといけない。リスクと併せてよく見極めないといけない点です。

xtech.nikkei.com

 

私は、なんでもDX(デジタルトランスフォーメーション)が良いとは限らないのに、なぜどこもかしこも導入しているのか?と不思議に思っていましたし、過去にもそういうことを書いてきました。

労務費が浮くから、という理由はわかりますが、それがメンテナンスコストと相殺できるのかをきちんと検討しているのかな?と、私は疑問でしたが、サイゼリアの元社長が同じことを言っています。

 

これは嬉しい反面、不安になりました。

大企業の元社長がこんなことを言ったことも不安材料ですが、記者がリアルなお話をありがとうございます。参考になる方は多いのではないかと思います。」

と答えている事はさらにショックです。

 

こんな当たり前の事が「参考になる」って文字になるほど、DXのコストに対する認識は低いのか?と思ったんです。

大企業の経営者っていろいろ考えすぎて、思考が複雑になって、簡単な事がわからなくなってしまったんじゃないでしょうか。

そんな事を考えていたら、その答えになるような文章が出てきました

 

(引用)多くの日本企業が使っている「PDCA」(Plan-Do-Check-Action)アプローチは時代に合っていません。PDCAはまず計画を立ててそれを実行するアプローチですが、それは、経済が安定して先行きが読みやすく計画を実行すればその成果がある程度分かることを前提にしています。今はそんな時代でないことは明白です。

 今はSTPDが時代に合っています。See-Think-Plan-Doの略で、まずは観察します。そのときもただ見るのではなく、やぶを突っついて何が出てくるかをよく見て、そして考えて計画を立てて実行します。

 

大企業は「大きな船」のようなものですから、基本的に「安定」しているのでしょう。大きな方向性が合っていれば、社長も細かい現場コストにチマチマしていないのかもしれません。この投資は間違っているかも、と思いつつも方針転換するには大きな時間を費やします。

さらに昨今、大企業では現場(店長)の権限を奪い、判断能力を落としています。経営側からすれば、現場に判断能力が無いから権限を縮小した、というでしょうけど、どちらも同じことです。現場が判断できません。ですから本部で方向性をきめただけなのに一気に各部署が動き、現場の意思を確かめず、何でも導入、変更します。

 

それに対して、私たちは吹けば飛ぶような「小舟」ですから目の前のコストを払いたくないので、なんでも現場で観察、検討してしまいます。朝令暮改なんて当たり前です。

 

その差を感じました。

 

この人も社長を辞めたから率直に言えるのでしょうね。大企業の社長は大変ですね。

 

とにかく、「DX」という方向性は正しいのですが、そのアクションの全てが正しいとは限りません。現場でコストをよく検討して導入するかしないかを考えてください。なーんも考えずに導入したら DX ではなく 単なるデジタル化だそうですから。

(かといって、今のサイゼリアさんの店舗状態がとてもいい、とは思っていません。しかしこの文章を読んで、「なるほどね」と思う事がありました。それはまた別のブログで・・)

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